飼育観察採集

 動植物の育て方については、それぞれの項で触れていますが、育て方全般に関することや、ノウハウそのものについてはあまり書いてまいりませんでした。動植物を育てている人には、それぞれその人なりのやり方があって、多くの種に対して1つの方法を応用させたりしていることでしょう。
 そこで、筆者なりの飼育方法について、生き物の紹介とは別にまとめてみることにしました。これまで、各生き物の項目に入れていた飼育に関する記述も、この章にまとめました。
 動植物を育てるということは、彼らと身近に接することが目的でもあるわけですが、長く付き合うことと繁殖に立ち会うことのためには、いろいろ勉強するほか、じっくりと観察する必要がありますね。飼養する生き物を愛でること、触れ合うことがすでに観察であり勉強でもあるわけですが、自然に飛び出して行って野生の姿を観察するのも、様々な発見に満ちていて楽しいものです。

 そして観察したら、記録をとりましょう。観察日記をつけることがいちばん望ましいのですが、それが面倒なら写真や動画を撮って残すようにしましょう。高解像度の写真をパソコンで表示させると、肉眼では見落としていた特徴に気づくようなことがよくあります。
 筆者もむかしからいろんな形で記録を撮ってまいりましたが、今はこのブログをまとめることがもっとも重要な記録になっています。過去の記録などもここに記載したりしております。読者を想定したような体裁になっていますが、何よりも自分自身のための覚え書としてひじょうに重宝しています。
 野生の動植物を訪ねた場合、採集して持ち帰って育てたみたいという衝動に駆られることも少なくありませんね。野鳥や哺乳動物の採集は禁じられていますし、虫にしても一切の採集行為が禁じられている地域があったり、種ごとに採集が禁じられているケースがあるので、注意が必要です。

 また、採集よりも質が悪いのが動植物を自然に放つ行為だと言われています。採集したものを元の場所に返すのには問題ありませんが、別の場所に放つと、生態系によくない影響を及ぼすことがあります。そのせいで古来からいる種が衰退し、新参者がでかい顔して大ブレークしてしまうような残念な事態に発展しまうことがあります。採集したら、最後まで飼養責任をまっとうする、そのことに少しでも不安がある場合は、採集してはいけません。写真や動画の撮影にとどめておきましょう。
 乱獲が特定の生き物を死滅させることはよく言われますが、生き物の移動もそれ以上の悪影響を及ぼすことがあるということを知るべきです。

幼蛇の飼育(強制給餌)

2013/08/23


 ヘビの飼育はひじょうに楽です。とは言うものの生まれたばかりの幼蛇の飼育には、少しばかり苦労させられます。外温動物は内温動物のように採餌に積極的ではありませんし、その中でもヘビは極めて消極的です。ショップで充分に餌づけが成されているヘビしか飼ったことがない方にとっては、ヘビはひじょうに貪食で飼育者を見れば餌を当てにして寄ってくるペットというイメージがあるかも知れませんが、生後間もないヘビや野生採集個体はじつはなかなか手ごわいのです。キングスネークやコーンスネークの場合は、比較的餌づきやすいですが、それでもコーンやキングの中でもミルクスネークの仲間などはかなり手こずります。
 ヘビは水さえ与えておけば何ヶ月でも平気で絶食します。また、同じ種類でも個体によって餌づきに差がありますし、筆者の経験ではメスの方が神経質で餌づきにくい気がします。例外も少なくないですが。餌をケージに入れておけばそのうち食べるようになるだろうという期待はけっこう裏切られ、けっきょく何も食べないまま死んでしまう幼蛇がたくさんいます。
 生まれたばかりの幼蛇や、野生採集個体への餌づけには、様々な方法があります。ケージ内にシェルターを用意しその入口付近に置き餌をすることで餌づく個体もいます。餌を食べてくれるまで静かで暗いところにケージを配置し置き餌を続けるという方法や、マウスの頭部を切開して脳髄を露呈して置き餌するという方法もあります。しかし筆者の経験ではどれもなかなか上手くゆきませんでした。幼蛇に合ったサイズの生きたカエルを入れてやるのも有効ですが、生き餌の入手やストックは大変です。それに野生で捕獲した餌には寄生虫がわいています。カエルはマウスよりも栄養価が低いので、給餌頻度も高くする必要があります。また、カエルに馴れたヘビをマウスに切り換えるのに苦労します。
 シェルターを覚えて、そこに常時入っているようになると、置き餌にも餌づきやすいような気がします、筆者の経験では。しかしシェルターを入れてやってもそれを利用せず、床材の下に潜り込んでいるようなヘビも少なくなく、そうした個体はなかなか置き餌を食べてくれません。
 幼蛇を確実に餌づける方法は、強制給餌でしょう。筆者の場合は、幼蛇の飼育には最初から強制給餌する気満々で臨みます。馴れない飼育者にとってはかなり大変な作業になりますが、強制給餌が苦痛でなくなれば、幼蛇の飼育から餌づけという最大の悩みが消えてしまいます。
 その強制給餌にも様々な方法がありますが、筆者の場合は竹製のピンセットを使ってマウスをヘビに押し込む、これに尽きます。ピンキーポンプだとか、マウスの尻尾を使用するなどの方法もありますが、マウスそのものを押し込むのに馴れてしまうのが一番です。
 マウスを押し込むには、ヘビを捕まえて首根っこをつかみ、口を開かせねばなりません。生後間もない幼蛇は人間に馴れていないので、逃げ回る、攻撃してくるといった行動をとります。まずこれを無事に捕まえて首根っこをつかんでしまわねばなりません。噛みつかれるのを恐れなければ捕獲は比較的容易ですが、筆者が心配するのはヘビが人の手に噛みついた際のヘビ自身のダメージです。無理やり引き剥がして口に怪我を負わせると、口内感染症の危険にさらされます。これは幼蛇にとってひじょうに危険で、命にかかわることも少なくありません。筆者の場合は、竹ピンセットで素早く首をつかみ、そのまま左手の人指し指と親指で抱え込むようにしてヘビを押さえ込みます。握り拳の間から幼蛇が頭だけ出している形ですね。
 次に口を開けさせるのですが、これがまた至難の技です。名刺などを口に差し入れて開けさせる方法をよく聞きますが、名刺をくわえさせた状態でそこにマウスを突っ込むのが楽じゃないです。筆者は頭を前にして持ってマウスで口を押し開き、そのままマウスをねじ込んでしまいます。強制給餌には竹ピンしか使いません。
 ヘビは下顎が左右に開いて大きな口を開けられるので、ピンセットごと一気にマウスを押し込んでしまいましょう。幼蛇に与えるマウスは当然ながら小さくて柔らかいので、しばしば皮膚が破れて内臓が飛び出しますが、気にせずに押し込んでください。
 全部押し込んでヘビの口を閉じることができたら、ヘビの頭部を指で挿むように持ちかえて、ヘビをやさしくしごいてマウスを胃まで導きます。これをちゃんとやらないと、すぐに吐き戻してしまい、再チャレンジさせられることになります。
 強制給餌の間、もちろんヘビは抵抗して暴れます。アオダイショウなどの場合、排泄孔から変な液を出します。めげずに頑張りましょう。きつく押さえすぎてヘビをつぶしてしまったり、首の骨をへし折ってしまったりしないように。
 最初は「無理かもしれない」と思うかもですが、馴れますよきっと。筆者の場合も習ったり手本を見せてもらったりすることなく、いつの間にかできるようになり、強制給餌で幼蛇を傷つけたこともありません。
 強制給餌を続ける内に、やがてヘビは自ら口を開けるようになり、押し込まなくても飲み込むようになり、そしてマウスを目の前に差し出すと食いつくようになります。
 こうして生後間もないうちから頻繁に接触を試みることによって、ヘビと飼育者は互いを信頼し合うようになり、普通にハンドリングができ、飼育者を見ると近づいてくるまでになります。こうなると世話がたいへん楽だし、とても可愛いですよね。
 でも、ヘビは哺乳動物とちがって愛情表現はまったくもって下手クソなので、ハンドリング中でもそっぽを向いていたり、よそへ進んで行ったりします。マウスの匂いの付いた手を出すと飛びついてきて噛まれます。人に寄ってくるクセにハンドリングされて嬉しいのか迷惑なのか、筆者にはいまだによく判りません。まぁ、飼育者を見ると逃げ出すよりは100倍ましかと……。

