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庭草

2013/09/12


 2年前に、数十種類のハーブを通販でまとめて買いました。そのうち何種類かは育たずに絶えてしまいました。多年生で耐寒性のものを選んだのですが。筆者の認識ではハーブと言えば、葉の香りを楽しむための植物であったのですが、筆者が求めた通販先では、ハーブとしてバラやイチゴの仲間、花菜類や様々な顕花植物が含まれていました。これは思っていたよりずっと楽しいです。ネットで調べてみると、香りを楽しむほか、料理の薬味や香りづけ、お茶、ポプリ作りに利用できる植物といった記述がありました。ハーブの定義では、葉や花を愛でる鑑賞用植物とは別のもののようですが、植物学的分類よりも用途の違いによる区分ということになると、解釈の仕方で線引きがかなり曖昧になります。
 植物は、人間の暮らしとたいへん密接で、人の使途によって、野菜や果物、薬草、鑑賞植物(お花や観葉植物、盆栽など)、雑草、建材(生け垣や防風林、街路樹や公園の日陰などを含む)といった感じに分けられます。その中でハーブは、食用になるけれど栄養価を期待するものではなく、香りづけや味付けに用いるもの、リラクゼーション効果を期待するものといった、暮らしに絶対必要ではないけれど、精神衛生上ひじょうに優れた効果を発揮するものという役割を果たしているようです。ハーブの癒し効果は、古くからそして混迷を極める現代社会でも高く評価されています。食用植物と薬草の中間的な位置づけになりましょうか。
 ハーブには草本だけではなく、多くの木本も含まれます。また、バラは鑑賞植物ですが、その果実であるローズヒップはハーブとしての名称です。ヒマワリもハーブとしての利用があります。見れば鑑賞植物、食えばハーブというわけです。
 そしてまことに残念なことには、筆者のところでは、ハーブとして入手したものがもっぱら鑑賞用に供されており、料理や香水として葉や花が収穫されることは今のところ皆無です。新緑や花もたいへん可愛いですが、ハチやチョウが飛来するのも楽しいです。鳥が実を突つくのも。虫が増えると肉食性の虫やヤモリやトカゲが居つくようになり、小さな生態系が構築されます。それを守るためにうちの庭は無農薬です。虫や鳥が食しても安心です。香りのきついハーブは虫がつかないという情報とは裏腹に、しっかり食われているのを見ると笑えます。
 生育の良好な植物が大胆に日照権を主張し、弱い植物を虐げるのを見るとむかつきます。個々の植物の知識がなく、弱い植物を守れなかった自分にもむかつきます。嫁さんの母親が勝手に植えて行ったスイセンやクロッカスが、大繁殖したのは驚異的でした。ハーブの間にいつの間にか野生のアザミがでっかい花をつけたのにも驚きました。
 筆者にとってハーブは、まさに萌えと癒しを提供するもの、美少女アニメやメイドさんやフィギュアや人形やヘビやトカゲや毒虫と同じですね。そもそも“萌え”という言葉は、植物の新緑の美しい様を現す“萌える”から派生したオタク用語ですから、植物を愛でる時にこそ「萌え〜」と唸るべきなのかもです。
 本来、味や香りを嗜むものを、見て喜んでいるのは邪道なのでしょうが、世間一般でもガーデニングにハーブを用いたり、ハーブ園なんて施設があったりするので、そう特異な嗜み方ってことでもないのでしょう。
 ただ、筆者の場合、雑草だって興味の対象なので、庭に珍しい雑草が芽吹いたりすると抜くのをためらいます。同居している家族の手前抜かなければならない場合には写真を撮ります。外来植物であるハーブ類と地元の雑草たちが1つの庭で競合しているさまは、感慨深いものがあります。一見して当たり前の風景なのですが、人の都合に合わせて外来種が日本の土壌に適応し在来の雑草と共存しているさまは興味深いものです。もっとも雑草の多くがもともと外来種だったりするのですが。そして、それらを虫たちが食べるのもまた面白いものです。地球はひとつだぜ、国境なんて自然にとっては無意味だぜ、なんてつくづく思います。

