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トゲオアガマ

 トゲオアガマは、多数の種類を持つ中型のトカゲ類です。大きなものでは全長70cmを越えるものもいます。太くて力強い尻尾を持ち、これが硬質の棘で覆われているので、かなり強力な武器になります。小さな恐竜みたいだ、と思うのは筆者だけではないでしょう。ひじょうに魅力的な動物でペットとしても人気があり、筆者も大好きです。
 アフリカから中東、インドにかけて分布し、砂漠や荒れ地に棲み、食性はかなり植物質寄りで、野菜や果物、穀物、人工フードで飼育できます。生き虫も好んで食べますが、成体には与えすぎると肥満になります。成体の場合は生き虫よりも豆類などで太らせる方が健康的だと思われます。
 幼体のうちから飼うと、人間にべた慣れになります。かなり成長した個体や成体でも、気長に根気よく付き合えばよく慣れてくれます。フトアゴヒゲトカゲなどと比べるとかなり神経質な感じもしますが、賢いトカゲなので人にも飼育環境にもよく慣れてくれます。筆者の経験でも、ひじょうに神経質でまったく餌を食べようとしなかった個体でも、気が荒くて攻撃的な個体でも、2〜3ヶ月もすれば普通にハンドリングできるようになりましたし、飼育者の顔を見ると駆け寄ってくる個体も少なくありません。可愛いですね。
 砂に潜るのが好きなので、飼育には厚めに砂を敷き、シェルターを設けます。昼間でも日光浴が終わればシェルターの下をせっせと掘り始めます。掘らなくても単に潜り込めばいいのに。
 かなり種類が多く、亜種をたくさん持つ種もあります。オスが鮮やかな婚姻色を発色する種も多いですし、幼体と成体とで体色が変化する種もあります。トゲオアガマにハマるとコレクションだけでもキリがありません。
 異種複数の同居も基本的には可能なのですが、種によってはなかなか気が荒く、新入りを攻撃したり、オス同士が争ったりということもあるので、注意が必要です。共同生活がうまくゆくかどうかは、飼育者の注意深い観察が重要になります。人間にはよく慣れていてもトカゲ同士で争ったりいじめたりということはよくあります。しっかり観察して餌を食べていない個体がいないか、負傷している子がいないかチェックを怠らないように。
 うまくゆけば複数の同居は、単独飼育よりもよい結果を招くことがあります。筆者も数種類のトゲオアガマとフトアゴヒゲトカゲとアオジタトカゲ、ヨロイトカゲを同居させていたことがあります。一般に無謀と言われるような同居であっても、動物と飼育者との信頼関係ができていれば可能になるものです。それでも突然バランスが崩れることもありますけどね。
 トゲオアガマは、多くの種が入手しやすく丈夫で長生きしますし、愛嬌たっぷりの仕種もいろいろ見せてくれます。このミニ恐竜は、トカゲというよりも哺乳動物のような感じがします。日本のチョロチョロ走るトカゲしか知らない方は、がっしりとした体型と人懐っこさにたいていびっくりします。

エジプト君の飼い方

2013/10/01


 エジプトトゲオアガマは、トゲオアガマ属の最大種で、大きなものでは全長75cmに達するそうです。しっかりした体つきと太くて長い尻尾。まさにミニ恐竜です。尻尾には硬質の棘がびっしりと生えており、慣れない内は触ろうとするとこれで攻撃されます。大きな個体では攻撃力もかなりのもので、手に擦り傷くらいは負うことになります。しかしながら、本質的にはたいへん温厚で、トゲオアガマの中でも最も共同生活に向いています。同居中の他のトカゲをいじめたりすることはありません。筆者も大好きなトカゲで、今でも飼っていてフトアゴヒゲトカゲなんかと同居させていますが、彼が日光浴していると、小さな個体がその背中に乗っていることがよくあります。
 エジプトトゲオアガマは、ひじょうに高温になるところに大変深い穴を掘って暮らしているそうです。飼育下では高温を発するバスキングライトと、高い紫外線を発するUV灯が必須になります。たいへん光量の多い明るい白色灯を好みます。人間なら耐えがたい暑さのところで日光浴をします。そして充分に体が温まったら、穴の中に潜り込んで休息です。しかし飼育下で深い穴が掘れるような環境を用意するのは困難なので、代わりに広いケージを用意し、ケージ内に温度勾配ができるようにしてやります。照明は、夜間は消灯します。昼行性のトカゲなので夜間はぐっすり眠ります。
 市販されているエジプト君で、入手できるサイズは全長15cm以下の幼体から20〜30cmくらいの個体が多く、成長はひじょうにゆっくりしています。それでも可能な限り大きなケージを用意してやりましょう。幼体なので小さなケージでも大丈夫と思いがちですが、小さなケージでは充分な温度勾配が得られない場合が多く、幼体が消耗してしまいます。70〜120cmくらいの水槽が必要です。
 砂は、ほこりが立ちにくいものを厚く敷きます。シェルターも必要です。爬虫類ショップで岩の模造とかいい感じなものが買えます。あまり重量のあるものを使うと、砂を引っかき回す習性があるので、下敷きになったりします。ホットスポットの下にも平たい石やコルクバーグを置いてやりましょう。それに乗っかって日光浴します。
 以上のような飼育環境は、乾燥地帯に棲息する中型のトカゲ類で共通で使用できます。