なお、強制給餌の実際については、トランスペコラットスネークの強制給餌をご参照ください。

幼蛇の飼育(飲み水)

2013/08/24


 幼蛇の飼育で、餌づけと同様に頭が痛い問題が飲み水です。飲み水を覚えられずに乾きで死んでしまうという事例は、じつは爬虫類では意外に多いのです。筆者の経験でも、アガマ科のトカゲ類は、大きな水皿を用意してやっても、それをせっせと砂で埋めてしまうし、カメレオンでは目の前に飲み水があるのに、乾きを訴えて飼育者に悲しい視線を送ってきました。カメレオンは溜め水を見つける能力がないそうで、水滴を落とし続ける装置や時々スプレーをする装置を用いて飲み水を与えるそうです。筆者の場合は、カメレオンには顔にスプレーして水を飲ませていました。じつに面倒です。アガマ科のフトアゴヒゲトカゲにもよくスプレーしてやります。水を飲むしぐさが可愛いです。ただ彼らは野菜から水分を摂取し、飲み水なしでもとりあえず命の危険にさらされることはありません。エジプトトゲオアガマなどは、スプレーを嫌がって逃げ回り、けっきょく野菜から水分を摂るのみです。壁にくっついているヤモリ類にもスプレーで水をやります。
 で、幼蛇の場合ですが、飲み水は餌以上にかかせないのに、爬虫類の例に漏れず飲み水を見つけるのが下手です。恥ずかしい話し、筆者も脱水で何匹か幼蛇を死なせています。昨年と今年、アオダイショウ及びラットスネークの仲間をこれで死なせた筆者は、つくづく自分が情けなくなりました。こうしてヘビの飼育方法などを記述し、ベテランぶっている資格なんてないですよね。初心者とか素人とか呼んでください。
 幼蛇の飲み水の問題で、意外と失敗が少ないのが、ケージを小さくする方法かも知れません。すぐに成長するからと大きめのケージに入れておくと、飲み水を見つけられずに脱水症状を来してしまいがちです。筆者も初心者の頃は、小さなケージに幼蛇を個別飼育していて偶然にも飲み水の問題をクリアしており、ヘビが飲み水を見つけられないことを知らずに過ごしていました。
 幼蛇の脱水死を回避するためには、水入れを高くて深いものにしない、浅くて広いものを使用する。ケージを小さくして床面積に対して水入れの面積が大きくなるようにするといった工夫が有効でしょう。わずか3cmの高さのタッパーでさえ、幼蛇には高すぎるようです。なるべく小さなケージに、床面積の半分くらいの水入れを用意し、それを床材(ワラなど)で埋め込んで水入れの高さが床から1cm少々ていどにしておけば、幼蛇は容易に飲み水を見つけるでしょう。また、水入れは四角いものにしてケージの壁面にぴったりくっつけておきます。幼蛇は飼育環境に馴れないうちはケージ内をさかんに動き回りますが、小動物の常として壁に沿って動くことが多いです。これでさらに水を見つけやすいはずです。
 それでも不安な場合は、給餌や飲み水の交換の際にでも、頭にスプレーしてやるのも有効です。顔や壁面に付いた水滴を幼蛇はなめます。あまり強くスプレーすると驚いて逃げ回ります。
 少し成長して、人に飼われる状況に充分に馴れたら、ヘビは水の摂り方をしっかりと覚えますし、飲み水を水浴やトイレに利用したりします。高温時はヘビは好んで水浴しますし、脱皮不全を防ぐのにも水浴は有効です。水入れの中で脱糞することも頻繁です。水に浸かると便通がよくなるのでしょうか。そんなわけで、アガマ類やカメレオン類とちがって、ヘビには大きくてしっかりした水入れを用意し、汚れたら水を替えるという世話が大切になってきます。
 うちで飼育しているアオダイショウの成蛇は、かなり大きくて重い水入れを移動させるのが趣味です。筋トレでもしているのでしょうか。脱皮の際に体をこすりつけるのにも水入れを使います。
 また、プレーリーキングスネークは、すぐに水入れをひっくり返してしまいます。手も足もないヘビが、自分がすっぽり入れるサイズのタッパーにたっぷり水を満たしたものを、どうやってひっくり返すのか解りませんが、けっこうな頻度でタッパーはケージの中でうつ伏せになっています。ムカつくけど笑えます。
 暑い夏など、多くのヘビが水浴します。中には頭まで水中に浸かり、どれだけ息を止めていられるかに挑戦しているヘビもいます。計ったことないですが、魚か、と思うほど潜ったままのものもいます。どなたかヘビの潜水能力についてレポートしてみてください。

魚の水換え

2014/01/30


 魚の飼育にあたって飼育者がしなければならないことは、給餌と水の管理です。水の管理に必要なものは水を循環させるのに必要なポンプと、循環経路に設置して汚れをこしとるフィルターです。ポンプとフィルターはセットになっていて、これを濾過器(ろかき)とかフィルターとか呼びますね。水の管理にはもう1つ水温の調整があります。冬場はヒーターで、夏場は扇風機なんかを使って水温を調整します。
 日本の本州以北に棲む淡水魚であれば、水温の管理は室温に委ねればよいですが、アマゾン他の熱帯魚を飼うには、冬場は20℃以上夏場は30℃以下をキープする必要が生じます。冷水に棲む魚の場合は夏場は専用クーラーが必要となり、飼育装置はかなりおおがかりになり、かなりの騒音も伴います。
 一般的な熱帯魚であれば、冬場はサーモスタット内蔵のヒーターで水温をキープし、夏場はエアレーションや扇風機で過度の水温上昇を防ぐことで問題なく飼育できます。エアレーションとは、水中で泡を発生させるいわゆるブクブクのことで、扇風機はパソコンに内蔵しているような小さなものを水面近くに設置し、水面に風を当て続けるものです。エアレーションは水温上昇に伴って減少する溶存酸素を補うのに役立ち、扇風機は水を蒸発させることで気化熱を奪い、水温上昇を効果的に防ぎます。

 筆者は、現在は自室の机の上に30×30×30cmのキューブ型のガラス水槽を置き、この中で以下の魚を飼っています。

 コリドラス10匹
 サカサナマズ8匹
 グラスキャット6匹
 ハニーレモングラミー5匹
 プレコ2匹

 ベテランの飼育者やショップの方に言わせれば過密飼育もいいとこで、半分に減らしなさいと指摘されてしまいます。ところがこれにさらにドジョウやらレインボーフィッシュ、タナゴ、モロコなんかを入れて、今より20匹くらい多かった時期もあります。巻き貝も入ってたなぁ。今後ですが、群泳が好きなグラスキャットのために、その数を倍にして、あと入手できればおとなしい日本のハゼやシマドジョウを追加したいとたくらんでいます。
 この水槽も、今年で10年目です。ここでいろんな魚をまいりましたし、死なせてしまった魚も少なくありません。でもここ数年はあまり死なせていませんし、とくにここ1年は1匹も死んでません。
 魚たちを健康に長生きさせる秘訣は、基本を忠実に守る、これに尽きます。
 正直、筆者は好奇心から様々な魚を我流で飼育し、たくさん死なせてきました。様々なサイズの水槽をいろんな濾過器を使って調整し、幾多の失敗を経験しました。その果てにたどり着いたのが、結局のところ初心者だったころの方法となんら変わらぬものでした。
 過去を振り返って、画期的な方法や完璧なフィルター装置なんてありません。現在使用しているフィルターは、筆者が子供の頃に初めて見た水作君こと水作エイトと、吊り下げタイプの簡易フィルターです。いずれも専門店にゆかなくてもホームセンター等で売っています。

