恐竜博物館
2015年8月15日。福井県勝山市にある「福井県立恐竜博物館」に行ってまいりました。筆者にとって福井県は、両親や嫁さんの生家があり、息子も福井の病院で生まれ、かく言う筆者も大阪生まれではあるものの子供の頃は夏休みともなれば田舎に入りびたりで、今でも家庭内では福井弁が標準語というゆかりの地であります。正直生まれ育った大阪よりもずっと馴染みのある場所なんですね。大阪はヲタクの聖地日本橋以外はけっきょく馴染めないまま老齢に至りました。現在は兵庫県の山中に居住し、企業定年後は身近な能勢の山をせっせと攻略しようかとか企んでいる次第です。
福井県勝山市の山中では、フクイリュウやキタダニリュウの呼称で知られるご当地恐竜がゴロゴロ発掘されているわけですが、なんで福井にばかり恐竜化石が集中しているのでしょう。うちのご近所の能勢の山には恐竜は埋まってないのでしょうか。ライオンやゾウさんも腰を抜かすような大型獣が、福井県にだけこじんまりと集中して生息していたわけではないはずです。……などと不平を言ってもどうにもならないのですが。
もちろん、日本の恐竜たちがここいらだけに固まっていたというわけではございませんで、ジュラ紀のおいしい地層がデデーンと露出している立地が、古生物学者にとって日本一ってことなんですけどね。
恐竜の発掘現場には嫁さんの実家から車で30分もあれば到着します。勝山市全域が、恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークに指定されています、なんで"ふくい"が平仮名なのかは知りませんが。
そして2000年に県立恐竜博物館が完成し、その周囲は恐竜発掘体験やら動く恐竜の棲む森ディノパークやらがある、かつやま恐竜の森になっています。
恐竜さんたちがいなさらなくても、ここは昆虫の宝庫でして筆者にとってはむかしからワンダーランドであったわけですが、今ではレジャー施設が充実し、ずいぶんにぎやかになりました。九頭竜川の上流に位置し、近くには活火山である白山がある秘境の自然が開発によって損なわれるのではないかが心配です。
そして折しも恐竜を現代に蘇らせた映画「ジュラシック・ワールド」が公開中ということで、秘境はますます脚光を浴びているようです。
現在筆者は、陸棲哺乳類の進化について別に執筆中でして、絶滅動物たちの種々に標本について、じっくり見て回りたかったわけですが、館内には子供たちもたくさん来ていて、あたかもポケモンやらモンハンを見に来たノリで大はしゃぎしています。架空の怪獣たちと、この地に実際にいた巨大動物たちの痕跡と、少年少女たちにとってはどっちがロマンティックなんでしょうね。日頃はゲーム機器であるスマホを撮影機器に換え、骨格標本や動く恐竜模型に熱い視線を送っている彼らの瞳には、遠大な時を超えて蘇った動物たちの姿がどのように映っているのでしょう。
恐竜の森に近づくにつれて、道路わきには何やら骨みたいなものがゴロゴロ転がっていたりします。
園内はマンホールのフタもこんな感じです。
これ、持って帰ったら怒られるでしょうね。
コイのぼりならぬ恐竜のぼり。
すてきな表札です。
全長33mのエスカレーターで一気に地下展示場まで降下し、そこから上階を目指しながら見学します。
館内には化石や骨格標本のみならず、緻密な動きを見せる動く等身大模型もたくさん展示されています。
恐竜の骨格化石。魚の骨に比べるといささか大きいです。
予想を上回る数の骨格標本が展示されていました。
合衆国やカナダ、中国といった古生物先進国の博物館と姉妹提携しているので、外国で発掘された標本も豊富です。
恐竜バスだぁ。電車で当地へお越しの方は、勝山駅からこれに乗れます。テンションあがりますね。
フクイティタン号。なんか見てて恥ずかしいですけど。フクイティタンは福井の巨人の意味にして、ここで発掘された大型竜脚類の名前でもあります。
なんか1匹逃げてますって。園内随所にこうしたリアルオブジェがあります。
恐竜博物館遠景。シンプルだぁ。よく恐竜の卵とか言われますけど、生物の卵は構造上ダチョウのそれが大きさの限界に近いそうですよ。巨大な竜脚類がもしも産卵していたら、彼女にとって卵は米粒ていどのものになってしまいます。
さて、恐竜博物館とは申しましても恐竜の化石だけを展示しているわけではありません。アンモナイトや三葉虫、マンモス、猿人といった数々の絶滅動物が展示してありました。恐竜のみにとくにこだわった施設ではないんですね。そこは一応県立の自然史博物館ですから、学術的に重要な展示がなされているわけです。恐竜は言わば客寄せパンダでもあるわけです。恐竜の魅力に誘われてここを訪れ、絶滅動物のいろんなことを知って帰ってもらう、それがここの重要な役割ですね。
