庭虫
ある虫を指して、この動物は……なんて言い方をすると、動物じゃなくて虫だろう、なんてクレームが来ます。そんなもん解ってるけれど、筆者のような者にとっては虫と動物の差異はまったく重要ではありません。指先に乗るようなトカゲが動物で、全長10センチを上回るような甲虫を虫と呼んでもなんか虚しいじゃありませんか。エビや巻き貝などは何と呼べばよいのでしょう。でんでん虫は巻き貝ですし、ダンゴムシはイセエビと同じ甲殻類だぜ。
一般的には哺乳類が動物、昆虫とその近縁の仲間や見た目がそれっぽいものを虫と呼ぶようですね。クマムシやゾウリムシなどは虫と名がつくものの微生物とか呼ばれる方が多いです。エビや巻き貝は、水棲生物あるいは海洋生物とか。
筆者も、虫は昆虫だけ飼っていればよかったのですが、それだけだと昆虫個々のことは解っても生物層における昆虫の位置づけみたいなものは見えてきません。とにかく可能な限りいろんなものを飼ってみることで、昆虫の新たな側面、進化のプロセスなんかも解ってくるわけですよ。
筆者の飼育動物専用温室には、いろんな動物が幽閉されています。同型のプラケースが2つ並んでいて、1つにはコガネムシが入っていて、もう1つには小型のヤモリが閉じ込められていて、どちらも同じ昆虫ゼリーを舐めていたりします。コガネムシのプラケースの昆虫マットは産卵用で、ヤモリのそれには保湿用に昆虫マットを使用しています。昆虫と爬虫を同じ飼い方でいいのかって、その道のエキスパートに指摘されそうですね。ひどい時には、ヤモリとコガネムシを1つの容器に一緒に入れたり。この虫はヤモリの餌ですか? なんて尋ねられると、いやいやどちらも飼育動物です。サイズ的に互いに干渉しないし、同じ条件で飼育できるので、と答えます。コガネムシとヤモリが1つの昆虫ゼリーを一緒に食べている図なんて笑えますよ。ヤモリはもちろん虫も食べますから、餌用の虫も入れますが、餌用の虫がコガネムシに害を成すこともありません。この飼育法でヤモリやコガネムシの繁殖にも支障はありません。……便利だ。
なんでそんなバカな飼い方するの、なんて熱帯魚とエビを一緒に飼ってる人に言われたくないんですけど。筆者がエビと巻き貝を一緒に飼っていると、エビの水槽に巻き貝が大繁殖してるなんて言われちまいましたが、そもそも巻き貝の飼育槽にたまたま手に入ったエビを入れただけだし。エビは大切な稚貝を食べそうなのでそのうち別の水槽に移す予定だし。
飼育とは自然の一部を切り取ってくることです。この表現を否定されたことはないです。だったら1種類の生き物しか存在しない自然環境ってどこにあるんですか。飼育環境において、1つの入れ物に1種類の生き物を収容するのは、飼育対象の安全を図るためであって、安全が維持できるなら、異なる生き物を同居させることに問題はありません。水族館でも多数の動物が大水槽で同居してますよね。
また、飼育対象の生き物にも常識非常識があるようです。そりゃ、人に害を成す生き物を大っぴらに飼うのはいかがかと思いますが、そうでなければ、何を飼ってもいいじゃないか。って言うか昆虫を飼って繁殖させるような人が、それだけでも変わってるのに、クモやムカデを飼うことを否定するかね。同じ昆虫でもカブトムシやクワガタムシは飼って良いけど、ゴミムシやバッタを飼うのは変だとなぜ言うかね。興味を持たないものかね。
最近では、プレデタービートルなんて外国産の甲虫がペットトレードに乗ったりしますが、あれってゴミムシと近縁の仲間だぜ。巨大なヤスデやビッグなダンゴムシも売られています。素敵です。良い世の中になったものです。ネット上ではナメクジからダニの一種まで通販されてました。素晴らしすぎます。アリのコロニーの販売なんてもはや芸術的ですらあります。
奇虫や珍虫を飼っている人の中には、変わり者を自認しそれを自慢する人がいますが、あれはリアクションに困ります。彼の個性を誉め称えればよいのでしょうか。筆者も変な生き物をたくさん飼ってまいりましたが、変わり者でもなければ特別な才能や感性を持っているわけでもありません。呆れるほど平凡な一般人です。虫の話しをすると変人扱いされたり不気味がられたりすることもありますが、生き物の飼育はべつに特異な趣味じゃありませんよね。