 魚の健康を維持するには、水質の悪化を防ぐことが重要で、専門書等では、優れたフィルターや優れた濾材(ろざい)選びについて解説されていますが、結局のところ水質を完璧にコントロールしてくれる装置や濾材なんて見当たりません。水換え不用なんていう頼もしいキャッチフレーズの濾材もいくつか試してみましたが、それと昔ながらの活性炭との差が筆者には判りませんでした。
 魚を飼うには、魚よりも設備にお金をかけろとも言われますが、それもいかがなものかと思います。ドイツ製の世界が認める素晴らしいフィルターが水作君をはるかにしのぐ濾過パワーを発揮してくれるのを筆者は経験していませんし、すべてがそろったシステム水槽もけっきょく多くの部品を外して我流のシステムに組み直しました。

 魚の健康を維持する、つまり水質を管理するポイントは、過剰に給餌しないこと、水換えをおこたらないことに尽きます。水換えにまさる濾過はありません。魚の数と水量に応じた水換えをおこたらなければ、フィルターなんて水作君1つで充分です。
 川は流れ続けることで、常に水換えを続けているようなものです。流れが滞ると腐敗します。専門書では、濾過にはフィルターでゴミや汚れを取る物理濾過と、微生物の分解による生物濾過があると説明されており、それはその通りなのでしょうが、流れの悪い池の水は腐敗します。微生物の濾過能力も無限ではないのです。
 魚の飼育書には、給餌について魚が速やかに食べきる量を1日2〜3回とかかかれていますが、筆者の場合は、食べきるのに1時間くらいかかる量を1週間に3回です。そして、水換えペースは2週間に1回。30cm水槽で30匹以上の小魚を飼う場合、このペースは落とせません。
 水換えのペースは魚の数に比例し、水量に反比例します。45cm水槽で同じ数の魚を飼うなら3週間ごとの水換えで大丈夫でしょう。ただし魚を増やすなら水換え回数も当然増えます。
 小さな水槽では、水草は使わない方が無難です。水草は酸素を発生しますし、水質維持にも貢献しているように見えますが、そうとは限りません。水草だって魚と同じ生きた細胞です。枯れ葉や老廃物を生成し、水をにごらせます。水草の維持はじつは魚を飼うよりも数段手間がかかります。なので筆者は、小さな水槽には模造の水草を使っています。

 能書きは以上で、筆者の30cm水槽の実際を具体的に見て行きましょう。
 底砂にはむかしからお馴染みの大磯砂を10年交換してません。もともと海のものなので最初は、念入りに洗って使いますが、一度使いだしたらあとはそのまま使い続けられます。底砂は必ず使用します。ここに有用バクテリアが住み着いて生物濾過に威力を発揮します。底砂のない水槽はすぐににごります。
 フィルターは、水作君と吊り下げフィルター。水作エイトは別売のエアーポンプに接続して使用するむかしながらのフィルターで、濾過とエアレーションの両方を一手に引き受けてくれます。水槽内で水作君はかなり目立ち、見栄えがよくないので、吊り下げフィルターだけでも良いと思います。吊り下げフィルターは、吸水用のストレーナーパイプだけを水槽内に伸ばしているので見栄えはいいですね。吸い上げた水を水槽外に吊り下げたタンクに取り込み、満タンになったタンクからあふれた水が水槽に返るという循環過程で、吊り下げタンクの中に設置してある濾材で水を濾過します。吊り下げフィルターは水を水槽に落とす時に酸素を混入させるので、これで溶存酸素は足りて魚が酸欠になることはありませんが、エアレーションによって溶存酸素量をさらにアップすると、有用バクテリアの増殖に効果があるように思えますし、稚魚の生育も良くなります。筆者は、エアレーション効果も兼ねて水作君は採用しています。水作君はブクブクを発生させる際に生じる水流で、周りの水を本体に吸い込み、本体内のスポンジで濾過を行なう仕組みです。このスポンジもバクテリアの温床になっています。

 それでは、2週間に1度の水換えを写真付きで見て行きます。



 まず、30cm水槽の全景ですね。温度計の左側の黒いのがサーモ付きヒーター。冬場は水温を23℃ていどに勝手に保ってくれます。ヒーターは可能であれば毎年買い換えてください。春先のそろそろヒーター要らないかな、って迷う時期にサーモが狂って魚たちが茹で死にするという事故が、筆者の水槽でも息子の部屋の水槽でも発生しています。ヒーターの故障は一夜にして魚を死滅させます。水温計は必須ではありませんが、ヒーターがちゃんと仕事しているかを見て安心することができます。この水温計は2つの磁石で水槽の外と内からガラスを挟み込むタイプで、よくある吸盤式のように吸盤が劣化して着かなくなるようなことがありません。
 緑なのが水草のレプリカ、その左のジャングルジムみたいなのは、サカサナマズたちの遊び場です。水草の後ろに水作君が2つ見えますか? そう、1つの水槽に2つも使ってます。ぶっちゃけると2つは必要ないと思いますが。濾過面積は大きいにこしたことはないと思うので……。
 右側の透明パイプが吊り下げフィルターの吸水ストレーナーです。フィルター本体は水槽の縁に引っかけてあり、水槽の外です。ストレーナーの吸水口は黒いスポンジが着いていて、餌とかを吸い込まないようになっています。



 水換えに必要なのは、でかいバケツ、15cmほどのプラケース(虫飼育用の使い古し)、洗浄ブラシ、水換え用クリーナーです。あと、タオルとか新聞とか台所で使うスポンジタワシなんかがあると完璧ですね。



 ますは、フィルター類、照明、ヒーターのスイッチを切り、水から引き上げます。水草やジャングルジムは水槽の水でササッとすすいでプラケースに入れておき、フィルター類はバケツに収容して水道のところへ運んで洗います。
 上の写真は、使用中の水作エイト2つ。左はモーターを内蔵し、立ち上げパイプから水を落とすタイプの水作エイトドライブ、右はエアーポンプにつないで使用するむかしながらの水作君。



 水作君をバラして中のスポンジを取り出します。2週間分の汚れと、発生した茶苔でコテコテです。これを新品のスポンジと交換すれば、水作君のメンテは完了です。



 最近の水作君は、スポンジコアの中心に活性炭入りのドラムが入っていて、濾過効果がアップしてます。活性炭の効果を期待するならこのドラムも2週間ごとに交換しますが、コストパフォーマンスを考えると、水洗いだけして半年は使い続けます。メーカーに怒られそうですが、活性炭の不純物吸着効果は2週間ですっかりなくなるものの、バクテリアの温床として有効です。



 水作エイトドライブの方には、活性炭ドラムの代わりに上の写真のような水中ポンプが入ります。水作ドライブのメンテは、水中ポンプ底部を外してその中のフィルタースポンジを洗浄することと、水を落とす立ち上げパイプを洗浄ブラシでゴシゴシ洗うことです。



 上の写真は、60cm水槽用上部フィルター用の交換マットです。安くてたっぷり6枚。これを水作君や吊り下げフィルターのスポンジに流用するとさらにコストパフォーマンスを向上させられます。



 60cm水槽用上部フィルター用の交換マットを1枚取り出し、3枚におろします。まず縦にハサミを入れて1cmくらいの細長いものを切り出します。次に残った部分を縦半分に切り分けます。切り分けたものが上の写真。



 1cmくらいにカットしたものは適当に巻いて吊り下げフィルターのマット代わりに使用し、残りを2分したものは、厚みが1cmほどあるので2つに割いて半分の厚みにします。



 1枚のマットから計4枚の厚さ5mmくらいの細長いマットが採れました。これが水作君用のフィルターマットになります。



 水作君のフィルターのコアに、上記で作った巻き付けて行きます。



 それらしくなりましたね。実際には、60cm水槽用上部フィルター用の交換マットでは少し長さが足りませんが、気にしてはいけません。これで交換用フィルターの購入代金がかなり節約できます。



