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高山植物園

2014/06/18


 今年2014年のゴールデンウィークに家族で六甲高山植物園に行ってまいりました。その時にたくさん写真を撮ったのですが(すべてスマホ撮りのいまいち写真ですが)、このところ蛾やその他の虫の記述に明け暮れておりましてなかなか紹介することができませんでした。蛾は撮っても撮ってもキリがなく、次々と新手が飛来するので、ここいらで一段落して高山植物たちのユニークな姿を紹介して行きたいと思います。
 GWという時期は、高山植物としては春の花と初夏の花が混在し、まさに花盛りといった感を呈する花の見ごろの時期でした。筆者の家も山地に位置しますが、海抜931メートルの六甲山山頂から遠からぬところに設営された植物園は、5月でも肌寒く長袖が手放せません。この寒さは低山地や平野では初春といった感じですが、同植物園では春の花が盛りで初夏の花さえ咲き始めています。季節感がかなりちがいます。
 6月もそろそろ下旬、うかうかしていると夏の花が咲きだしている頃ですが、今頃になって六甲高山植物園の春の花を紹介しようってわけです。夏の花も見に行きたいのですが、今のところその予定はありません。
 筆者としてはたくさんの写真を持ち帰ったつもりでも、これらは同植物園のごくごく一部にしかすぎません。花をつけていないものはスルーするというミーハーぶりも手伝って、とりあえず目につくものをわずかばかり撮ったに過ぎません。そしてそのわずかばかりの中に、いまだに植物の名前が判らないものもあるという有り様です。
 植物園には、すごそうな一眼レフを携え、腰を据えて撮影に挑んでいる人の姿もチラホラ見かけました。そうした人たちが筆者の数倍見事な写真をブログに上げられたりするのを想像すると、筆者ごときがここで記事にすることに意義を見いだせずへこんでしまうわけですが、まぁ、人生恥をかくために有りきと悟っておりますゆえ、先を続けます。
 本章に記載する各項は、日付が異なるも、2014年のGWに六甲高山植物園に赴いた際の1日の記録です。


 ↑ 荒れ地に繁茂する丈の小さい草花、高山植物と言えばこういう光景が目に浮かぶ。

 ↑ トイレも若草色で"らしさ"を感じた。

 ↑ ピンクはやはり花をイメージしているのか。

 ↑ 食べ終えたおにぎりを包んでいたアルミホイールは、銀の実をこさえてからゴミとして持ち帰るべし。

 ↑ 湿度のある山肌。すぐ近くを小川が流れていた。

コマクサ

2014/06/18


 子供の頃に図鑑で本種を見たとき、その花の形態に驚くと共に妙に魅せられた覚えがあります。図鑑の解説には、荒れ地に強く根を下ろし、少々引っ張っても抜けず、駒(コマすなわち馬)をつなぎとめておけるほどだという誇張が名の由来になったとありましたが、それ以降そのような解説を見たことがありません。その解説を信じて他人に話した筆者はウソ吐き呼ばわりされてしまいました。あれからずっと、この由来について書かれてある記事を探したのですが、どの文献でも、花の形がウマの顔に似ていることが名の由来であると記述されてあります。……筆者はやはり騙されたのでしょうか。



 乾燥した荒れ地や草木の少ない崩壊地などで、小さくうずくまるように自生している姿は、筆者がイメージする高山植物そのものです。こういうのを高山植物って言うのですよ。って言ったらまたウソ吐きになるので、訂正します。典型的な高山植物の形態の1つであるとしておきましょう。



 多くの文献でコマクサの名の由来になっている、ウマヅラな花。言われてみればウマヅラですかね。それ以前に美しさに目を奪われます。周囲の景観とはまったく相いれない優美さです。この美しさと、多くの植物を受け入れない過酷な環境に棲息することから、高山植物の女王とも言われているそうです。気高い花です。



 高山の乾いて冷たい崩壊地では、砂や小石が絶えず動いていて、とても植物が育つ環境ではありませんが、そういうところに好んで根を下ろし、他の植物と共にあることがほとんどない孤高の生き方をしているようです。ほんと気高いです。女王の生育を支えているものは雪解けの水や日差しで、肥沃な土壌は見当たりません。これが山の女王の生き方というわけです。