 餌は、浅い皿に入れて与えます。イヌ用の皿なんか理想的ですね。まず適当に刻んだ小松菜を入れます。その上にサヤインゲンを刻んでのせます。イグアナフード等の人工飼料を振りかけます。レンズマメの生のものを少量振りかけます。スプレーで人工資料を適当に加湿します。爬虫類用のカルシウム剤を少量振りかけます。これが基本的なレシピです。ほかに時々爬虫類用や小鳥用の栄養剤を少量加えるのもよいですし、穀物主体の小鳥の餌を加えるのもよいです。小松菜やサヤインゲンは、白菜、チンゲン菜、ツルムラサキで代用することもできますが、ほうれん草はアクが強いのでダメです。モロッコインゲン、ブロッコリー、タンポポの葉および花も食べます。小松菜とサヤインゲンのコンビネーションが一番良いかな。筆者はこれをメインにしています。生き虫も大好きで、ジャイアントミルワームやコオロギを与えても良いですが、これは月に1〜2度にしましょう。虫を与えなくても痩せてこなければ必要ありません。筆者は、トカゲがあんまり喜ぶのでたまに与えています。
 餌の分量と給餌ペースですが、小松菜2株とサヤインゲン10本くらいにフレーバーをトッピングしたもので、トカゲ5〜6頭分です。成長期の個体がいなければ週に1回の給餌で良いと思います。
 成長期の幼体には、週2回程度の給餌と、ビタミンを中心に補給できる栄養剤の回数増と生き虫も与えましょう。筆者は、冬場は10日おきくらいしか給餌しません。専用温室で加温していても、夜になっても温度があまり下がらない夏とはわけがちがいます。それに爬虫類を哺乳類感覚で飼ってはいけません。空腹は爬虫類にとって哺乳類ほど深刻な問題ではないのです。


 ↑ 同居中のフトアゴ君と。↓ 同じくウィッキー君と。


 10年以上前になりますか、多数のトゲオアガマを飼っていた頃は、月に2回くらい温水浴をさせていました。ぬるま湯にトカゲたちを20分くらい浸けておくのです。お湯の中にプカプカ浮いているうちに糞をする子もよくいました。便秘解消にようですね。でも最近はしてませんね。面倒だし。脱皮不全や便秘には温水浴は効果があると思います。
 充分に慣れると、彼らは飼育者を見るだけで駆け寄ってきます。水槽のガラス面(彼らには見えない壁)をよじ登ろうとバタバタやります。また、たいへん目がいいので虫を見せると遠くからでもそれと視認して欲しがります。現在飼育中の個体は40cmを上回る大きな子ですが、シューシュー噴気音を立ててご飯を催促します。あれは威嚇音にしか聞こえないのですが、本人は友好的なつもりのようです。


 ↑ 水浴というか、水入れがたまたま涼しかったのでそれに浸かって休んでいるところ。


 ↑ 無防備なお腹を露呈するポーズは、彼らが最も苦手とするところだが、飼育者との信頼関係が育つと、こういうことも可能になる。


 ↑ 四肢をだらんとぶら下げ、警戒心のかけらもなくお昼寝中。飼育下でまったくストレスを感じていない様子だ。

マリトゲ君

2013/10/01


 マリトゲオアガマは、厳密には分類上ディスパートゲオアガマの地域亜種で、棲息地にマリ共和国が含まれるものです。古くからトゲオアガマの中では一番よく流通しており、人にもよく慣れて飼いやすく、日本でもなじみ深いトカゲなのですが、ディスパーの名称はなぜか耳にすることが少なかったですね。生物学に長けた方はご立腹だったかもしてませんね。亜種の1つをあたかも種名のように取り上げていたわけですから。また、採集状況によっては、基亜種やアルジェリア地域亜種のオビトゲオアガマが、マリトゲオアガマの名で流通するようなこともあったかもです。
 メスや幼体は、明るい灰色にあまり目立たない編み目のような帯のような模様が付いていますが、成長したオスは、頭部を中心に体が黒ずみ、背中に鮮やかな黄色い模様が浮かび上がります。尾は太く大きく棘もよく発達しています。尾にかなり明瞭なバンド模様が見られ綺麗です。
 全長で30〜40cmくらいになるようですが、筆者はそれより小さなメスを飼っていました。長年飼ったのですがなかなか大きくなりませんでしたね。トゲオアガマの成長はほんとにゆっくりです。



 飼い始めの頃はひじょうに神経質で、物陰に隠れてばかりでした。最初はフトアゴヒゲトカゲのペアと同居させたのですが、和に溶け込めず、餌もなかなか食べようとしませんでした。仕方なく単独飼育にしたのですが、それで状況は良くなりませんでした。かなり痩せてきて、それが深刻になって来た頃に、人に慣れてきて徐々に食べるようになりましたが、それから異種複数飼育の中に入れてやると間もなく元気を取り戻しました。単独飼育にしなかった方が早く慣れたかもしれないと、あとから思いました。まぁ、よく解りませんけど。飼育者よりもフトアゴ君たちに先に慣れましたね。飼育者をまったく怖がらなくなるまでに2ヶ月近くかかった思います。