 左の水作エイトドライブには、新品の正規スポンジを入れ、右の水作君には上記で自作したものを入れましたが、見た目にあまりちがいはないでしょ? 濾過効果も変わりません。



 上の写真は、水作君にエアを送るエアーポンプです。できれば静粛性の高いやつを選びましょう。筆者のように水槽と同室で寝る場合はとくに。



 GEXの投げ込み式フィルターです。機能は水作君とまったく同じですが、スポンジ交換が楽そうですし活性炭ドラムの使い勝手もよさげです。うちの水作君もずいぶんボロッちくなったので、今度使ってみようと思います。ちなみに吊り下げフィルターはGEX社のを使用してます。



 GEXの投げ込み式フィルターをバラしてみました。ちなみにこの方はロカボーイという名前なのだそうです。水作君よりも中身をいろいろレイアウトできそうですよ。



 吊り下げフィルターです。水槽の縁に引っかけてあります。GEX製です。GEX(ジェックス)は、水作社と並んで様々な鑑賞魚用品を開発している信頼できるメーカーです。このフィルターは長期間使用して故障しないし、水流の調整や、タンク内でのエアレーションが可能です。メンテナンスも楽ちんです。



 吊り下げフィルターのメンテは、吸水ストレーナーの洗浄です。本体は年に3回ほど洗えばよいでしょう。吸水ストレーナーはバラしてブラシで洗えますが、面倒ならこれも年に何回かでいいです。見た目の汚れは気にしたらキリないし。パイプがつまらなければ機能的に問題ありません。それよりも吸水口を覆う黒いスポンジを手揉みでしっかり洗います。これは毎回行ないます。



 吊り下げフィルターのタンクの中に、濾材をあれこれ詰め込みます。これはオリジナルのやり方で、メーカーは推奨していません。メーカーは専用のマットを2種用意していますが、筆者は適当にいろんな濾材を買ってきて、タンクにギューギュー詰めてます。写真中の左上のが本体に付属の正規交換用マットですが、これが古くなれば前述した60cm水槽用上部フィルター用の交換マットで代用できます。正規品にはスポンジ以外にも吸着剤なんかが入ってますが、それに頼らずとも別になにか買ってきて適当にタンクに詰めればいいと思います。
 濾材は小さなネットに入っているものが使いやすいです。ネットごと水洗いして何度でも使えます。写真中央の黒いのはネット入り活性炭。これだけは活性炭の効果を期待するなら毎回新品と交換します。バクテリアの温床として使うなら何度でも使えばいいです。



 そうそう、筆者の30cm水槽の上には金魚鉢が乗っかっていて、そこに巻き貝がいます。有名なレッドラムズホーンです。これも一緒に水換えしましょう。



 フィルターの掃除のついでに金魚鉢も水換えです。まずは金魚鉢の中身を取り出しますが、プラスチックのカップに土を入れて水草が植えてあのがそれです。あと、正味期限切れの炭とか。一部の貝たちも一緒に水揚げされますが気にしません。



 金魚鉢に残っているのは、大磯砂と残りの貝たち。と水。水を捨てます。その際にきめの細かいネットで水を受け、貝たちが一緒に流されるのを防ぎます。



 底砂が出てゆかないていどにほとんども水を捨てます。



 水道水を金魚鉢に勢い良く注ぎます。底砂が舞って、まだ残っている貝たちがゴミと一緒にクルクル回ります。捨てた水の温度は20℃くらい、水道から注いだ水は冬場は10℃以下。貝たちには過酷ですが、ダメージにはならないので気にしません。
 ゴミが舞っているうちにまた水を捨て、水道水を注ぎ、また捨てる。これを何回か、自分が気の済むまで繰り返し、最後は水を満たした状態で金魚鉢の水換えは完了です。



 先に取り出しておいて水草やそれにくっついていた貝たちを金魚鉢に戻し、排水を受けたネットに残った貝たちも戻します。写真の左隅にいるような小さな稚貝はゴミと見分けにくいので注意して拾ってあげましょう。次の水換えまでにはかなり成長しています。



 フィルターの清掃と貝たちの金魚鉢の水換えが終われば、自室に戻って水槽の水換えです。市販のクリーナーを使って、水槽内の水をバケツに吸い出します。クリーナーは吸水用のパイプと排水用のチューブをジョイントした単純構造のものでモーターなんか付いてませんが、排水を受けるバケツを水槽より下に置くことにより、その落差で水が吸い出されます。不思議です。



 写真では判りにくいかもですが、水と一緒に底砂とゴミが吸い上げられています。底砂は重いのでクリーナーのチューブを握って水流を弱めると落下し、ゴミだけが吸い出されます。底砂は有用バクテリアの温床なので触ってはいけないという専門家の意見もありますが、筆者は容赦なく底砂を吸い上げ、可能な限り中のゴミを吸い出します。
 底砂をゴミごと吸い上げて、チューブを握って底砂を落とす、を繰り返しながら水槽内の水を排水するのですが、水槽の片方の端から始めて順次反対側へ移動して行きます。吸い上げた底砂は作業を始めた端に落とすようにし、その部分に底砂の山を作ります。



 上の写真は、すっかり水を吸い取った状態です。左端から作業を始めたので、左側が底砂の山になり、右側は底砂がなくなって水槽の底が見えてます。この部分にわずかに残った水に、魚たちがひしめいています。左側の底砂の山は水面から大きく露出しています。
 排水作業の間の魚たちは水槽内で泳いでますから、ゴミや底砂と一緒に魚を吸わないように注意しましょう。



 排水後に残った水は深さにして3cmほど。クリーナーで吸い上げ可能な限界近くまで排水してしまいました。専門家の意見では、古い水に残ったバクテリアが再生できないから古い水は3分の1は残すのが良いそうですが、それで上手くいったためしがありません。古い水はおとんど捨ててしまえばいいです。



 バケツの古い水を捨て、そこに水道水を満たします。冬場は冷水をそのまま使うことはできません。温水が使える水道なら水温を調整して飼育水として使える温度にしてから水槽に注入しましょう。古い水を捨てる時に手で触ってその水温を把握しておき、注水する水温も手で計って調整します。温度計とか使わなくても適当でいいです。人の感覚がいい加減なせいで、水槽に残った水とかなりの温度差ができたとしても、魚へのダメージにはなりません。ただ、明らかに厚すぎる水を注ぐのは危険なので、感覚で計るのに自信がない場合は、バケツに水温計を突っ込んで20℃かその少し上あたりに調整します。
 むかしは水道水に消毒のための塩素が含まれており、それが魚にとっては致死量に達していましたが、今は水道局の浄水処理が改善され、水道水をそのまま使えるケースが多いです。塩素の心配の有無は地元の熱帯魚店や水道局問い合わせて確認しましょう。塩素の心配がある場合は、カルキ抜きなどの中和剤を使用します。中和剤は投入後すぐに塩素を塩素を中和し安全な水に変えてくれます。



 汲んできたバケツの水を、水槽に注ぎます。排水の時に作った底砂の山に向かって水を落とせば、魚たちに水流パンチをくらわせることがありません。水道にホースを連結し、シャワーで注水できるなら、バケツで水を運ぶ労が省けますし、水流パンチで魚をノックアウトする心配もありません。底砂の代わりにプラケースなどの受け皿を利用する方法もありますが、小さな水槽では使用が困難です。
 上の写真は、水を満たし、フィルターや水草のレプリカ等を元通りにした状態を水面から撮ったものですが、だからなに? って感じですか?



