■爬虫類との付き合い■

 爬虫類といわれるグループは、ひじょうに魅力的で可愛いらしい動物群です。しかしながら一般的には、不気味で恐ろしい、気持ち悪いというイメージが強いようです。彼らの多くが人が忌み嫌う闇に住まう生き物で、他の生きた小動物を捕食するからでしょうか。あるいは、ヘビのような異様な形状や、鱗に覆われた皮膚、ヌメヌメした質感や独特の動きが好ましくないのでしょうか。
 ところが動物園の爬虫類コーナーは人気のスポットですし、日頃ほとんど見ることのない珍獣や猛毒を持つ危険動物を、安全な状況で観察することには多くの人が興味を示します。
 筆者の宅を訪れる人の中には、爬虫類の実際を見て認識を新たにする人、実は以前から飼いたかったのだが同居人の理解が得られずに断念した人が少なくありません。
 爬虫類の好き嫌いを分けるのは、先入観と出会いなのでしょう。
 爬虫類にたがわず、嫌われ者の動物はたくさんいます。両生類や昆虫類、クモ、ムカデ、サソリ、ヤスデ……。考えてみれば、哺乳動物や鳥類以外は、一般的に好ましいと思われている動物はあまりいないんじゃないか、そんな気がします。魚やクラゲや、水生の小動物たちは嫌われてはいないものの、触るのはダメという人が多いみたいですね。

 一般的な哺乳動物や鳥類、鑑賞魚類以外の、ペットとしてメジャーじゃない動物たちを、ペットトレードの現場ではエキゾチックアニマルというそうです。こういうと少しは魅力的に感じますね。商売人はうまいこと考えますよ。
 そのエキゾチックアニマルの専門店や、一部のエキゾチックアニマルを取り扱うペットショップが少しずつ増え、彼らが人目に触れる機会が多くなり、愛好家も増えつつあるようです。とくに好奇心旺盛な子供たちの場合、出会いは強烈な印象となって彼らを魅了してしまいます。大人たちが、彼らの好奇心の芽を摘んでしまうことがないよう祈りたいです。

 とは言え、エキゾチックアニマルと称されるグループは、多くの点で一般的なペットとは少し違った接し方が必要ですし、飼育ノウハウもまだまだ確立されていないケースが多いので、飼育の失敗例も少なくありません。販売しているお店が正しい知識を持っていないことさえ少なくありません。そんな状況で需要が増え、野生動物の乱獲が進むことを思うと憂鬱になるのですが、動物への理解が進むためには、避けては通れない弊害なのでしょうか。
 最近では、高度な養殖技術が進み、多くの種が野生採集の必要なく供給されるようになりました。養殖個体は寄生虫や病気の心配もほとんどなく、飼育に適しています。養殖と飼育ノウハウの確立が進み、ショップのスタッフが精確な知識を購入者に提供できさえすれば、エキゾチックアニマルたちは、エキゾチックではなくもっと身近な隣人となります。
 様々な動物たちと付き合うことは、我々に思いがけないいろんな知識を提供してくれます。自然界というものが、どういうシステムで回っているのか、そして我々人間がその中でどうあるべきかを教えてくれます。多くの人が正しい知識で彼らと上手く付き合ってくれれば、筆者はいつものんなことを考えているのですよ。

爬虫類を飼う人たち

 爬虫類をはじめ、一般的に認知度の低い両生類や虫類を飼育する人とはどのような人種なのでしょう。同じ爬虫類や虫類でも、カメや昆虫は多くの子供たちに飼育され、一般家庭への持ち込みも普通に行なわれています。カエルや種々の水生動物もしかり。ところがヘビや大型のカエル、外国産のエキゾチックアニマルとなると、世間一般的に特別視されがちですよね。カメもヘビも同じ爬虫類なのに。
 ま、それはともかく、爬虫類や両生類を専門的に扱うショップに行って、どんな人が変な生き物を飼っているのかを見てみますと、いちばん多いのがやはりマニアックな人たちですかね。店員と専門用語でコアな話しをしていて、ちょっと近寄りがたい感じです。勇気を出して話しに加わってみると、大金をはたいて高価な動物を購入し、高価なケージに収容している話題や、どこそこのイベントに自家繁殖させた動物を出品したといった話題で満ちあふれています。
 筆者は、動物たちとの付き合いが長いにも関わらず、こうしたコアな話題や専門用語が好きじゃなくて、おおむね聞き役です。最新式の飼育用具とかについても勉強不足なので、マニアな人たちに教えてもらってます。
 マニアの多くは独身者であったり、自営業であったり、時間とお金に余裕があったり、同居人への気遣いが無用であったりと、珍獣を飼うのに恵まれた人たちですね。でも、筆者のように平凡なサラリーマンで妻子ある身であっても、もちろんマニアの仲間入りしたっていいんですよ。こういう世界では会社勤め以外のいろんな業種の人たちと仲良くなれて、視野が広がっていいです。
 男女比では男子が多いですが、女性も少なくないです。ヘビやタランチュラ(オオツチグモ)は女性にも大人気です。
 中には小中学生もまれにいたりします。子供だとあなどっていると、びっくりしてしまうほどマニアックな、小さな爬虫類博士もいます。
 他人を寄せ付けないような奇人変人は、筆者の経験ではほとんど見当たらず、多くの人が心優しい動物愛好家なので、これから爬虫類ショップデビューを考えている人も、その点は心配いらないと思います。
 筆者が人間関係でイヤになるのは、多くの人が、すぐに専門家ぶりたくなっちまうってこと。専門書やインターネットで得た知識を振りかざし、自称博士を気取るようになっちまうのには本当に閉口です。その受け売り知識にどれだけ騙されたことやら。やっぱ自分で飼育して確かめて、知識や情報を自分の力できちんと検証してから博士を自認して欲しいです。
 こんな考えだから、筆者はマニアたちがあまり尊ばないチンケな生き物ばかり飼って、彼らにあきれられているんですけどね。でも、低価格でありふれた動物でも、野生動物という点では同等じゃないか、って思うのですが……。
 マニアとして一流になるよりも、地道な研究家を目指したい、なんて筆者は思うのですよ。これって、負け惜しみなのでしょうけどね。