ショウキラン

2013/10/08


 ヒガンバナという有名な野に咲く花があります。強烈な赤色を放つ複雑な形状の大きな花は、ひじょうに特徴的で、まるで線香花火のようです。花だからもちろん動いたりしないのですが、花火のような動的な印象を受けます。これは筆者の主観かもですが。今年も筆者宅から遠からぬ田園にたくさんの赤が開花しました。それは見事なものです。
 ところが、この美しい花が庭草として花壇を飾ることは多くありません。ちょうどお彼岸の時期に一斉に開花するという生態がその名の通りなのですが、美しさとは裏腹にかなり強い毒性を有し、食べると死に至ること聞きます。お彼岸の頃になるとニョキニョキと茎が伸び大輪の花を咲かせ、それを食すると死に至る、このいささか不思議な生態が(ユリ科の植物にとっては不思議でもないのでしょうが)古来より宗教染みた印象を人々に与え、彼岸花以外にも、死人花(しびとばな)、地獄花、幽霊花といった別称があるそうです。これでは庭に嬉しそうに植えられないですよね。
 でも綺麗です。1つの花は動的な美しさを呈し、群生して咲き誇るさまはひじょうに幻想的です。西洋ではガーデニングにも導入され、改良品種もあるようです。

 もうずいぶん前になりますが、野道で真っ白なヒガンバナを見つけ、たいへん驚愕したことがありました。爬虫類などを飼っている筆者は、思わずアルビノだ、なんて思ってしまったものですが、いろいろ調べてみますと、いちがいにそうでもないようなのです。ヒガンバナの白も存在するのかも知れませんが、近縁種との交配によって作出された白ヒガンバナもあるそうなのです。
 で、本稿の主役のショウキランの登場なのですが、人為的に作出された白ヒガンバナは、ヒガンバナとたいへんよく似た形状で黄色の花を咲かせるショウキランとヒガンバナを交配させた品種なのだそうです。この改良品種には、アルビフロラという名称があり、同じ白でもピンクがかったものや黄色がかったものがあるそうです。アルビフロラ? やっぱアルビノじゃん。
 そして、ショウキランもアルビフロラも、園芸用に流通しています。これなら庭草として植えても誰も気味悪がったりしませんね。

 筆者は鉄道員なので駅職場で旅客とお知り合いになることもたまにあるのですが、その中の高齢のご婦人に、本日、球根をいただいたのですよ。先日、彼女とヒガンバナの咲く季節になりましたね、なんて話していたのがきっかけです。彼女はショウキランもアルビフロラもたくさん育てているそうです。ワンダフルです。
 開花は来年の秋を待たねばなりませんが、今から球根を庭に埋めておけば、葉が伸びてくるかもです。ヒガンバナは花が終わってから晩秋から冬を経て春まで葉を茂らせます。葉は春に枯れてしまい、秋にいきなり花が飛び出してくるという仕掛けです。面白いです。その珍妙な生態(ユリ科の植物にとっては不思議でもないのでしょうが)を庭で観れるだけでも興味深いですよね。


 ↑ いただいたキショウランの球根。いちばん右はアルビフロラのもの。

 ↑ 球根と一緒にサンプルにいただいた花。実際にはこれが数個環状に花序を形成する。

チェリーセイジ

2013/10/12


 2年前に様々なハーブを庭に植えたのですが、その中でもかなり目立つ花を付けるのが、このチェリーセイジです。ほとんど赤に近いピンクの花は、ほんとうによく目立ちます。春から秋が深まる頃まで咲き続けるという開花時期の長さも魅力です。
 メキシコ原産のサルビアの仲間ですが、サルビアというと丈の低い草花のイメージが強いので、本種がその仲間と知っていささか驚きました。言われてみれば花の形状は日本でも知られる一般的なサルビアに似ていますが、花序はもう少し散漫になりサルビアやヒアシンスのような塔状にはなりません。
 植えた初年度の秋にはもう花を付け、翌年には1メートルを越える茂みに成長しました。そして翌々年には木質の幹が目立ち、もはや草花というより木本という感じになりました。チェリーセイジって木だったんだ、というのが3年目の春の感想です。