まぁ、虫が一般成人に忌み嫌われる事情は解らないでもありません。チョウや大型の昆虫ならまだしも、小さな虫が大量発生しているのはムリ、そんな気持ちも解ります。いかにも不衛生なイメージが強いですからね。見てるだけで感染しそうですし。その点、衛生観念の未熟な子供たち、なんでも口に入れて「汚い!」とおかあちゃんの叱責を受ける方たちは、比較的素直に虫に興味を持てるようです。
でもね、衛生の話しをするなら、イヌのお散歩におけるマーキングは、虫なんて比べ物にならないほど不衛生です。飼い主は糞は始末してもマーキングは奨励なさるでしょ。ひとん家の壁でも、幼な子の集う公園でも、イヌ好きはお構いなしにマーキングさせますよね。それにイヌはたいへん獰猛な側面を持っていて、子供たちが噛まれて負傷する事件は後を絶ちません。それに鳴き声はなかなか迫力があって、脅威と騒音をまき散らします。大型犬ともなるとかなり大量の抜け毛をご近所にまき散らしますし。そんなことを思えば、虫や爬虫類の飼育は無害で上品なものです。多くの爬虫類が特定危険動物に指定され飼育が制限されるのに、イヌは無制限って納得ゆかないです。
筆者も生き物好きなので、イヌの飼育を否定しませんよ。飼って良いと思いますよ。飼って良いのですが、抜け毛や尿をまき散らし、騒音や恐怖を垂れ流しているっていう自覚は必要です。飼い主様は綺麗な身なりをして身辺を衛生的に保っても、自身の満足のために公共の環境に害を成していることは事実ですし、それはたいへん不潔な行為です。イヌを飼いながら、虫や爬虫類の飼育者を汚いとか気持ち悪いとか言って蔑視するのは、人として間違っています。身勝手というものです。
イヌの家畜化は、古来からの重要な文化であります。また、愛好家にとってはイヌとの同居から得られる精神的な恩恵は絶大です。ただ、公共の衛生と安全の犠牲が伴います。これに対し、虫の飼育は探究心の充足に大きな効果がありますし、人と自然との関わり合いを学ぶのに高い学術的価値があります。子供たちの勉強にも情操を養うのにも効果があります。ただ、イヌにしろ虫にせよ、愛好家が忘れてはならないことは、興味や関心のない人への理解を押しつけや、精神衛生上の配慮の欠如には注意が必要だということです。
一般的には哺乳類が動物、昆虫とその近縁の仲間や見た目がそれっぽいものを虫と呼ぶようですね。クマムシやゾウリムシなどは虫と名がつくものの微生物とか呼ばれる方が多いです。エビや巻き貝は、水棲生物あるいは海洋生物とか。
筆者も、虫は昆虫だけ飼っていればよかったのですが、それだけだと昆虫個々のことは解っても生物層における昆虫の位置づけみたいなものは見えてきません。とにかく可能な限りいろんなものを飼ってみることで、昆虫の新たな側面、進化のプロセスなんかも解ってくるわけですよ。
筆者の飼育動物専用温室には、いろんな動物が幽閉されています。同型のプラケースが2つ並んでいて、1つにはコガネムシが入っていて、もう1つには小型のヤモリが閉じ込められていて、どちらも同じ昆虫ゼリーを舐めていたりします。コガネムシのプラケースの昆虫マットは産卵用で、ヤモリのそれには保湿用に昆虫マットを使用しています。昆虫と爬虫を同じ飼い方でいいのかって、その道のエキスパートに指摘されそうですね。ひどい時には、ヤモリとコガネムシを1つの容器に一緒に入れたり。この虫はヤモリの餌ですか? なんて尋ねられると、いやいやどちらも飼育動物です。サイズ的に互いに干渉しないし、同じ条件で飼育できるので、と答えます。コガネムシとヤモリが1つの昆虫ゼリーを一緒に食べている図なんて笑えますよ。ヤモリはもちろん虫も食べますから、餌用の虫も入れますが、餌用の虫がコガネムシに害を成すこともありません。この飼育法でヤモリやコガネムシの繁殖にも支障はありません。……便利だ。
なんでそんなバカな飼い方するの、なんて熱帯魚とエビを一緒に飼ってる人に言われたくないんですけど。筆者がエビと巻き貝を一緒に飼っていると、エビの水槽に巻き貝が大繁殖してるなんて言われちまいましたが、そもそも巻き貝の飼育槽にたまたま手に入ったエビを入れただけだし。エビは大切な稚貝を食べそうなのでそのうち別の水槽に移す予定だし。