 吊り下げフィルターの本体(タンク)部分です。ネット入りの濾材が3つばかりつこんであります。本来このタンク部分には何も入ってなく、2種類の専用フィルターが装填されており、エアレーションが成されているのですが、このようにオリジナルレイアウトしたおかげでエアレーション機能は無駄になり、専用フィルターも1枚しか使えません。専用フィルターはタンクからゴミが水槽に戻るのを防ぐのに使っていますが、これが古くなれば安価な60cm水槽用上部フィルター用の交換マットを適当なサイズに切って、水をせき止める位置にねじ込んで流用します。安上がりだ。マットは水をせき止めるのが目的ではないですよ、ゴミの流入を防ぐためです、念のため。



 水換えが完了しました。今回は写真を撮りながらの水換えなので1時間ばかりかかりましたが、普段はもう少し短時間でできます。水換え直後はゴミがたくさん残っていたり、水自体が白濁して見えたりする場合がありますが、心配には及びません。水作君ご一同の濾過能力を信じましょう。バクテリアの繁殖が安定していない新しく仕立てた水槽では、水の白濁が数日続く場合もありますが、大丈夫です。気になるようなら、ネット入りの活性炭を水槽内に直接放り込んでも効果があります。
 夏場は水質の悪化が早いです。なので、水作君2つに吊り下げフィルターという3つ構えだと安心ですが、冬場はどれか1つでも良いでしょう。また、小さくて水量の少ない水槽ほど水の劣化も速く、劣化が始まると加速しますから、この例のようにあきれるほどたくさんフィルターを使うといいです。45cmや60cm水槽だからといってフィルターを5つも6つも使う必要はありません。大きな水槽なら、上部フィルターがていさいも良くてメンテナンスも簡単です。上部フィルターは、小水槽用の吊り下げフィルターとまったく同じ原理で、水槽の上に乗せるタイプで、濾過槽の容量が大きいというメリットがあります。ただ、吸水ストレーナーは1つで、水の循環に不安があるので、筆者なら水作君を1個追加しますけどね。

 60cm水槽で上部フィルターを使う場合も、あれこれ濾材を買ってきて追加すると楽しいです。楽しいだけでなく濾材の追加は、濾過面積をアップするので濾過効率の向上にもつながります。
 最近は、水換え不用をうたい文句にした魔法の濾材がいろいろ市販されていますが、筆者もいろいろ試してみたところ、水換え不用なんてものは存在しません。肝心なのは濾過効率の優れた濾材選びではありません。扱いやすく安価で洗って何度でも使えるものを選ぶ、これか肝心です。つぶつぶ濾材ならネットに入っていてササッと洗えるもの、入っていなければ女の子の足を包んでいるストッキングに投入してもれないように縛っておきます。これでストッキングごと洗えます。マット系の濾材なら安価で適当に切っていろいろ流用できるもの。
 交換用の濾材が高くつくから、フィルターの掃除が面倒で時間がかかるから、そんな理由で魚の飼育に飽きてしまう人は少なくありません。この問題点を解決することはひじょうに肝要です。

 濾過の他に、水質を維持するのに効果があるものに食塩があります。30cm水槽なら小さじ1杯くらいの食塩を水換えの度に入れておくと、病気の感染を防ぐ効果が期待できます。これはずいぶんむかしに会社の理髪師の女性に聞いた技です。彼女は鑑賞魚飼育のプロではないですが、長年金魚を上手に育てている方で、筆者はこの秘策に信頼をおいています。
 食塩は魚が実際に発病してしまった時にも効果を発揮します。30cm水槽なら大さじ山盛りくらいの食塩を入れても大丈夫です。コリドラス等のナマズ類は食塩に弱いと言われていますが、筆者の経験ではこの程度の量の食塩では平気でしたし、白点病なんかは早期改善ができ、治癒後は予防のために小さじ1杯の食塩を続けていました。
 尾ぐされ病や穴あき病といったもっと深刻な病気が発生した場合は、専門店に相談し、適切な薬剤の投与が必要になりますが、その場合は活性炭や吸着効果の高い濾材の使用は中止しないと、せっかくの薬剤成分が吸着されてしまいます。

 病気の原因、魚のストレスとなる亜硝酸円塩濃度の上昇、pHの低下、これらの防止を濾材や濾過装置に期待するのは誤りです。有害物質を中和する薬品、pHをコントロールする薬品、魚かの皮膚を守る薬剤、それらも水質の維持にはほとんど役に立ちません。pHが薬品によって制御できるのはきわめて一時的なものです。
 魚を健康的に長く飼育する秘訣は次の短い呪文に語り尽くされています。すなわち「水換えにまさる濾過は無し」

アリの飼育ケース

2014/03/20


 アリンコの飼育ケースを自作してみましたよ。現在クロナガアリの飼育に使用している「ありんこすぽっと」さんのオリジナル飼育ケースは、ひじょうに優れているのですが、各室を丸いチューブで連結してあり、それは固定されておらず、乱雑に扱うとすっぽ抜けてしまったりするんですよね。ふつうはそんな事故は起きませんが、本体を移動させる時に傾けて中で室がズレて、チューブが抜けそうになったことはあります。チューブが抜けるとアリンコたちの脱走事件が発生するので大変です。
 かといって、チューブを固定すると掃除等(あまりやりませんが)のメンテナンスがかなり面倒になり、かつまた室を増設するといった拡張性も失われるので、この飼育ケースについては現状がベストでしょう。
 また、すべての室を加水したマットの上に乗せて、アリの脅威になる乾燥を防ぐという工夫は、豊富なアリの飼育経験から生まれた成果ですね。ほんとすごいです。ただ、これも水量の加減と飼育ケースを置く環境の温度管理に不備があると、結露でアリたちを水没させてしまうという事態になり、経験浅薄な筆者は2度ほど、クロナガアリを水害の試練に合わせています。

 インターネットでいろんなサイトを覗いてみると、いろんな飼育ケースのアイディアが紹介されていて、その都度感心させられるばかりです。とにかくアリを透明なケースで飼おうという発想に、まず筆者は感服しています。いったいどなたがこんな素晴らしい思いつきを実現したのでしょう。今はアリは土がなくても透明で観察しやすいケースで長期的に飼育できるというのが定説になっていますが、最初に実行した方はすごいですね。

 今回、飼育ケースを自作するにあたって配慮した点は、小さなケースをたくさん並べてそれらを連結して使うタイプのものにするけれども、各室を個別に取り外して掃除や交換ができること、少々乱暴に扱っても全体のレイアウトがズレたり、連結が外れたりしないこと、室を増設するための拡張性があることです。
 そこで、市販のフタ付きのプラケースを、基盤にはめ込むタイプのものにしようと考えました。プラケースの4つの側面に穴を開けておけば、各室間をアリンコが自由に行き来できます。単にそれだけなら、ケースを密着して並べればよいわけですが、それだとケースを個別に取り外すことが難しくなりますから、個々のケースをはめ込むフレームが必要になりますが、そうなるとフレームの分だけ、ケースとケースの間に間隙を作ることになり、そこをどうするかが最も悩めるところとなるわけです。フレーム自体にも穴を開けておけば解決ではあるのですが、それだとケースを外した場合に、別室のアリたちが嬉しそうにゾロゾロ脱走しだすでしょう。で、フレームの通路の部分にシャッターを付けるということが必要になるわけです。シャッターには穴の空いたものと空いていないものを用意し、開いてないものを差し込めば、ケース間のアリの行き来をシャットアウトできるというわけです。



 上は、今回各室のために求めた透明プラケースです。サイズは50mm(w)×40mm(d)×15mm(h)くらいのもので、通販で1個50円もしなかったです。今回はこれを16個並べることにしました。20個買っておきました。あまりは汚れたり破損したりした時のための予備です。



 高回転のハンドドリルに、波板に穴を開けられるビットを付けて、プラケースの4側面に1つずつ穴を開けます。穴の位置は各面の中央、穴の下部が底面に接するくらいの位置にします。たくさん開けなきゃならないので、目分量です。だいたいです。穴のサイズは6.5mm径。その根拠は駅前のホームセンターで手に入ったビットのサイズがこれだったからです。これくらいの穴を開ければ、穴の位置が少々ずれたところでアリンコたちの移動にはさほど問題はないでしょう。



 これは金魚や熱帯魚の水換えに使うカルキ抜きです。ウソです。直径5mmのアクリル角棒を1cmの長さに切断したものです。逃げて行かないように袋に入れると、こんな絵柄になりました。基盤にプラケースを固定するためのフレームに使う部品ですって。