 ↑ 植えた年の秋の様子。まだ小さくて草本らしい。


 ↑ 花のクローズアップ。

 日光のよく当たる場所では、ひじょうによく育ち、成長して茂りだすとたくさん花を付けます。とっても綺麗です。葉を指でこすってみると甘いチェリーの香りがほのかにします。ハチやスカシバガの仲間もこの花が大好きで、よく飛来します。丈夫でよく育ち、たっぷり日光を当てるとたくさんの花を長期間咲かせます。放っておいても大きくなるガーデニング初心者向けの植物ですが、これなら何年経っても飽きないでしょう。
 冬には枯れて、花をつけていた茎が垂直に伸長する枯れ枝としてよく目立っていますが、次の春までにこれらの枯れ枝を払っておいてやると、またどんどん新芽が出て大きく茂ります。冬の間は枯れ枝を霜除け代わりに残しておくと良いらしいです。
 人為的に作出された感じの大輪の花よりも、野花っぽいところが筆者的には好きです。かなりお気に入りのハーブです。これで冬も葉が残れば最高なんですけどね。


 ↑ 2年目の様子。よく茂って花数も多くなった。

アヤメ

2013/10/15


 アヤメ、ショウブ、カキツバタの見分け方って知ってます? 筆者の家の庭にもそれっぽいのが毎年きれいな花を咲かせるのですが、これらの花の名称はそれぞれちがった植物を表すものなのでしょうか、それとも1つの植物の別称なのでしょうか。結論から申しますと、それぞれ別の植物です。
 観光名所で、アヤメ池やショウブ園なんてのが日本各地にあって、漢字にするとアヤメもショウブも菖蒲となり同じなのですが、アヤメとショウブは異なる植物です。花札にも登場する花ですから、アヤメやショウブがどんな花なのかは、みなさんご存じかと思いますが、いずれも青から紫の独特の形状をしたかなり大きな花です。
 まずアヤメですが、花弁の根元に黄色い紋と白い編み目模様があります。筆者的には白いのはシワ模様にしか見えないのですが、古来より編み目模様と言われてきました。
 次にショウブですが、ショウブ園で色とりどりのものが咲いているのは、じつはハナショウブという植物で、様々な色のものは改良品種です。ハナショウブには黄色い紋はありますが編み目模様がありません。
 カキツバタ、これもアヤメやハナショウブとそっくりな花を咲かせますが、紋が白くなり編み目模様ありません。
 そしてそして、ショウブという植物がじつは別に存在し、アヤメ、ハナショウブ、カキツバタが、アヤメ科の植物であるのに対して、ショウブはショウブ科(またはサトイモ科)に属し、黄緑色の地味な花を咲かせます。5月の端午の節句に行なわれる菖蒲湯という行事に用いられるものは、ショウブ科のショウブであって、アヤメ科のハナショウブではありません。菖蒲湯に使うのがショウブであり、菖蒲園で咲くのはハナショウブです。ショウブとハナショウブの共通点は、双方とも単子葉類で似たような長葉を持つということくらいです。
 古典に登場する植物の名称は、別項で述べたホトケノザもそうですが、混沌としてややこしいことがあります。困ったものですね。