 ↑ 飼育者よりも先にフトアゴ君と仲良くなった。


 ↑ 飼育者を恐れて、フトアゴ君の原の下に潜り込んだ。


 マリトゲ君は、筆者が西暦2000年に初めて飼育したトゲオアガマでした。買い求めた理由が今から思うとお笑いで、当時、充分に成長したフトアゴ君ペアの仲ががなんとなくギクシャクしていて、同居者を増やせばそれが解消されるかもと考えたのでした。思惑ははずれではなかったですけどね。
 その後、ケージには数種類のトゲオアガマやアオジタトカゲまでもが同居するようになりましたが、マリトゲ君はどんどん増える新入りたちともおおむね上手くやってゆきました。一頃、ジョーンズヨロイトカゲのペアも同居させましたが、これも問題ありませんでした。唯一問題だったのは、サバクトゲオアガマのオスでした。彼はなぜだがマリトゲ君だけを目の敵にし、噛みついて前足に傷を負わせてしまったので、やむなく同居を中止しました。



 飼い始めてしばらくは、フトアゴ君を遠ざけ孤独を愛していましたが、飼育環境に慣れてからは、積極的に群れの中に溶け込むようになりました。ヨロイトカゲ以外はいずれも彼女より大きかったので、とりあえず背中に乗るというコミュニケーションをとっていました。夜間はシェルターに潜り込んで眠ることが多かったのが、そのうち他の仲間と団子になって寝る姿もよくみかけるようになりました。


 ↑ 同居中のエジプト君(右)とクジャクトゲオアガマ(中)と折り重なって眠るマリトゲ君(左)




サバク君

2013/10/02


 サバクトゲオアガマは、学名引用したアカンシュヌルストゲオアガマの名前でも流通しています。アフリカ産のトゲオアガマでは、最も広範囲に分布する種で、アフリカ大陸の西北部から東北部の、サハラ砂漠を横断する形で分布域を広げているそうです。その中でもモロッコに棲息する亜種がよく流通しており、基亜種の流通は何年も後のことだと聞きます。筆者が入手した個体も、モロッコトゲオアガマとも呼称される亜種の方だった可能性が高いです。
 成長と共にオレンジや黄色、グリーンの鮮やかな発色が見られ、たいへん美しい。個体によって色彩にかなりの差異があるようです。大型のものでは全長40cmを越えるていどに成長するそうですが、筆者が入手した個体は20cm弱の若い個体でしたが、すでにかなり鮮やかな発色が見られました。
 トゲオアガマには温厚な性格のものが多いですが、本種はかなり気が荒く、筆者のところでも他のトカゲたちと和合したかと思えば突然攻撃的になったりと、むらっ気があり他の個体との共同生活には手を焼きました。系統的にはディスパートゲオアガマと近縁なようで、その亜種であるマリトゲ君がとくにひどい攻撃を受けました。けっきょくのところ短期間で他のトカゲたちとの同居は断念しました。
 人には比較的早期に慣れ、ハンドリングも問題なかったのですが。ショップでもっと大きくてオレンジが色濃く出ている個体を触ろうとしたところ、猛然と噛みついてきました。


 ↑ まだ未成熟だがかなり出色している。


 ↑ 朝起きがけの様子。出色するのは日光浴で体が温まってからだ。


 エジプト君やマリトゲ君と同様にガッシリした体型で、尾も太くて立派です。色彩は個体によって様々で、黄色いものオレンジのもの、黄緑のもの、さらにはそれらの色が混ざり合った個体まで。体の所々でちがった色あいを呈するものの方が多いかもです。筆者が飼っていて子も、単色ではありませんでした。また、体が充分に温まらないと出色しないので、見る時によっては地味なトカゲに見えます。出色は体温に左右されるほか、気分にも依存すると聞いたことがあります。気分がハイの時によく出色するとか。



 食性は、他のトゲオアガマと同じく植物食寄りですが、生き虫も大好きです。エジプト君などと比べると動物質を多く摂ると言う意見もあるようですが、どうなのでしょう。この性格からして生き虫好きも理解できるような気もするのですが。


 ↑ ジャイアントミルワームを食べているところ。

 野生採集個体はどうしても気性が荒くなりがちですが、養殖個体(CB)もよく出回るようになったと思われるので、飼育するにはCBが絶対お勧めです。最近のトゲオアガマ事情はあまりチェックできていないのですが、国内CBが安定的に供給され、性格も温和なものが多くなっているとしたら素晴らしいですね。
 本種も飼育者が充分に手をかけて育ててやれば、協調性のある優しい子になると思われます。筆者が飼っていた個体も、四六時中他のトカゲとケンカしていたわけではなく、ホットスポットに集まる輪の中に溶け込んで一緒に日光浴している姿もよく見かけました。
 異種混合やオス同士の同居は難しいとしても、ハーレム状態ならきっとうまくゆきますね。