 30cm×20cmていどのアクリル板を基盤にしました。厚さは2mmを選びましたが、ケチらずにもう少し出費して3mmくらいはあった方がしっかりして良かったかもです。撮影のために白いウールマットの上に乗せています。透明ですが青い色が入ってます。本当は非透明の水色の板が欲しかったのですが、駅前のホームセンターにこれしか在庫がありませんでした。基盤は色付きがいいです。白だと卵や幼虫がめだちません。「ありんこすぽっと」さんの飼育ケースも、プラケースの下に敷く加水用マットが白なので、可能なら色付きのマットだといいなと思いました。色は水色がいちばんお勧めです。アリンコが引き立ちます。黒っぽいと卵や幼虫は目立ちますが、今度は成虫が見えにくくなります。
 基盤に、1cm長に刻んだ5mm角のアクリル棒を、写真のように並べ、アクリルボンドで固定します。作業は、プラケースを置いてそれに沿ってアクリル棒を並べて行けば効率的です。いちいち計って目印線を引いたりなんかしません。
 横置きにしたプラケースが4個×4段はめ込めるフレームが完成しました。フレームというよりステーって感じですか? 基盤の左側の空きスペースは餌場を置く場所ですよ。



 次にフレームにプラーケースをはめ込み、ケース間のすき間をシャッターで埋めます。黄色い矢印のところのくず餅みたいなのがシャッターです。シャッターというか溝埋めというか…。この部品には、「型思い」という工作用材を使用しました。「型思い」は商品名です。熱湯に付けると粘土状になり、冷めると固まります。本来は小さな部品に押しつけて型を取り、部品を量産するための用材ですが、この透明感が気に入って採用しました。またうまいこと筆者の家にあったんですよ、これ。
 「型思い」をば熱湯で柔らかくして適当なサイズにちぎって、ケースとケースの間に押し込めば完成。すぐに冷めて固まりますから、パテなんかよりはるかに使いやすいです。



 シャッターというか溝埋めというか…は、単体だとこんな感じ。このまま使用するとケースとケースの間隙は埋められますが、ケース間をアリンコが行き来できません。こいつに穴を開けねばなりません。プラケースに穴を開けるのに使用したツールが再活躍します。



 はい、穴あけました。くず餅みたいで美味そうだったものも、穴をあけると様子が変わりますね。すべてに穴を開けるのではなく、必要な分だけ考えて開けます。アリンコが行き来できるジョイントの役目をするものと、行く手をふさぐシャッターの役目をするものとを作っておきます。



 完成です。上から2段目の左端のケースからチューブを伸ばして餌場につないでいます。餌場は、いただきものを流用しましたが、本当ならこれもフレームで脱着可能にしたいところです。
 上から2段目左から2つめの室は、ウールマットでびっちり満たしています。アリンコたちは隣接する室からウールマットに触れることはできますが、ここに進入することはできません。この室のフタには1ヶ所穴を開けてます。そこからスポイト等で注水します。アリンコたちの飲み水ですね。



 アリンコたちを入れてみました。16室ありますが、行き来可能なのは水場を囲む8室だけです。最右列と最下段へは、シャッターで行けない区してあります。アリのコロニーが育って、働きアリが増えてきたら、これらの室を開放しようと思います。最初は室数を多くせず、徐々に増やして行く方が良いと、「ありんこすぽっと」さんのサイトに書いてありました。

 さてさて、作ってみたはいいものの、すごく気に入ったとは言いがたい出来です。とくにシャッターまたはジョイントが頼りないです。現状では、個々のケースを自在に取り外すにはけっこう難がありまして、「型思い」で適当に作った部品ではなく、もっとしっかりした使いやすいものを作らねばと考えています。プラケースを固定するフレーム自体を多重構造にして、必要に応じて穴の開いたシャッターと開いていないシャッターを差し替えるような構造が理想ですね。餌場も固定式にして、取り外して掃除する際に、連絡チューブを遮蔽できるようにすべきでしょう。餌場はよく汚れますから、しばしば水洗いが必要です。虫なんかを餌として与えるととくに汚れますし。
 と言うことで、まずは試作品ということで、笑って許してください。また機会があれば、もうちっとはマシなものを考えてみたいと思います。

昆虫ゼリーと熱帯魚フード

2014/05/17


 昆虫ゼリーを考えた人はすごいですね。もともとは人間が食べるオヤツの一口ゼリーで、同じ仕様のものがありました。それを昆虫の資料として応用して製造したものと思われますが、これがない頃は、砂糖水やハチミツを薄めたものを使ったり、野菜や果物を用いたり、いろいろ試行錯誤をしたものです。カブトムシやクワガタムシを飼うのもけっこう大変でした。
 筆者が子供の頃に飼っていたカブトムシのケージには、スイカの皮やトマト、母親が勝手に入れたナスなどがゴチャゴチャと散乱し、カビまみれコバエまみれになっていました。



 オオクワガタブームから火が付いた昆虫ブームで、おとなが虫の飼育をするようになってもう20年くらい経つのではないでしょうか、この人工飼料は本当に重宝します。



 樹液に集まるカブトムシやクワガタムシ、ハナムグリといった甲虫はもとより、花蜜を吸うカミキリムシ、チョウの仲間にも使用できます。



 キリギリスの仲間やコオロギ類のように水分補給のために植物質を食べる虫も昆虫ゼリーを食べてくれますし、センチコガネといった糞虫さえも、昆虫ゼリーでかなりの期間生かすことができました。



 とりあえず、何かしら虫を捕まえてきて餌に困ったら、昆虫ゼリーを与えてみると良いかもしれません。筆者はそうしています。水分補給だけを考えるなら、スポーツドリンクも有効ですけどね。水分+アフファの滋養供給ができますし。蝶の成虫はスポーツドリンクで飼えます。ただ、自分で飲んでくれない蝶もいますけど。



 ニホンヤモリやヒルヤモリ等も昆虫ゼリー大好きですね。とくにヒルヤモリはこれに目がない感じです。最近はクワガタムシのメスの滋養供給に高タンパクゼリーなんてのも普及していますが、これで動物質と同等の栄養が捕れるようになれば、ヒルヤモリは生き餌なしで飼えるんじゃないかなと思ってしまいます。高タンパクゼリーは、筆者はアオジタトカゲにも時々与えます。カップから中身を出して皿に入れておくと、もしゃもしゃとよく食べます。

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 熱帯魚の餌、カメの餌も昆虫の飼育に流用できます。スティックタイプの魚食魚用の餌は、ストックが容易で便利ですが、嗜好性という点では俄然フレークタイプですね。ただこれはキッチリと密封できる容器で保管しないとカビたりしやすいです。筆者は魚も飼っているのでこのフレーク餌が常にありますが、そうでなければお徳用サイズなんて買っても無駄になるだけです。



 キリギリスやスズムシも大好きです。これらの鳴く虫の飼育には野菜よりも動物質の餌が重要になります。煮干しやかつおぶしよりも嗜好性が良いです。



 ゴミムシやオサムシといった肉食昆虫にも、熱帯魚フードは利用できます。加水して与えると水分補給もできますし。カタツムリを主食とするマイマイカブリも筆者の経験では熱帯魚フードを食べてくれました。ついでに言うと、冷凍赤虫も熱帯魚の餌ですが、肉食昆虫に流用できます。



 これは、水ガメの餌です。いわゆるスティックタイプのドライフードですね。コオロギやゴキブリはこれを食べます。他の肉食昆虫も食べなくはないですが、いまいちお好みでないようです。



 このカラフルな人工飼料は、イグアナフードです。いろんな栄養素が配合された優れものです。甘い匂いがします。アリンコがよく食べてましたね。植物の種が主食のクロナガアリも水でふやかして与えると食べていました。



 これは、リザードフードといわれるものです。イグアナフードよりも動物質の含有量が多いものです。悲しいことに、コオロギやゴキブリ以外の昆虫にはあまり人気がありません。優れた餌なのに。