 崩壊地に根を降ろすくらいですから、やっぱウマをつなぎ止めるという誇張が通るほど強いんじゃないだろうか、と未練がましく汚名返上の機会を伺ったりするわけですが、実際に根の長さは数十センチから1メートルほどになり、崩壊地の下に埋もれた土壌に届くほどのようです。
 同植物園のガイドブックでは初夏の花と分類されてありましたが、GWの時点でけっこうたくさんの花を見ることができました。

 ネット検索していますと、本種の苗が普通に販売されており、栽培が可能であることを知りました。スズランが自生状態で育っているうちの裏庭に植えておいたら育たないかなぁ、なんてかなり栽培に前向きです。ええ、前向きですとも。

ユキモチソウ

2014/06/18


 ゴールデンウィークに家族でどこか行こうぜって話しになった際に、筆者はコマクサ目当てで六甲高山植物園を推したのですが、嫁さんは本種の写真を見て同意しました。漢字では雪餅草と書くことから、時期的にもう遅いかもと心配したのですが、ちゃんと待っててくれました。園内各所に自生していて、その奇妙な花をたっぷり見せてくれました。



 そもそもサトイモ科の植物は変わってます。いったい何を考えているのか判りません。これが花だと言われても、虫たちも首をかしげるんじゃないでしょうか。なんか食虫植物のトラップっぽいし。



 雰囲気的に仏教の匂いもしますよね。なんだか後光を背負った仏っぽくね? 筆者はその白い頭にマジックで顔を描きたいとかなり真剣に思いました。



 横姿です。飛来した虫が、突出した葉状部にぶつかって、筒の中に落下し栄養になっちまう、なんてことはないのでしょうか。あるいはサトイモ科植物が食虫植物の祖先だったりして。



 後ろ姿です。ストライプがおしゃれですね。



 上から見降ろすと、別物のように見えます。



 雪餅草の名のとおり、白い部分はお餅そっくりです。ちなみにこの部分を肉穂花序、葉状部を仏炎苞というそうです。やっぱ仏様だ。



 多湿な場所に群落を見つけました。今の時期はどうしても花に目を奪われますが、葉もなかなか綺麗ですよ。模様付きの葉もあります。



 これは……。葉も花もまだ若い色をしています。これ以外に若い苗は見かけませんでしたが。
 販売コーナーでは、本種の苗も売っていました。こんなのが庭に植えてあっても面白いかもしれませんね。と言いつつ買いませんでしたけど。

アヤメ

2014/07/25


 アヤメの一種です。アヤメ池だとかアヤメ池公園だとかいった観光地がありますが、アヤメはどちらかというと乾燥した場所を好む山の植物です。筆者の家にもアヤメの一種を植えていますが、湿地の植物のようには育てていません。ここ六甲高山植物園でも乾いた場所に生えていました。



 一般的にアヤメといえば青紫の花なのですが、これはかなり淡い色をしています。それにアヤメ特有の編み目模様が見当たりません。さりとてハナショウブにしては黄色い紋が大きすぎます。そもそもハナショウブは湿地の植物です。カキツバタに至っては湿地や池に生えています。
 では、観光地のアヤメ池ってなんなのでしょうね。



 六甲高山植物園のガイドブックには、ヒメシャガというアヤメ科の植物も載っていました。花も淡い色です。でもヒメシャガの写真にも編み目模様が認められましたし、ちがう気がします。
 とりあえずハナショウブやカキツバタではなさそうなので、アヤメで決まりです。ちょっと弱気でアヤメの一種としておきましょう。頭かゆいわぁ。

カタクリ

2014/07/25


 これぞ山のスプリングエフェメラル(春の儚い妖精)って花ですよね。六甲ではGWに花盛りでしたが。葉は這うように低く、そこからひょろーと花茎を伸ばして下向きのピンクの花をつけます。
 カタクリ粉という食材がありますが、かつてはこの花のデンプンで作っていたそうです。摂れる量が少ないので、現在ではイモ類のデンプンをカタクリ粉の原料として利用しているようですが。