 ↑ 同居中の仲間と一緒に日光浴しているところ。左から、エジプト君(おしりだけ)、クジャク君、マリトゲ君、一番右がサバク君。左隅に見えている細い尻尾はフトアゴ君。

クジャク君

2013/10/03


 筆者が本種を手に入れた西暦2000年、あの頃はそこそこ珍しいトカゲだったように記憶しています。専門書等で紹介されていて写真は見たことがあるものの、実物を取り扱っているショップはなかなかなくて。入荷も安定していませんでしたし、養殖個体(CB)の流通もなかったのでしょう。筆者が懇意にしていたショップにたまたま入荷があり、値段的にもお手頃で、大喜びで買い求めた覚えがあります。



 クジャクトゲオアガマの和名は、このトカゲの特徴をよく表現していると思います。体は全体的に緑色で、背中に美しい斑紋が並びます。性格もひじょうに温和で、他の同居者たちともすぐに仲よくなりました。当時、暴れん坊だったサバク君も、なぜだかこのトカゲだけには好意的で、一緒に日光浴していました。色物同士波長があったのでしょうか? こんな見解はあまりにもバカバカしいですが、ハイになると誰彼かまわず追い回していたサバク君が、クジャク君にだけ気を許していた理由は今もまったく解りません。


 ↑ 左がメス、右の頭部が赤い個体がオスということで入手したが、メスはもっと地味な茶色だという記述もあり、よく判らない。

 雌雄ペアということで2頭を購入しました。雌雄とも美しい色彩をしていますが、オスはさらに美しく頭部を中心に濃いオレンジ色が乗っていて綺麗でした。もちろん個体差があってすべてのオスにオレンジ色が乗るとは限らないでしょうし、またメスは地味な茶色であるという記述を読んだこともあって、メスとして購入した個体もじつはオスだった可能性もあったと思われます。当時は原産地からドドーンと送られてくる野生採集個体が時折流通するだけで、きちんと性別を判定して売られていることも少なかったように思います。
 また、情報も錯綜していて、クジャクトゲオアガマのオセラータ種、オルナータ種といった具合に、ニシキトゲオアガマの名で知られる種と混同されることもありました。クジャクトゲオアガマとされる種はオセラータトゲオアガマで、オルナータの方はニシキトゲオアガマとされるのが正しい区分です。オセラータとオルナータは、学名をカタカナ表記したものです。両者は近縁種で、共に美しい斑紋を有します。


 ↑ オスの頭部。

 最近では、養殖個体(CB)も出回っているのでしょうか。この美しいトゲオアガマのCBが流通することは、トゲオアガマファンにとっては悲願です。2000年当時はCBの流通はなく、入荷した野生個体はコンディションが悪いものが多く、たいていは飼育下で長生きできなかったと思われます。筆者のところでも、立ち上げが上手くゆかず数ヶ月の命でした。野生採集個体(WC)であっても、きちんと駆虫して餌づけしてやれば、本種はそれほど脆弱で飼いにくいトカゲではないはずです。トゲオアガマとしては比較的小型の種であるものの、飼育下ではそれほど物おじもせず、よく食べよく日光浴をしていましたし、飼育者を警戒することもあまりなかったです。それでも肥えるどころか徐々に痩せて行き、最後は衰弱死してしまったのは、お腹で寄生虫が大暴れしたせいだと思われます。
 野生では寄生虫とうまく付き合っていたのに、人に飼われるようになったとたんに寄生虫が猛威を振るい、宿主を衰弱させてしまうということは、爬虫類の飼育では頻繁に起こることです。野生採集個体を市販するに当たって、きちんと検便して正しい投薬を行なってから販売するといった規定を設けるべきではないでしょうか。動物愛護の観点からも、そのために少々価格が上がっても必要なことだと思うのですが。寄生虫の恐ろしさは、爬虫類の飼育経験者なら誰でも知っていることです。
 当時の筆者は、まことに残念なことに寄生虫のことを通り一遍の知識として知っているていどで、ショップの方のアドバイスに従えば、弱っている個体も立ち上げられると信じていました。


 ↑ クジャク君(上)と、オルナータことニシキトゲオアガマ(下)。

 本種は、その美しい色あいも特徴的ですが、体がスマートで、体に対して尻尾が長いのもエジプト君やマリトゲ君と大きくちがっています。学名の ocellata はクジャクの羽の目のような模様のことらしいですが、筆者ならクジャクホソトゲオアガマと、スマートなプロポーションも名前に入れたいところです。
 ショップでは、他のトゲオアガマよりも多湿を好むと教えてもらい、スプレーによる水分補給や温水浴を心がけましたが、寄生虫の駆除という根本的なケアに思い至らず、可哀そうなことをしました。


 ↑ 同居中のエジプト君と共に日光浴しているところ。

フィルビー君

2013/10/04


 フィルビートゲオアガマは、ニシキトゲオアガマの亜種です。マリトゲ君が、ディスパートゲオアガマの亜種であるのと同じですね。亜種名が商品名(あるいは和名)になるのはいかがなものだと言う方もいますが、それは重要なことなのか? なんて筆者は適当に考えています。ただ、マリトゲ君とちがってフィルビー君をニシキトゲオアガマとは別の独立した種であるとすつ見解もあるそうですよ。この辺りの定義づけに関しては専門家が楽しく議論されればよろしいでしょう。