 ペット用の人工飼料というものは、いろんな生き物の飼育に流用できて便利です。外国産の甲虫類の幼虫を太らせるのに、ドッグフードを使う人もいます。ただ、こうした飼料はかわいらしいサイズのものがないので、大量養殖でもしていない限り使い切らないですよね。

 野山を歩いていて思いがけず面白い虫が手に入るなんてことはありがちなことです。長期飼育は目指さなくても生きている状態を少しでも長く観察しようという時に、昆虫ゼリーと熱帯魚フードのストックがあればとても役に立ちます。あるとき筆者は、熱帯魚の餌を常備したいために魚を飼っていると友人に話したことがあります。もちろん呆れられましたが、魚を飼っていると常にその餌が手元にあっていつでも虫に流用できるので便利であることはまちがいありません。

飲み水入れ

2014/05/20


 生き物の飼育において、飲み水の供給はひじょうに重要です。外温動物の場合は餌を長期間与えなくても飲み水があれば生きているくらいです。休眠する習性のある爬虫類では、半年間飲み水だけで過ごしていますし。
 ヘビやトカゲに飲み水を与えるには、水を張った入れ物を設置するだけで良いのですが、生き虫を食べる動物への給水はけっこう大変です。水入れに落ちた生き虫が溺死し、水入れに死骸がゾロゾロ浮いていたりするからです。ということは、小さな虫を飼うにも給水は大変だということです。
 野菜や昆虫ゼリーから水分を撮ってくれる虫は良いですが、そうでない場合はやっかいです。
 みなさん、虫に対してどのように水を与えているのでしょう。

 樹液食の甲虫類は、昆虫ゼリーだけで大丈夫ですね。同様に昆虫ゼリーを食べてくれる虫にはこれを与えれば良いです。
 スズムシやコオロギでは、水分の多い野菜を与えれば良いです。
 カマキリやキリギリスには、時折スプレーして水を与えます。筆者はサソリもスプレーで与えています。水皿を用意しても埋めてしまったりしますし、深い水皿では飲めないし。
 小さなクモや巣を張るクモもやはりスプレーですね。
 ヤモリの仲間では、ランドゲッコーと壁チョロでは事情が異なり、前者は比較的水皿から飲んでくれますが、壁チョロは水皿の水を認識できないものが少なくありません。これらに対してもスプレーするしかありません。水入れとスプレーの2系統も有効ですね。
 ランドゲッコーやタランチュラには、水皿を常設してやっていますが、水皿はいつも生き虫の溺死体でいっぱいです。ムカつきます。あまり深い容器だと、飼育動物自体が水を飲めないようですし。

 その悩みを解決してくれたのが、名古屋の有名店ペポニさんで求めた水入れです。あのお店のオリジナル商品です。タッパーのフタの中央にスリットを設けてあり、そこに包帯が挿入してあります。飼育動物は、浸透圧で包帯が吸い上げた水を飲むわけですが、そのうち包帯が汚れたりかじられてボロボロになったりすると、傷んだ部分を切除すれば良いわけです。かなりの長さの包帯がタッパーの中で水に使っているので、古くなった部分は切除して、新しい部分を引っ張りだします。これは素晴らしいです。
 筆者はこれまで、レッドローチの飼育に水を入れたタッパーに溺死防止のスポンジを浮かべて給水していました。それだと、水に浸かった虫たちが歩き回るせいか、ケージ内がすぐにドロドロになってしまったものです。ところが、このペポニ式水入れを使用するようになってからは、ケージ内がきれいな状態が長く続くようになり、とても助かりました。
 しかしながら、爆発的に繁殖するゴキブリたちは、包帯をすぐにボロボロにしてしまいます。包帯の消耗が激しすぎるのです。

 そこで筆者が考案したのが、以下のような給水器です。考案したといってもペポニ式に工夫を加えただけです。



 タッパーのフタの中央に、大きめのスリットを開けます。今回は1cm×4cmというサイズにしました。ここに熱帯魚のフィルターに使用するウールマットを突っ込みます。ウールマットのサイズは4×4cm×厚み15mmです。きっちりじゃなくていいです。適当です。



 タッパーにいっぱいいっぱいまで注水してフタをし、スリットにウールマットを突っ込みます。ウールマットの上部が数ミリ露出しているていどがいいですね。
 この給水器では、ウールマットが水洗いするだけで3ヶ月くらい余裕でもちました。同等のサイズに切った交換用ウールマットをたくさん用意しておいたのですが、全然使っていません。
 レッドローチへの給水の問題はこれで解決です。

 そしてさらに、タランチュラやヒョウモントカゲモドキにもこれを使用してみました。餌である生き虫が、飲み水で溺死するというイヤな出来事も解決です。
 ただ、この給水器を飼育動物が飲み水であると認識してくれるかどうかが問題です。そこで、設置する際に上の写真のように水がフタの上にあふれている状態にしておきます。
 フトアゴヒゲトカゲやシュナイダースキンクは、すぐにこれを飲み水として認識しました。ただ、フトアゴ君の場合は、同居者のエジプトトゲオアガマが蹴っ飛ばしてひっくり返し、ついでに埋めてしまいましたけど。なにするんじゃい。
 チョウにスポーツドリンクを与えるのにも応用できると良いのですが。ただし、スポーツドリンクを使用すると、スポンジがすぐに黒カビまみれになります。2日おきくらいの交換が必要です。

大人の虫かご

2014/05/29


 昆虫マニアの大人たちは、昆虫少年のような大そうな虫かごを持ち歩くのは恥ずかしいので、いつでも携帯できて、どこにでも隠せるものを持ち歩きます。これは大人な昆虫愛好家にとっては当たり前の話しなので、知ってる人は読んでも仕方ないです。



 ピルケースです。約10cm×8cm厚みが3cmほどの手のひらサイズです。カバンでもポケットでも好きなところに忍ばせて常時持ち歩けます。3つばかり穴が開いていますが、ドライバーセットなんかについてるキリみたいなやつでササッと開けました。



 裏側はこんな感じ。左下の4穴は小さくしてますが、これは2mmていどの穴だと脱走の可能性があるような微細な虫用です。穴はもちろん通気孔です。蒸れると虫が死んでしまいますゆえ。



 ケースの側面にも穴を開けておきました。通気孔はふつう1つでも良いらしいのですが、なんらかの理由でふさがると予備がないので不安です。



 このピルケースは、2つ折りタイプで、開くとこのように上に1つ、下に4つの個室があります。合計5つの個室付きです。



 個室の1つにエンマコガネ投入。この虫にとってはこれで広々サイズですね。水をたっぷり含ませたティッシュを入れておくと、虫を長く生かすことができます。ティッシュは水分補給と足場を兼ねます。ティッシュは固定していないのでこれが動いて通気孔を塞ぐこともありますから、やっぱ通気孔はいくつか開けておくのがよいです。



 小さな虫なら、かなりの個体数をこれでお持ち帰りできますね。肉食性の種は1頭ずつ隔離します。白い部分の大部屋なら、中程度のクワガタムシくらいまで収容できますよ。
 小部屋の1ヶ所に常に加水したティッシュを入れておけば、思いがけず美味しそうな虫と出くわしても大丈夫。大きな虫を持ちかえる予定のない方は、上の大部屋を道具入れにして、ここにティッシュ、ミニピンセット、ミニルーペ、醤油注ぎに入れた水なんかを収納しておくと、とても"らしく"て気分も向上しますね。