飼育とは自然の一部を切り取ってくることです。この表現を否定されたことはないです。だったら1種類の生き物しか存在しない自然環境ってどこにあるんですか。飼育環境において、1つの入れ物に1種類の生き物を収容するのは、飼育対象の安全を図るためであって、安全が維持できるなら、異なる生き物を同居させることに問題はありません。水族館でも多数の動物が大水槽で同居してますよね。
また、飼育対象の生き物にも常識非常識があるようです。そりゃ、人に害を成す生き物を大っぴらに飼うのはいかがかと思いますが、そうでなければ、何を飼ってもいいじゃないか。って言うか昆虫を飼って繁殖させるような人が、それだけでも変わってるのに、クモやムカデを飼うことを否定するかね。同じ昆虫でもカブトムシやクワガタムシは飼って良いけど、ゴミムシやバッタを飼うのは変だとなぜ言うかね。興味を持たないものかね。
最近では、プレデタービートルなんて外国産の甲虫がペットトレードに乗ったりしますが、あれってゴミムシと近縁の仲間だぜ。巨大なヤスデやビッグなダンゴムシも売られています。素敵です。良い世の中になったものです。ネット上ではナメクジからダニの一種まで通販されてました。素晴らしすぎます。アリのコロニーの販売なんてもはや芸術的ですらあります。
奇虫や珍虫を飼っている人の中には、変わり者を自認しそれを自慢する人がいますが、あれはリアクションに困ります。彼の個性を誉め称えればよいのでしょうか。筆者も変な生き物をたくさん飼ってまいりましたが、変わり者でもなければ特別な才能や感性を持っているわけでもありません。呆れるほど平凡な一般人です。虫の話しをすると変人扱いされたり不気味がられたりすることもありますが、生き物の飼育はべつに特異な趣味じゃありませんよね。
まぁ、虫が一般成人に忌み嫌われる事情は解らないでもありません。チョウや大型の昆虫ならまだしも、小さな虫が大量発生しているのはムリ、そんな気持ちも解ります。いかにも不衛生なイメージが強いですからね。見てるだけで感染しそうですし。その点、衛生観念の未熟な子供たち、なんでも口に入れて「汚い!」とおかあちゃんの叱責を受ける方たちは、比較的素直に虫に興味を持てるようです。
でもね、衛生の話しをするなら、イヌのお散歩におけるマーキングは、虫なんて比べ物にならないほど不衛生です。飼い主は糞は始末してもマーキングは奨励なさるでしょ。ひとん家の壁でも、幼な子の集う公園でも、イヌ好きはお構いなしにマーキングさせますよね。それにイヌはたいへん獰猛な側面を持っていて、子供たちが噛まれて負傷する事件は後を絶ちません。それに鳴き声はなかなか迫力があって、脅威と騒音をまき散らします。大型犬ともなるとかなり大量の抜け毛をご近所にまき散らしますし。そんなことを思えば、虫や爬虫類の飼育は無害で上品なものです。多くの爬虫類が特定危険動物に指定され飼育が制限されるのに、イヌは無制限って納得ゆかないです。
筆者も生き物好きなので、イヌの飼育を否定しませんよ。飼って良いと思いますよ。飼って良いのですが、抜け毛や尿をまき散らし、騒音や恐怖を垂れ流しているっていう自覚は必要です。飼い主様は綺麗な身なりをして身辺を衛生的に保っても、自身の満足のために公共の環境に害を成していることは事実ですし、それはたいへん不潔な行為です。イヌを飼いながら、虫や爬虫類の飼育者を汚いとか気持ち悪いとか言って蔑視するのは、人として間違っています。身勝手というものです。
イヌの家畜化は、古来からの重要な文化であります。また、愛好家にとってはイヌとの同居から得られる精神的な恩恵は絶大です。ただ、公共の衛生と安全の犠牲が伴います。これに対し、虫の飼育は探究心の充足に大きな効果がありますし、人と自然との関わり合いを学ぶのに高い学術的価値があります。子供たちの勉強にも情操を養うのにも効果があります。ただ、イヌにしろ虫にせよ、愛好家が忘れてはならないことは、興味や関心のない人への理解を押しつけや、精神衛生上の配慮の欠如には注意が必要だということです。