 クジャク君とは近縁の間柄で、色あいもよく似ています。本種の方が明るい色あいで、本種の方が美しいとか鮮やかであるとか、クジャク君はやや地味だとか、そうした見解がほとんどのようですが、色彩が明るければ美しいのかどうかは主観の問題だと思います。筆者の主観では、クジャク君が緑がよく目立つのに対して、本種は全体的に青みが強いという印象です。斑紋の黄色の部分もかなり明るく、近くでじっくり見ると、筆者が感じている青みはよく判らなくなります。
 アガマ科のトカゲでも色物は、体が冷えていると体色が暗くなったり地味になったりし、よく温まると鮮やかな色彩になるという変化が見られ、本種もそうなのですが、本種やクジャク君はその中でも冷えても色落ちしにくい方だと思います。またトカゲの色彩は感情にも左右されます。ハイテンションの時の方が色鮮やかです。あるいは異性を身近に意識した場合のオスが婚姻色を強烈に発色するような例も多いですね。ちなみに色変わり名人のカメレオンではメスが婚姻色を呈しますよ。




 ↑ 背中のみならず腹面も色鮮やか。

 フィルビー君もクジャク君同様に温和で、同居中のトカゲたちともすぐに和合しまいた。彼らに社会性があるのかどうかは解りませんし、コロニーを作って暮らしているようなことも聞いたことがないのですが(トゲオアガマでもコロニーを作るものはいます)、共同生活に向いているトカゲであるとは言えるでしょう。飼い始めの頃は、他のトカゲたちが採餌していると、つられて餌場に駆け寄るといった形で餌の食べ方を覚えましたし、他の個体と重なり合って日光浴するのも大好きでした。サバク君のように周囲を蹴散らして場を独占しようとしたりは決してしません。
 本種も筆者が入手した2000年当時は、ワイルド個体のみの流通でしたが、筆者が入手した個体のコンディションが良好だったのか、本種自体が頑健なのか、飼育してしばらくするとよく肥えて来ました。
 これはいけると安心したのもつかの間、やがて徐々に痩せてきて、飼い始めて数ヶ月で死に至りました。クジャク君たちと同じ末路でした。これまで、トゲオアガマの飼育が短命で終わるなどほとんど経験しなかったので、トゲオアガマでも色物は虚弱なのかなぁ、なんて思ったものですが、今から思えば、きちんと駆虫していなかったせいではないかと考えています。ちなみに、筆者が飼育したエジプト君やマリトゲ君もワイルド個体で、最初は飼育者を警戒しハンドリングもままならぬ状態でしたが、やがてベタ慣れになり良好な健康状態を維持しました。彼らに比べると、本種もクジャク君も採集して間がないワイルドものなのに最初から容易にハンドリングできて、飼いやすいと思ったのですが。なんだかよく解りません。




 ↑ 同居中のマリトゲ君と仲良く日光浴。

ウィッキー君

2013/10/04


 ハードウィッキーといういささかオシャレな(筆者はそう感じた)学名の付いたトゲオアガマで、和名はハードウィッキートゲオアガまたは、インドトゲオアガマです。パキスタンから北西部にかけてという分布状況は、トゲオアガマとしては最も東方になります。はるか西のアフリカやエジプトに棲息するものと比べると、体がスリムで頭部は高さがあり顔つきも個性的です。尻尾は細長く棘が細かく武器としては役不足です。全長は大きくなっても30cmそこそこでトゲオアガマとしては小さな方です。温和で複数飼育に向いており、飼育者にも比較的早く慣れてくれます。野生で集団営巣する習性があるそうです。



 スリムな体つきは偏平型よりも筒型に近く、少々胴長に見えます。いろいろユニークなトゲオアガマです。基本的には明るい灰色ですが、背中が少し色濃くなり細かい模様があります。黄色みを帯びて見えることもありますが、これはたぶん体が温まっている時です。
 ショップでは、アフリカ産のものより多湿を好むと教えられ、週1くらいで温水浴をさせていました。最初は少々怖がっていましたがすぐに慣れてお湯の中でくつろぐようになりました。食性は他のトゲオアガマと同じで植物食メインです。時おり生き虫も与えましたが喜んで食べていました。
 おとなしい、物おじしない、丈夫そして可愛いと、いいことずくめのトカゲです。可愛いに関しては主観の問題ですけどね。





 ショップでは多湿を好むと教えられましたが、このことを誤解するとダメージを与えてしまうかもしれません。ケージ内を多湿にする工夫をするなどしない方がよいと思います。要するに他のトゲオアガマと同じ環境で飼えますし、他種との同居にも向いています。他種との同居の場合、他種の方に協調性のあるものを選ばないと、本種がいじめられることになります。


 ↑ アオジタトカゲと仲良く同居中。筆者のところではこの同居はうまくいっていたが、けっしてお勧めできない。他の多くのアガマ類を含めたまたま絶妙なバランスを呈したものの、これが永続的に続くとも限らない。