また、ご承知の方も多いと思いますが、学術的な定義では恐竜は爬虫綱中の竜盤目と鳥盤目の2つを含む恐竜上目の仲間ということになり、空飛ぶ翼竜も海に棲む首長竜も魚竜も、竜にして恐竜にあらず。恐竜博物館の恐竜はじつは展示の一部なんですね。筆者のようなアマチュアにとっては、中生代の温暖な気候に特化した大型爬虫類ということで、竜たちはみんな恐竜でいいと思うんですけどね。
福井県勝山市の山中では、フクイリュウやキタダニリュウの呼称で知られるご当地恐竜がゴロゴロ発掘されているわけですが、なんで福井にばかり恐竜化石が集中しているのでしょう。うちのご近所の能勢の山には恐竜は埋まってないのでしょうか。ライオンやゾウさんも腰を抜かすような大型獣が、福井県にだけこじんまりと集中して生息していたわけではないはずです。……などと不平を言ってもどうにもならないのですが。
もちろん、日本の恐竜たちがここいらだけに固まっていたというわけではございませんで、ジュラ紀のおいしい地層がデデーンと露出している立地が、古生物学者にとって日本一ってことなんですけどね。
恐竜の発掘現場には嫁さんの実家から車で30分もあれば到着します。勝山市全域が、恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークに指定されています、なんで"ふくい"が平仮名なのかは知りませんが。
そして2000年に県立恐竜博物館が完成し、その周囲は恐竜発掘体験やら動く恐竜の棲む森ディノパークやらがある、かつやま恐竜の森になっています。
恐竜さんたちがいなさらなくても、ここは昆虫の宝庫でして筆者にとってはむかしからワンダーランドであったわけですが、今ではレジャー施設が充実し、ずいぶんにぎやかになりました。九頭竜川の上流に位置し、近くには活火山である白山がある秘境の自然が開発によって損なわれるのではないかが心配です。
そして折しも恐竜を現代に蘇らせた映画「ジュラシック・ワールド」が公開中ということで、秘境はますます脚光を浴びているようです。
現在筆者は、陸棲哺乳類の進化について別に執筆中でして、絶滅動物たちの種々に標本について、じっくり見て回りたかったわけですが、館内には子供たちもたくさん来ていて、あたかもポケモンやらモンハンを見に来たノリで大はしゃぎしています。架空の怪獣たちと、この地に実際にいた巨大動物たちの痕跡と、少年少女たちにとってはどっちがロマンティックなんでしょうね。日頃はゲーム機器であるスマホを撮影機器に換え、骨格標本や動く恐竜模型に熱い視線を送っている彼らの瞳には、遠大な時を超えて蘇った動物たちの姿がどのように映っているのでしょう。
恐竜の森に近づくにつれて、道路わきには何やら骨みたいなものがゴロゴロ転がっていたりします。
園内はマンホールのフタもこんな感じです。
これ、持って帰ったら怒られるでしょうね。
コイのぼりならぬ恐竜のぼり。
すてきな表札です。
全長33mのエスカレーターで一気に地下展示場まで降下し、そこから上階を目指しながら見学します。
館内には化石や骨格標本のみならず、緻密な動きを見せる動く等身大模型もたくさん展示されています。
恐竜の骨格化石。魚の骨に比べるといささか大きいです。
予想を上回る数の骨格標本が展示されていました。
合衆国やカナダ、中国といった古生物先進国の博物館と姉妹提携しているので、外国で発掘された標本も豊富です。
恐竜バスだぁ。電車で当地へお越しの方は、勝山駅からこれに乗れます。テンションあがりますね。
フクイティタン号。なんか見てて恥ずかしいですけど。フクイティタンは福井の巨人の意味にして、ここで発掘された大型竜脚類の名前でもあります。
なんか1匹逃げてますって。園内随所にこうしたリアルオブジェがあります。
恐竜博物館遠景。シンプルだぁ。よく恐竜の卵とか言われますけど、生物の卵は構造上ダチョウのそれが大きさの限界に近いそうですよ。巨大な竜脚類がもしも産卵していたら、彼女にとって卵は米粒ていどのものになってしまいます。
さて、恐竜博物館とは申しましても恐竜の化石だけを展示しているわけではありません。アンモナイトや三葉虫、マンモス、猿人といった数々の絶滅動物が展示してありました。恐竜のみにとくにこだわった施設ではないんですね。そこは一応県立の自然史博物館ですから、学術的に重要な展示がなされているわけです。恐竜は言わば客寄せパンダでもあるわけです。恐竜の魅力に誘われてここを訪れ、絶滅動物のいろんなことを知って帰ってもらう、それがここの重要な役割ですね。
また、ご承知の方も多いと思いますが、学術的な定義では恐竜は爬虫綱中の竜盤目と鳥盤目の2つを含む恐竜上目の仲間ということになり、空飛ぶ翼竜も海に棲む首長竜も魚竜も、竜にして恐竜にあらず。恐竜博物館の恐竜はじつは展示の一部なんですね。筆者のようなアマチュアにとっては、中生代の温暖な気候に特化した大型爬虫類ということで、竜たちはみんな恐竜でいいと思うんですけどね。