 ↑ 筆者の庭に咲くアヤメ。





 筆者の家の庭には、紫と白のアヤメが毎年咲きます。ところが白い方が、アヤメかどうだか怪しいです。花弁の根元にはアヤメ独特の編み目模様があるようには見えますが、黄色の紋がありません。黄紋がないと、上述の区分に当てはめるとカキツバタということになりますが、アルビノ品種で黄色が消失しているのかもしれません。花の形状も紫のものとは少しちがいますし、ハナショウブの可能性もある(筆者はこの可能性が強いと思っている)のではないかと。
 名称と同じように花そのものも混沌としています。そもそもこれらを庭に植えたのは誰なのか、そこがもっとも混沌としていたりします。

アルカネット

2013/10/16


 ヨーロッパ南西部原産の多年草です。多年草と言っても枯れてしまい、春に再び芽吹きます。古くはヨーロッパでは若葉や花が食用にもされていたそうですが、じゃっかんの有害物質を含むことが判り今は食べないらしい。根っこは赤やピンクの染料に利用されていましたが、これもむかしの話しらしい。香りのある葉はポプリにされたり、花がサラダに散らされたり、切り花にされたりとかは今も行なわれているらしい。
 育て方は容易で、春に肥料をパラパラッと撒いておいてやるとドドーンと成長して花壇いっぱいに拡がります。青い小粒の花をたくさん付けるところが野花のようで筆者の好みなのですが、この植物自身はけっして上品なものではありません。その成長ぶりはほとんど猛威といった感じで、辺りの草花を脅かします。たくさんの茎が地面を這うように放射状に拡がって、周りの草花を蹴散らし、それから上に伸びます。辺り一面アルカネットの森になってしまい、他の弱々しい植物はどんどん虐げられます。花は小粒で可愛いのに、本体は暴れん坊で下品です。根っこのある場所からずいぶん離れたところまで這っていってそこから葉を茂らせます。


 ↑ 春、若葉が茂り始めたところ。

 5月頃から花が咲き、9月いっぱいくらいまで咲いています。小さな青い花が次々と入れ代わって咲き、長期間花が楽しめます。ただ、葉がひじょうに多く森のような茂みを作るので、花がなおさら小さく見えます。花数が多くなるので、それでなんとか咲いているなって感じがします。





 素直に上に伸びれば上品で可愛いのに、なんでこんなに茎を拡げるんでしょうかね。地を這う茎はすぐに太くなり、辺りの他の植物があればそれを押し倒してしまいます。近くに植えるのは木本類のしっかりしたものが良いでしょう。あるいはアルカネット単品で花壇を満たすとか。ただ冬場は枯れて花壇が寂しくなってしまいますけどね。
 葉や花を収穫してポプリとか作る方にはもってこいですね。採っても採っても茂りますから。


 ↑ 花壇からはみ出して茂っている様子。手前に見えるラベンダーの花が終わってしまってからでも、アルカネットは次から次へと花を付け続ける。

アーティチョーク

2013/10/17


 ずいぶん前に観た上野樹里主演の映画に登場し、初めてその存在を知りました。スーパーの野菜売り場に並ぶこともあるようですが、日本人にとってはあまりなじみのない食べ物ですね。そう、これって野菜なのですよ。野菜売り場に並ぶそれは、見た目はでっかい緑色のつぼみって感じですが、実際にこれはつぼみです。なので花菜類ってことになりますかね。中の柔らかいところを茹でて食べると美味だそうですよ。欧米ではもっとポピュラーな食材であるとか。
 キク科の多年草でアザミの仲間です。和名をチョウセンアザミとも言います。江戸時代にオランダから渡来したそうですが、なんでチョウセンアザミなんですかね。そしてハーブの種類の中に名を連ねています。

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 ↑ 春に葉が成長し始めたところ。白い産毛に覆われた葉は、薄緑色に見え庭の緑の中でもひじょうによく目立つ。