 筆者宅では、数種類のトゲオアガマとフトアゴヒゲトカゲ、そしてアオジタトカゲも同居していましたが、この混合はけっしてお勧めできません。まず、アオジタトカゲがやがて獰猛さを発揮するでしょう。アオジタトカゲとトゲオアガマたちとでは食性も少々ちがっていて、アオジタ君の方はフルーツや生き虫に目がありません。その辺も配慮して給餌しないといけないし、アオジタ君が先に棲んでいるケージにウィッキー君を入れたりすると、ご馳走が転がり込んだようなものです。
 生き物同士の相性や入れる順序、餌選びといった要素が、すべてのトカゲに対して満たされなければ、達成できない混合生活です。それを上手くコントロールしたことを自慢したいわけではありません。筆者宅でコントロールできていたのは、たまたまであってそれも永続的には続かなかったかもしれません。観ている限りではかなり長期間問題は発生しませんでしたが、今から思うといつトラブルが発生してもおかしくない状況だったと思います。今後は我ながらこんな無謀な混合飼育はしないでしょう。


 ↑ 同居中のフトアゴ君と日光浴。この取り合わせは問題ないと思われる。

 ウィッキー君と同居可能なトカゲは、植物食が中心で温和な正確なトゲオアガマや、人によく慣れたフトアゴヒゲトカゲ、砂漠性のスキンク類などですかね、筆者の経験では。ウィッキー君自身は、複数飼育に適したトカゲで、彼が同居者を攻撃することはないでしょう。また、ウィッキー君やフトアゴ君には、スプレーで水を飲ませたり、温水浴も効果的ですが、同居者の中に、エジプト君のようなアフリカ産やアラビア産の者がいる場合、それらはスプレーや温水浴を嫌がる場合もあります。世話する場合は、使い分けを行ないましょう。筆者は、エジプト君やサバク君も強引に温水浴に慣れさせたりしてましたけど。それが飼育者への馴化が充分でない場合は、ストレスになり拒食等のダメージにつながることもあります。


 ↑ 水を飲んでいるウィッキー君。同居者にエジプト君なんかがいると、水入れも砂で埋められてしまい役に立たない。

 砂漠性のトゲオアガマと若干湿度を好むものを同居させるのに、筆者はバーベキュー網を使って、砂場の上に上層部を設け、そこにひっくり返せない重い水入れを置くという方法をとり、たいへん上手くいっていましたが、これも今後はやらないでしょう。バーベキュー網は、砂場と水場を分断するのに理想的であるものの、トカゲたちにとっては歩きにくいという欠点があります。


 ↑ 水場を覚えたウィッキー君は、水を飲んだり水浴したり、大いに水入れを利用していた。


 ↑ バーベキュー網を使った、砂場との分離層は水入れや餌皿を、砂で埋められることから守るのによいが、トカゲたちが歩きにくいという欠点がある。右下2頭がウィッキー君。

集団生活のこと

2013/10/17


 爬虫類の中には、集落(コロニー)を作ったり群生したりするものが少なくありません。1種類の動物が1ヶ所にあるていど集まっていることには、餌の取り合いになるというデメリットもありますが、繁殖期に異性にめぐり合いやすいといったメリットもあります。明瞭なテリトリーを作って暮らすものは、爬虫類の中にはあまり存在しないようですが、同じところに同一種類のトカゲがワラワラ群生していたり、散漫な集落を形成するものは少なくありません。
 地球全体を見渡しますと、赤道寄りの高温多湿の豊かな自然環境には生物の種類が多くなり、極地方にゆくにつれて、種類が減り同じ種が群生する傾向があります。熱帯ジャングルには多種多様の生き物が混在しますが、南極や北極では、アザラシの大群やペンギンの広大な営巣地が観られます。
 もっとも熱帯雨林でもチョウの大発生やコウモリの大集落があって、群生は貧しい土地に限ったものではないのですが。
 そして我らがトゲオアガマは、概して砂漠地帯や荒れ地といった貧しい土地に暮らしています。彼らは乾燥にもよく耐え、灼熱の太陽で日光浴し、暑くなると深い穴を掘って潜り込んだりします。
 野生での彼らの暮らしぶりを観察する手立てを筆者は持ちませんが、聞き知る情報では、ウィッキー君ことインドトゲオアガマなどは、浅くて広い穴を掘って集団生活するそうです。
 筆者ができることと言えば、飼育中の様々なトゲオアガマを、同居させたり単独飼育にしたりしてみることくらいですが、これを様々な取り合わせでくっつけたり離したりしていると、どのトカゲがどれだけ集団生活に向いているかが判ってきます。
 結果、トゲオアガマのほとんどの種が、集団生活向きであると筆者は判断しました。フトアゴヒゲトカゲのように、単独飼育では神経質なメスが、複数飼育に移行してやると間もなく元気になるといった例があるように、多くのトゲオアガマが同じような傾向を示しました。


 ↑ フィルビートゲオアガマ(左)、マリトゲオアガマ(下)、インドドゲオアガマ(右)。フィルビーは異種複数飼育にしてから食欲も旺盛になりよく太ってきた。

 集団生活の中で、競い合って餌を食べるのは、複数飼育でもっともよく見受けられる光景ですが、集団の中でも個性があって、他のトカゲにまったく干渉せず他からの干渉も受けないもの、他のトカゲには遠慮がちだが単独でいるよりも複数でいる方が元気なもの、他の個体にとりあえず威嚇や攻撃を加えるもののしばらくすると馴れて同居を認めるものなど様々で面白いです。