 高山植物園に来た限りは、見ておきたい花のひとつですが、なかなか見つかりません。そのうち販売コーナーで鉢植えのものを見つけました。……まぁ、いいんですけどね。



 それからさらに歩いて行くと、1輪だけ自生している花を見つけることができました。花の色が予想していたものより淡いです。花にも色彩変異があるのかもしれません。



 派手さはないけれど、可憐な花ですね。園芸植物のシクラメンに似ていますが、本種はユリ科、シクラメンはサクラソウ科の植物です。

ニチリンソウ

2014/07/25


 ヒマワリのことを日輪草と呼んだりしますが、本種はキンポウゲ科の下草です。高山でなくても一般的な山地でも見られ、スプリングエフェメラル(春の儚い妖精)のひとつと挙げられたりもしますが、ここ六甲ではGWの今頃花盛りです。



 花はしばしば2輪ずつペアになっています。それぞれは少し時間差を置いて開花するそうです。おもしろいですね。



 棲息地では、そこそこの規模に群生することが多いようです。緑の草原に白いたくさんのチョウが舞っているようで綺麗ですね。

クロユリ

2014/07/25


 本州では高山植物ですが、北海道では低地にも育つそうです。草丈は20cmていど、北海道では50cmくらいになるらしいです。クロユリの名は以前からよく耳にしましたが、高山植物だとはしりませんでした。



 葉の形状は、よく見るユリと似ていますね。まぁユリ科ですから。葉は短めでこじんまりしています。高山では多くの植物が低く小さくなりますね。



 GWでは開花にはまだ少し早いようですが、かろうじて咲いているものを見つけることができました。ユリというよりはキキョウ科のホタルブクロって感じの下向きの花です。そして黒いです。
 先日「クロユリ団地」というホラー映画を観ましたが、この花もいい感じにホラーな雰囲気をかもしています。けっこう好きです。

ハッカクレン

2014/07/25


 本種のレンとは蓮すなわちハスのことです。ハッカクは葉の形状を表しています。すなわち八角形のハスというわけですね。園芸植物にもなっていて、葉陰に赤い袋状の花をつけるそうですが、花を見つけることはできませんでした。



 ハスと言えば湿地の植物のイメージがありますが、かなり乾いた斜面に生えていました。大きな葉はだらりとしていて、その形状がよく判りません。



 元気な若い葉は、ご覧のとおり八角形……かなぁ。なんだか花弁のつながった花みたいな形をしてるんですけど。まぁ、八角形としてだ、葉の頂点の数を数えてみますれば、7つしかないんですけど。ナナカクレンに改名すべきですね。

ヒツジグサ

2014/07/25


 スイレンという植物をご存じですね。水の連(ハス)という意味の植物ですが、これってどう見てもそのスイレンにしか見えませんよね。花はGWではまだ早すぎたようですが、花もスイレンと同じような感じです。



 湿地や流れのない水域でたくさんの葉を水に浮かべているのを見かけることがありますが、日本で自生しているものはじつはヒツジグサと呼ばれるもので、園芸品種にもなっているスイレンのほとんどは外来種やいくつかの種を交配させて作出した品種であったりするそうです。日本のスイレン属の植物は、このヒツジグサ1種だけとのこと。



 スイレンという和名の方が、それらしく聞こえますが、未(ひつじ)の刻(14時)頃に開花することがこの名の由来となっています。とはいえ実際には明るいうちは長時間花を咲かせているようです。

ヒメシャクナゲ

2014/07/25


 園芸植物として人気のシャクナゲの葉をそのまま小さくしたような小葉を付け、10〜30cmという高山植物らしい佇まいを見せるツツジ科の低木です。可愛らしいですね。北海道や本州北部でないと見られない植物ですが、同園では立派にそだっています。園芸植物にもなっていて、栽培は難しくないそうです。



 他の植物と混ざって雑然としていますが、もっと近づいて見ると、神秘的で可憐な様子がよく判ります。



 はい、近づいてみました。あまり開かない下向きの花は、スズランの花を並列に並べたようです。淡いピンクが緑の葉によく映えます。



 花を上から見てみました。白い星型の萼がおしゃれですね。

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