 ↑ つぼみ。これを食べろって……。

 春になると芽吹いて明るい緑のでっかい葉を茂らせます。成長はとっても早いです。花を付けるのは夏頃ですかね。花数は多くなくたいてい1株に1つです。筆者の家の庭には2株植えているので、毎年2つの大輪の花が鑑賞できます。去年は1つの花が終わって引き続き2つめが咲くという豊作ぶりを見せてくれましたが、1つの株では1度に付ける花は1つですね。



 花は何日かかけて徐々に開いて行きます。上の写真が開花を始めたところで、下が満開に近づいた状態です。人のこぶしくらいある大きな花はとても迫力があり、庭でもひじょうによく目立ちます。葉は下の方でモシャモシャ茂っていて、太い茎が1本伸長してその上に1つ花が咲きます。花だけ高いところにあるわけです。



 うちの庭にはあまり来ないハナムグリが、アーティチョークの花にはやって来ることがあります。下の写真は、すっかり咲ききった花に潜り込んでいるアオハナムグリです。可愛いですね。明るい紫の花に、ハナムグリの緑色がよく映えています。



ツリージャーマンダー

2013/11/02


 地中海沿岸が原産のシソ科植物。1.8メートルくらいになる低木で、小さなうす紫の花を付けます。筆者の庭ではかなり目立つ存在です。細くて直線的な枝を長く四方八方に広げ、けっこう場所をとります。場所をとるわりには葉が小さめで数も多くなく、なんだか白っぽい枝ばかりが目立っています。緑の小葉をたくさん茂らせる植物とは対照的な雰囲気を呈しています。



 柔らかい緑の葉をたくさん付ける草本類は夏にはにぎやかで良いのですが、秋から冬にかけてはどこかへ行ってしまいますが、本種は寒い季節になってもしっかり葉を付けています。春になるとあまり目立たない小さな花をたくさん付けます。上品で可愛らしい花です。



 白い粉を吹いたような感じはシルバーリーフとも言われるそうです。古い葉では毛が脱落して緑色になるそうですが、うちではシルバーリーフしか見たことがありません、今のところは。
 以前にユーカリの苗を植えたのですが、残念ながら枯らしてしまって、うちの嫁さんが本種をユーカリだと思っていたと言うのです。確かに感じが似てます。でもユーカリはオーストラリアやタスマニアに棲息するオセアニア独特の植物で大木になります。小さな苗のうちは本種と似たところがあり、葉の付き方やシルバーリーフまでそっくりです。下の写真が、枯らしてしまったユーカリです。ユーカリの方が葉が多くボリュームがありますね。


 ↑ これはユーカリの参考写真。今は枯れてもうない。


 右の写真は、本種の購入先の業者が見本としてサイトに挙げたものです。ポットに植えた小さな苗の状態ですが、シルバーリーフじゃないですよね。庭に植えたばかりの苗はこんな感じだったんですよ。冬を越し次の年の春からどんどん成長を始めて以降、白い毛の生えたシルバーリーフが目立てきました。下の写真も同じく業者の提供もものですが、やはり緑が目立っています。古い歯は毛が落ちて緑になると上述しましたが、写真の葉は見たところ若そうです。土壌や環境によって葉が白くなる度合いにちがいが生じるのかもしれません。




 ↑ 2度の冬を経てもう少し成長した様子。

 2回目の春を迎えた2013年、花数も増えて去年よりも少しは華やかになりましたが、花が終わると相変わらず枝が方々に伸びるのが目立ち、なんだかまとまり悪いです。一頃は頭でっかちになったせいで横に這い出したので、紐で引っ張って立たせなければなりませんでした。来年はもう少し幹がしっかりして木本らしくなってくれると良いんですけどね。