 ↑ フトアゴヒゲトカゲ(上と中)のオスは、新入りを威嚇する傾向にあるが、相手に敵意がないと同居を認める。

 エジプトトゲオアガマは、同属の最大種で縦横ともにでかく、硬質の棘を持つ尻尾もひじょうに立派でこの一撃を受けると大きなダメージを負うことになりますが、性格はたいへん温厚で、他のトカゲの同居を拒みません。体の小さなトカゲがエジプト君の背中に乗っかっているのをよく見かけます。餌皿をケージ内に置いてやると、駆け寄ってきたエジプト君の背中から降りて餌を食べようとするマリトゲ君やフトアゴ君に、場所を譲ってやるといった心温まる光景すら観られます。


 ↑ エジプトトゲオアガマの背中が大好きなマリトゲオアガマ。

 筆者のところでは、エジプトトゲオアガマ、マリトゲオアガマ、クジャクトゲオアガマ、フィルビートゲオアガマ、インドトゲオアガマと、フトアゴヒゲトカゲの同居はひじょうに上手く行きました。これらのトカゲたちは単独飼育よりも複数飼育の方が良好でした。ただ、サバクトゲオアガマだけは同居が難しかったです。同種もメス、あるいは養殖個体であれば温和な性格の個体もいるかもですが、野生採集個体では人間にさえ噛みついてくるものもいるほど気が荒いです。
 他にも、ヨロイトカゲや中型で雑食性のスキンクを同居させておおむね良好な結果が得られましたが、ヨロイトカゲやスキンクは、アガマたちにとっては無害ですが、彼ら自身にとってはアガマたちとの同居ではずいぶん遠慮がちになるので、彼らにとってはこの同居は歓迎できるものではありません。また雑食性のスキンクでもアオジタトカゲは、体格も大きくなり逆にアガマたちに攻撃を加えることも少なくなく、お勧めできる同居者ではありません。うちでは問題なかったですが、たまたま温厚な個体だったというだけでしょう。


 ↑ 下から、クジャクトゲオアガマ、インドトゲオアガマ、マリトゲオアガマ、エジプトトゲオアガマ。いずれも複数飼育向きのトカゲたちだ。

 複数飼育による共同生活は、トゲオアガマたちにとって本当に適しているのでしょうか。エジプトや中東や、インドからはたまたオーストラリアのトカゲまでもが同じケージの中に暮らして問題ないのでしょうか。筆者の答えはYESつまり問題ないしむしろ良好な結果が得られる場合が多いです。ただし、注意深く観察し、いじめられている個体がないか、神経質になって拒食しているものはいないか、常にチェックしなくてはなりません。最初のうちは逃げ隠ればかりしていたトカゲが、馴れると積極的に群れの輪の中に入って行くようになる場合もありますし、成熟して気が荒くなった個体が特定の弱者を攻撃するようになるケースもあります。とくに同種のオスの同居では、成熟するまでは良好な関係にあったものが豹変する場合があります。フトアゴ君ではガタイの大きなメスに怯えて若いオスが拒食するなんていうケースを筆者は経験しています。メスが荒々しく生き虫を追いかける様子に、オスが恐れをなしたようでした。

 魚の話しになりますが、オヤニラミという国産の魚は、オス同士の同居が不可です。徹底的に闘います。ところが数十匹の成熟したオスを、隠れる場所もない水槽で同居させるとイワシの群れのように順調に共同生活します。相手がたくさんいすぎて攻撃目標が判らなくなるようですね。知らない人がこれを見たら、オヤニラミは群生する魚だと思うでしょうし、オス同士が激しく争うなんて想像もつかないでしょう。
 このように、一見良好に見える同居であっても絶妙なバランスでたまたま上手くいっているようなケースもあるでしょう。うちのアオジタ君の場合がこれだったかもしれません。あるいは、獰猛な動物でも、良好な集団生活が出来上がっているところに後から入れてやると、和合する場合もあります。水族館の大水槽ではこの方法で弱い魚とサメが同居しています。
 しかし、上手くいっているからといって観察は怠れませんし、バランスが崩れることもあることを念頭に置いておくべきですし、他のトカゲを食べる可能性のあるものは、やはり同居させない方が良いです。また、共同生活でストレスを受けている個体は、トカゲの場合は拒食や日光浴のスポットに来ないといった行動で見つけられます。

 また、同居が可能なトカゲ同士であっても、湿度を嫌うものとある程度の湿度を好むものがあり、個体ごとのケアも必要になります。トゲオアガマの場合は、それらをまとめて週1ていどの温水浴をさせるという方法で解決しても良いですが、水浴を喜ぶものとそれに馴れるのに時間がかかるものとがあります。スプレーで水を飲ませる方法もあります。湿度を好むものは喜んで水を飲みに集まりますが、エジプト君なんかはこれをいやがります。
 飲み水をケージ内に置く方法もありますが、トゲオアガマは砂を掘り返すのが好きなので、水入れをひっくり返したり砂で埋めてしまったりします。砂場と水入れを分けるといった工夫が必要です。
せっかく飲み水を用意してもいつまで経ってもそれに気づかないもの、喜んで飲んだり水浴したりするものと、反応もさまざまです。