 大人はこういう虫かごを常に持ち物の中に潜ませているのです。街行く人たちの、一見カタブツそうなオジサンも、じつはこういうのを2個くらいカバンの中に忍ばせているものです。
 だから、お子たちにあっても、お父ちゃんのお薬入れの中に虫がうごめいていたとしても愕然としてはいけないのです。
 将来的には、デジカメ機能(顕微鏡機能付き)を備えた大人の虫かごが市販されるでしょう。それどころか、ネットにアクセスして虫検索が閲覧できる機能も搭載するかも。
 チョウやトンボはどうするねん、カマキリはいけるのか? 水棲昆虫はどや? なんてヤボなことを言ってはいけまへん。それは言いがかりというものです。そういうのを持ちかえる場合には、ご大層にして目立ちまくるプラケースをご準備ください。
 筆者の存じあげるある女性は、同等サイズのタッパーで、数種類のゾウムシを長期飼育してらっしゃいましたし、コガネの幼虫を持ちかえるとて、常に昆虫マットを詰めている人もいらっしゃいました。昆虫ゼリーを常時携帯する人とかも。
 カバンの下半分が昆虫ワンダーランドになってるなんて人も、きっといるのでしょうね。すごいですね。

温室での生き物の管理

2015/03/22


 爬虫類や両生類を飼育している人たちは、生き物に応じた飼育温度の管理をどのように行なっているのでしょう。日本産あるいは北米産の動物であれば、常温で管理し、冬場は冬眠させることも可能ですが、東南アジアやアフリカの生き物はそうは行きません。冬場は暖房しないと死んでしまいます。
 以前は、玄関の中に植物用の四角いガラス温室を収容して、その中で生き物を飼育していましたが、現在の住まいに引っ越す際に、駐車スペースの奥のところに約1.5畳のハウス型の温室を立ててもらい、その中に生き物たちを収容しました。



 この温室ももう11年ばかり使っています。温室内に電源と水道を引いて、小さな流し台もあります。家の北東方向にあるので、夏場はあまり日が当たらず、冬場は午前中を中心に日が当たります。これはなかなか良い立地です。それでも専用の黒いシェードで年中覆っています。写真で見えている面だけは覆いがありません。
 夏場対策としては、温度センサーで動作する換気扇と、屋根の一部が手動で開放できるようになっています。天窓を温度センサーと連動して自動開閉する装置もありますが、そこまでは設置していません。この状態で夏場は温室の上部が35℃からそれ以上になるので、暑さに弱い生き物は下の方に置くようにしています。



 問題は冬場ですが、温室専用の石油ストーブを最初使用していました。温室の比較的上の方に設置し、過熱した空気をホースで温室の下部に放出します。



 石油ストーブのコントローラーです。温度調節ダイヤルに温度表示がないので、実際の温室の温度を計って調節するしかありません。温度表示があったとしても、温室全体を一定の温度にするのは不可能なのであまり意味がありません。



 温室の底部にある噴出し口。ここから温風が放出されます。ストーブが上層の暖かい空気を吸い込み、ここから温風が出ることで空気の対流を作り、温室内の温度を一定に近づけるという理屈ですが、なかなかそううまくはゆきません。温風の噴出し口付近を除き、どうしても温室の下部は低温になります。
 夏場、ストーブを使用しないうちに、この中にクモが巣を作ったりすると、安全装置が働きストーブが点火しません、かなり面倒です。使用しない季節はここにフタをしておかねばなりません。



 温室外に設置してある石油タンク。80リットルほどの容量があります。月に2回ていど給油していました。最近はあまり見かけませんが、数年前までは石油販売のトラックがよく回ってきました。



 油量計。使用しない季節、タンクを空にしておくと底の方に水が溜まり、これが原因でストーブが点火しなくなります。不便だ。実際、何度か点火不良に見まわれ、業者に来てもらいました。



 ストーブ本体の写真にあった換気扇の外側。雨を防ぐフードがあります。その上にある丸い装置は、煙突です。ストーブ内の汚れた空気をここから放出します。日よけのシェードがこの部分だけ切り取られてあります。

 石油ストーブは、ランニングコスト面では優れているのですが、給油が面倒なうえ故障が多く、さらに温室内の空気をかなり汚していたようです。石油ストーブ使用中は、生き物がよく突然死しました。植物の栽培には問題なくても、小動物には健康被害が大きいようです。ということで、石油ストーブはお勧めできないです。



 そこで数年前からは、電気温風機を使用しています。2000wの大容量のものです。容量に余裕がある方が保温効率が良いです。しかし電源に 3相200V が必要になり家庭用100Vとはべつに、200Vの電源を新設しなければなりません。電圧が大きい方が省エネにもなります。



 ながーいビニールのダクトがついてます。天井付近に吊り下げた温風機から噴出される温風が、温室の床にまで届きます。この電気ストーブは、温風機という名称のことだけはあって、温室内の空気の循環効率はなかなかです。温室の上部に集まる高温の空気をダクトで温室の底部まで一気に送り、理想的な対流を作ります。
 筆者は、この対流効果をいっそう良くするために2機の温風機を稼働させています。万一、1機が故障しても大丈夫です。ちなみに、1.5畳ていどの温室であれば、1機でも充分温めてくれます。



 温風機の温度センサーは、温室内の低い位置に取り付けます。



 ビニールのダクト内を高熱の空気が通るので、ダクトの劣化は激しいです。1シーズンくらいは充分にもちますが。このように破損してしまった場合は、専用ダクトを発注するとけっこう高いので、ホームセンター等で、厚手のポリ袋を買ってきて自作します。
 ダクトは、床面から20cmていどまで伸ばします。それより長くすると、ダクト内が高温になり過ぎて、安全装置が働き、ヒーターが止まってしまうことがあります。

 電気温風機は、空気も汚さないしメンテも不要だし、たいへん便利です。ただ、電気代がべらぼうに高いです。最近は、1〜3月は温室内を18℃くらいに保ち、電気代を節約しています。25℃設定のときよりも3万円くらい浮きます。この程度の低音であれば、東南アジアやアフリカの生き物もなんとか耐えれます。餌はあまり食べなくなるので3週間おきくらいの給餌にとどめます。餌代も浮きますね。
 アオジタトカゲのような種ではお腹が冷えすぎてコンディションを崩しそうなので、フィルムタイプのヒーターをケージの下に敷いています。また、未成熟の幼体がいる場合もフィルムヒーター等を用いて、そのケージだけ少し高温になるようにしてやります。
 4月上旬から設定温度を25℃に戻します。そのうち暖房の要らない季節になり、生き物たちは繁殖シーズンを迎えます。

 というわけで、植物栽培用の石油ストーブは、残念ながら動物の飼育には適していなかったです。ただ、それに合わせて設置した温度センサー付の換気扇は今でもひじょうに役に立っています。
 また、電気温風機は、夏場の温室上部の高温を緩和するために送風機としても使用できます。

雑草抜きと肥料散布

2015/05/27


 25日に、花壇の雑草をせっせと抜いて、肥料を巻きました。年によって大量発生する雑草の種類が異なるのですが、今年はカラスノエンドウ、ヒメジョオン、ハハコグサがよく目立ちました。去年はヒメオドリコソウが、その前はエノコログサが多かったのですが。カタバミとセイタカアワダチソウはレギュラー的存在で、毎年それなりにいます。
 あと、ケンタッキカーネルミントが庭から逸出して玉砂利のところでツクツク生えていたので、それらは引っこ抜きました。今年のケンタはかなり頑張りよりまして、花壇内でも勢力範囲を拡大しつつあります。増え放題の植物ですね。他の植物のためにも、必要以上に増えた苗は抜いてしまいましょう。手がひじょうにハーブくさいです。
 逸出組としましては、ホワイトベリー、コバナノランタナ、ムスカリも見られますが、規模的に小さいので無視しておきましょう。



 肥料はコレ。毎年同じものです。毎年今自分に撒きます。年に1度です。1袋使い切ります。



 成分表はこんな感じ。極一般的な肥料です。



 中身はこんな感じ。これを適当にパラパラと散布して終わりです。あとは雨や散水によって地中に養分が染み込んでゆくはずです。

 ほんとうならたまには土を入れ替えたり、追加したりするのが良いのでしょうが、それは面倒なのでごめんです。ときおり、クワガタムシやコガネムシ類の幼虫の飼育に用いたマットなんぞを撒いてやることがあります。裏庭のエノキ、アカガシ、ヨモギを植えているところにはかなり大量のマットの使い古しを投入し、そのせいかヨモギが巨大化しました。

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