爬虫類と女の子

 爬虫類や両生類、珍獣や珍虫の愛好家には、独創性が強くて好奇心旺盛な人が多い気がします。こういう人たちは、既成概念や一般通念にあまり惑わされることなく、いろんな事柄に興味を示し、むしろ常識に反駁していることさえありますから、風評とかは気にせず好きなものは好きってことになっちまうんでしょうね。
 でも、反駁や批判の精神が強すぎで、世の中に対して過度に悲観的だったり破壊的だったりするのは困りものです。しかし、変わり者であっても、夢や目標を持って物事に真面目に取り組んでいる人は、人間的にもきちんとしているものです。世の中が荒廃してしまうと夢も目標も叶いませんから、人間社会を大切に思っています。
 爬虫類その他の変な生き物を忌避し、常識人を自認している一般サラリーマンの方が、場合によっては悲観論者や人間的に冷たい人が多いです。考えてみれば、サラリーマン社会は、そのまんま競争社会であるわけですから、人情深い人や周囲の洗脳を受けにくい個性的な人は、きっばり言って向いてないわけです。
 筆者は、うだつの上がらないダメダメサラリーマン歴がずいぶん長いのですが、会社勤め生活の中で、爬虫類好きに出会うことはあまりありませんでした。けっこう大所帯の会社にいて、じつにたくさんの人との交流があったのに。筆者の趣味に合わせて「嫌いじゃないよ」ていどの同調をしてくれる人はいるにはいましたが、実際に飼ってる人、飼ったことがある人となると、2〜3人しか思い当たらない。寂しい話しです。
 筆者は、小動物愛好家であると共に、アニメオタクでもありまして(こういう人種は少なくありません)、オタクの街「日本橋」に繰り出すことも度々なのですが、そこで知り合ったメイドさんとやらの中には、爬虫類好きの方がどっさりいました。10人以上は。筆者がこの2年ばかりの間に知り合った(というかお店でチラッと趣味の話しとかした)メイドさんの数なんて、たかが知れてますが、その中の10人以上が「好き!」となると、これはかなりのパーセンテージと言わざるを得ません。その大半は「飼いたいんだけど家族が許してくれなくて」とか「独り暮らし始めたら絶対に飼う!」といった状況ですが、中にはすでに飼育経験者もいましたし、ダンゴムシやムカデを家族に隠れて飼ってるとかいうメイドさんもいました。
 本当に好きなのか、筆者がお客様だから口を合わせてくれてるだけじゃないのか、などと疑ったりもしたのですが、次に会う時もその次も、向こうから爬虫類の話しを振ってくるとなると、本物なのかななんて思いたくもなります。そしてとある女の子などは、メイド職を退いたあと、もうメイドじゃないから客と個人的な交友があってもOKということで、筆者宅まで爬虫類を見に来ましたよ。ヘビやトカゲを素手で触りまくってました。
 また、とあるメイドさんは筆者の手ほどきで実際にトカゲを手に入れ、今もせっせと世話を焼いています。
 メイドさんとアニメの話しとかで盛り上がるのはふつうですが、爬虫類のことで意気投合するとは思いませんでしたね。
 そうして思い起こしてみれば、爬虫類や珍獣や珍虫をめぐる交友関係は、筆者の場合、女性の方が多いという状況です。メイドさん以外にも、同人誌活動をやっていた仲間に、同類の女性がいたりします。
 蛇蝎(だかつ)のごとく嫌うという古語がありますが、蛇蝎とは、ヘビとサソリのことでして、まさに爬虫類その他の珍獣や珍虫を総称した言葉です。ある書物によると、とくに女性に忌み嫌われるグロい生き物たちとのことでした。たとえば、女性が生理的に忌避するオヤジ、などというケースを表現するのに、蛇蝎のごとく嫌うというフレーズはまさにぴったりというわけです。……実際には、蛇蝎は多くの女性に愛されているんですけどね。
 筆者の経験から、女性の方が蛇蝎LOVEの人が多いと結論づけることはできません。女性の方が蛇蝎好きというのではなく、筆者が遭遇してきた女性の大半が、独創性が強くて好奇心旺盛な人の部類に含まれる人種だったということなのでしょう。メイドさんをやる女の子や、同人誌活動をする女性というのはまさにそういう人種なんでしょうね。ただね……同人誌仲間であっても、やはり女性に蛇蝎好きは多かったです、筆者の場合は。

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