ローズマリー

2013/11/01


 たいへん有名なハーブですね。シソ科です。シソ科植物にはハーブが多いです。これがハーブだとは知らなくてもその名は聞いたことがあるのではないでしょうか。ローズマリーの名は、属名のロースマリヌス(学名:ラテン語)の英語表記ですが、海の露という意味があるそうです。地中海沿岸に分布する常緑性低木で、立ち木になるタイプと匍匐するものがあります。乾燥させた葉あるいは生葉が香辛料となるほか、病気や乾きに強い立ち木は垣根にも利用されているそうです。
 筆者の庭にも4種類ばかりのローズマリーを植えましたが、ハーブとしての利用よりも、細長い独特の葉や、白くて上品な花が可愛くて植えています。耐寒性の種を選んだのですが、小さな苗を植えてから2年経ちますが、なかなか立派に育たないです。垣根にするつもりもないのでいいんですけど。


 ↑↓ アープローズマリー。テキサス州アープで作出された耐寒性の強い強健種で、マイナス20度程度まで耐える。


 アープローズマリーは、植えた翌年の春に20cmていどの背丈でたくさんの花を付けました。淡いブルーの花が可愛かったです。しかしその翌年3013年にはあまり生育しませんでした。


 ↑ シシングハーストローズマリー。耐寒性で細身のローズマリー。イギリスではポピュラーな種で、料理にもよく用いられる。

 シシングハーストは、筆者の庭では他の植物との競合に負けたのか、植えた翌年に花を咲かせたものの2013年には姿が見えませんでした。アルカネットやチェリーセイジの猛威に萎縮してしまったのかもしれません。今度見つけたら強豪のいないところに植え替えましょ。


 ↑↓ フォータブルーローズマリー。半耐寒性木本。コンパクトな半匍匐性のローズマリーで、優しくうねって育つ枝が魅力。


 フォータブルーは半耐寒性ということで、冬場は雪が積もることもある筆者のところではちょっと心配したのですが、けっきょく一番元気に成長しました。半匍匐性であることから、石垣から垂れ下がってもいいかもと思って庭の外縁部に植えたのですが、ヒョロヒョロと上に伸びて立ち木になっています。今後どのようになるでしょうか。


 ↑ 2013年現在のフォータブルー。今のところは立ち木状だ。


 ↑↓ ミスジェサップローズマリー。耐寒性の立ち木。直立性で生け垣にも向いている。


 ミスジェサップも元気に成長しています。2013年現在で1メートル弱ていどに伸びましたが、立ち木と言うわりには幹が頼りなく、庭のフェンスに寄りかかっています。見た目フォータブルーとちがいが判りません。


  ↑ 2013年現在のミスジェサップ。今のところあまり立ち木らしくない。

 ローズマリーは、日本では名前の認知度が高いわりにはそれほどポピュラーな植物ではありませんよね。日本の野山でもシソ科植物はそれほど多くなく、すぐに名前が挙がるのはシソや雑草のホトケノザ、ヒメオドリコソウくらいのもの。日本では、バラ科やキク科の植物の方がずいぶん幅を利かせています。ところがヨーロッパに行くと、バジル、ミント、セージ、レモンバーム、ラベンダーとシソ科植物だらけです。筆者の家の庭にもハーブを導入してからシソ科植物がずいぶん増えました。香り豊かだぜ。ハーブは虫が付きにくいと聞いたのですが、ハチやハナムグリがよく訪れるようになり、なぜだかバッタやコオロギ、カマキリまで棲み始めました。楽しすぎです。嫁さんが言うには野鳥もずいぶん庭に立ち寄るようになったらしい。
 幅のない小さな庭でも、植物たちは器用に繁殖してそれなりの植生を形成し、なかなか楽しい生態系ができるものです。

ハニーサックル

2013/11/09


 蔓性の多年草で耐寒性も高いです。ヨーロッパから北アフリカが原産で、日本のスイカズラの近縁種です。スイカズラは常緑ですが、本種は残念ながら冬には落葉してしまいます。成長が早く春から夏にかけてどんどん緑色の茎を伸ばし、庭のフェンスを覆って行きます。ウリ科のツル植物やアサガオのようにはフェンスに巻きついてくれないので、ピローンと伸び散らかした茎を無理に曲げてフェンスにからめようとして何度へし折ってしまったことやら。緑の茎はかなり脆弱ですぐに折れてしまいます。でも翌年には木質化してしっかりとしてきます。