 ↑ トゲオアガマの温水浴。ぬるま湯で20分ていど温水浴させると、その間に水を飲むものや脱糞するものがある。水分不足や便秘にはたいへん効果があるが、温水浴になれるのに時間のかかるものもいる。温水浴は必ずしも必要ではない。

 いつだったか、イヌでもウサギでも小鳥でもなんでも売ってるペットショップで、2メートルくらいのケージに数十頭のトゲオアガマが収容されているのを見たことがあります。トカゲたちはまったく気の休まるいとまもないといった感じで、これは大変よろしくない飼育例ですね。

ベンティトゲオアガマ

2014/10/10


 イエメン固有種。トゲオアガマ属の中ではもっとも尻尾が長く、色彩もたいへん美しい個体が多いようです。クジャクトゲオアガマのような斑紋を呈するほか、強いオレンジが頭部と下半身、尻尾にのります。とくにオスは美しく腹面にもメタリックプルーの縞模様が入ります。筆者が飼っていた2004年当時では、輸入されるようになってまだ日が浅くコンスタントな入荷も望めないとのことでした。入荷するのは少数のワイルド個体で、なかなか状態の良いものにも巡り合えないといった状況でした。



 系統的にはクジャクトゲオアガマ系ですね。長い尻尾や体の模様がよく似ています。ひじょうに温厚な性格で、最初から問題なくハンドリングできました。



 オスです。この写真では判りづらいですが、お腹の縞模様はわずかにメタリックブルーになっています。



 この個体は、温度が上がると後脚から尻尾にかけて鮮やかなオレンジ色を出色しました。



 たいへん長い尻尾をしています。
 他のトゲオアガマやチャクワラと同居させていましたが、とても仲良くしていました。日光浴も大好きで、朝にタイマーでバスキングライトが点灯すると、一番にライトの下に来ることが多かったです。
 しかしながら、最初はとても健康そうに見えたものの、次第に痩せてくるようになり、飼育を始めて4ヶ月で死去してしまいました。おそらく体内の寄生虫が原因でしょう。本種に限らずワイルド個体は飼育下ではどうしても寄生虫に負けてしまうようです。
 動物愛護法は、爬虫類の通販を規制し、販売に際しては飼育方法をきちんと伝えることを義務づけていますが、ワイルド個体に対して適正な検便を行ない駆虫をほどこすことを徹底しないと、結局は飼育下で短命を終える個体が後を絶ちません。名ばかりの愛護法にはいささか呆れます。

マリトゲ君2

2014/10/17


 ディスパートゲオアガマの地域亜種であるマリトゲオアガマが、よく流通するのはなぜでしょう。マリという国が輸入に積極的だから? マリトゲが欧米や日本でのCB化の基盤になっているから? ディスパーの多くが、マリと語られているから? この辺の事情は筆者の推論が及びません。スーダン原産の基亜種いわゆるディスパーよりもマリが多く出回っているのが実情みたいです。
 筆者的には、マリトゲは飼育歴も長く愛着があるので好きです。



 2005年8月、2頭目となるマリトゲ君を入手しました。以前の飼育経験から、本種がかなり神経質で馴化に時間がかかること、意外と気が荒い一面があることが解っていますので、最初は単独飼育から始めました。かなり痩せています。ベストコンディションとは言いがたいです。



 体側にそって黄色がよく乗っています。



 恐竜顔が可愛い。単独飼育をしばらく続けて、与える餌に慣れてきたら、おとなしいトカゲたち、エジプトトゲオアガマやチャクワラと同居させました。同居はけっこう上手くゆき、単独飼育の時よりも餌食いも良くなりました。餌をよく食べ、物陰に隠れず積極的に日光浴するようになると飼育も軌道に乗ります。



 大きなケージのフトアゴヒゲトカゲや、すでに群れに慣れているトゲオアガマタチの中にいれても率先して日光浴するようになれば、もう安心です。上の写真の左側にマリトゲ君がいますね。
 ただ、これはあくまで筆者の実験的な飼い方であって、単独飼育で飼育者とよい関係を持つことに専念することが基本です。それがもっとも安全で適切な飼い方です。



 大きなケージで群れ状態で飼うと、トカゲたちも単に飼育者に慣れるだけでなく、同胞との関係にも気を使うことになり、いろいろ頭を使うことになります。人工環境に戸惑っている子は、とくに食べるということを同胞から学ぶようです。同居者を同胞と認識するようになると、一緒にいることで安心でき、競って餌を食べるようになります。ただし、同居者同士がおたがいに良い刺激を与え合い、良好な関係を築けるかどうか、飼育者は最初の内はなかなか気が抜けません。いつの場合も同居が上手くゆくとは限りませんし、筆者もいまだに自信を持ってお勧めできる同居マニュアルを持ち得ないでいる有り様です。
 実験はまだまだ続きます。

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