 ↑ 小さな苗を植えて最初の年の様子。長い茎を伸ばしている。

 スイカズラは知名度が低くないわりには意外と目にしない植物で、それを見慣れている人にとっては珍しいと感じないかもですが、筆者にとっては葉や茎がとても特徴的に見え新鮮味がありました。しかしなんと言っても本種の特徴は花です。つぼみからすでに個性的です。


 ↑ つぼみ。 ↓ ふくらんだつぼみ。


 ブドウの実のような質感で、細長いつぼみはまるで花実のようで、この時すでにたいへん綺麗です。しかし花が咲いて明るいオレンジの花弁や長い雌しべが現れるとさらに美しく目を奪われます。植えた翌年からよく花を咲かせましたが、2年目の春以降はひじょうに花数が増え、見事でした。



 庭の東側と西側に2株植えたのですが、東側の苗はひじょうに成長がよく、2年目になるとフェンスを覆う様子がかなり様になってきたのですが、西側の苗はあまり枝を付けず現在もしょぼい感じです。花数もたいへん少ないです。これは日照条件の違いによるものかとも思いましたが、植物によっては厳しい西日の方がむしろよく育っているものが少なくありません。
 けっきょく生育状態の差異は、種類のちがいによるものであると後で気づいたわけでして、東側のものがゴールドフレームハニーサックル、西側のはハニーサックル・セロチナでした。上の4枚の写真は前者になります。


 ↑ 2年目のゴールドフレームハニーサックル。

 では、西側のハニーサックル・セロチナの方を見てみましょう。下の写真が2年目の様子なのですが、まだ枝が少なくフェンスをほとんど覆っていません。



 ハニーサックル・セロチナの花は白っぽく、花弁の裏側のワインレッドとのコントラストが鮮明です。2年目に至るも花数はひじょうに少なかったのですが、年を重ねてもっと茂ってくると花も増えるでしょうか。期待したいところです。


 ↑ ハニーサックル・セロチナの花。

 ところがセロチナの方は、花が終わると真っ赤なみずみずしい実を付け、それがひじょうに綺麗です。気のせいかもしれませんが開花時期も短く、早々に実になってしまいます。ゴールドフレームの方は花は派手ですが実がなりません。


 ↑ ハニーサックル・セロチナの果実。↓ 熟した果実。


 2種のハニーサックルの購入先のショップにいただいた簡単な解説書には、ローズとの相性が抜群と書いてあったのですが、これはどういうことでしょう。バラと一緒に植えておくと互いに絡み合って成長し、互いに引き立て合うのでしょうか? 偶然ですがセロチナの方はスイートブライアーローズという野バラの一種と隣接して植え、一緒にフェンスにからみついていますが、現在のところ両者ともキッパリ言ってしょぼいです。今後の成長に期待するとしましょう。

ラベンダー

2013/11/17


 薫り高いシソ科植物で、香料として日本でも有名ですね。園芸植物としても人気があり、お店でもよく見かけます。ただ、それを買って育てている人はそんなに多くないようです。日本ではヨーロッパ産の花と言えば、バラやチューリップ、パンジーの方が人気があるようですね。
 シソ科植物自体が日本人にはなじみがあまりなく、なんとなく変わったことは遠慮しときましょ、という風潮があるみたいですね。食用で知られるシソはあんなになじみ深いものなのに。あれも歴としたハーブです。日本人は、自分の家の庭をハーブ園やイングリッシュガーデンにしてやろうって言う発想にはなかなか至らないようで。



 かく言う筆者も、ハーブ園やイングリッシュガーデンにしたいとは思っていなくて、ただ安くて丈夫な植物を植えて、とりあえず庭を満たしておきたいだけです。
 ホームセンターや園芸店で普通に売っているラベンダーは、細い細かな葉がたくさん茂り、春になると藤色の花をたくさん付けてとても見事です。1株植えて置くだけでどんどん大きくなり、小さなラベンダー畑ができあがります。市販されている苗を見ると草本のようですが、地植えしていると硬質な幹がよく太り、低木と化します。付近に種をばら蒔き、芽がどんどん出ます。そのうち辺りがラベンダーでいっぱいになるのではないでしょうか。


 ↑↓ 花のクローズアップ。満開時にはミツバチがたくさん訪れる。


 花の時期になると花茎が高く伸長してつぼみが膨らみ、そのてっぺんに藤色の花弁が開きます。しかしよく見ると、花弁の下の筒状の部分にも小さな花がたくさん付いています。開花期には筆者の家の庭にもミツバチがたくさん飛来しますが、ハチたちが蜜を吸うのは花弁の下の小花群の方です。とても可愛いです。カメラを数センチまで近づけても、ハチたちは蜜を吸うのに夢中です。



 だいたい5〜7月に開花し、その後には丸く膨らんだ穂が残ります。穂は知らない間に辺りに種を撒き、やがてそこらじゅうで発芽します。花も綺麗ですが、穂と葉のコントラストも筆者は好きです。



 穂は花茎とともにいつの間にか枯れ落ち、あとにはしっかりと茂った葉が残ります。
 木本化するといっても、しっかりとした幹になるのは根の近くだけで、細枝がどんどん横に拡がりながら増え、高さは1メートルを少し越えるていどにしかならないようです。
 筆者の家の庭では、フェンスの隙間から外に伸びた枝が下に垂れ下がり、そこから小枝が上向きに伸びて、多重構造みたいな形状になりました。



 ところで、ラベンダーにはじつはたくさんの種類があって、上述のものはフレンチラベンダーといわれるものの一種です。北海道のラベンダー畑で、大地を藤色一色に占めているものは、イングリッシュラベンダーだと思われます。そう言えば筆者の庭にもイングリッシュラベンダーの苗を植えたんじゃなかったかと探してみると……、いました。チェリーセージの根元に隠れてうずくまっています。
 どうやらイングリッシュラベンダーの方は、フレンチラベンダーのようには大きくならないようです。あるいは並べて植えたチェリーセージの猛威に負けてしまったのかも。


 ↑ チェリーセージの根元に小さく茂るイングリッシュラベンダー。黄色の矢印のところ。



 イングリッシュラベンダーの葉もフレンチラベンダーのそれと同様、細かく細長い形状で白毛を生じていて、一見してラベンダーらしい葉なのですが、こちらの方が少し丸みがあるように見えます。
 じつはイングリッシュラベンダーの方が原種で、フレンチラベンダーは改良品種のようですね。



 イングリッシュラベンダーの花は、花茎が伸長しててっぺんにつぼみを持つのは同じですが、フレンチラベンダーのように一番上にだけ大きな花弁がつくのではなく、小花がたくさん花開きます。そのため葉の茂みに対して花がよく目立ち、群生すると花の藤色で辺り一面が染まります。
 ただ、フレンチラベンダーのように成長が早くなく、幹もなかなか太らないので、筆者の家の庭のように他の植物と並べて植えていたりすると、なかなか目立ちません。そこが上品で良いと筆者は思うのですが、それではもったいないと感じる方もいらっしゃるかもです。



 ご近所にフレンチラベンダーを、藤色と白色の2色並べて植えていらっしゃるところがあります。フェンスから路上に顔を出して綺麗な花を見せてくれます。来年は写真を撮らせてもらいましょうか。

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目次

スネさん リーザさん けもの 庭虫
雑虫 クモ 直翅系 半翅系 膜翅系 鱗翅系 鞘翅目 毒虫 魚たち 無脊椎
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