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トラペコ産卵

2013/09/24


 筆者はこれまで、コーンスネークがヘビ飼育の入門編であるといったことを折に触れ述べてまいりましたが、じつはコーンスネークに噛まれた経験はかなりの回数になります。しかも充分に慣れて人を見ると寄ってくるような個体にしばしば噛まれています。コーンスネークはそれほど俊敏ではなくたいへん扱いやすいヘビなのではありますが、元気な個体はけっこう暴れん坊だったりしますし、神経質な個体はハンドリングできるようになってからも、しばらく間が開くと怖がって逃げようとします。まったく問題なくハンドリングできるようにするには、頻繁にかまってやる必要があります。
 マウスを与えようとしてケージのフタを開けたとたんに、飛び出してきたコーンスネークに何度噛まれたことか。マウスの匂いをプンプンさせた飼育者の指の方が、マウス本体よりも美味そうに思えるんでしょうね。ヘビは人の体温を感じ取りますから、匂いと体温を伴った人の指は、ご馳走そのものです。人の手でヘビにマウスを与える時は、丈の長いピンセットでマウスをヘビの鼻先に近づけ、自分の指を守らなければなりません。
 で、今回はトラペコのお話しなのですが、正しくはトランスペコラットスネークというこのヘビは、コーンスネークよりもおっとりしていて安全です。雌雄ペアでの飼育にも適していてけんかになることもありません。ラットスネークと名のつくものにはアグレッシブなやつが多い気がするのですが、こいつは番外です。けっして飛びついて来ないし、触ってもまったく警戒しません。されるがままです。じつは筆者がこのヘビに出会ったのが2年ほど前のことで、最初にメスを入手しそのあとオスを手に入れて同居させているのですが、雌雄とも本当におっとりしていて神経質なところがありません。この扱いやすさにはコーンスネークもかなわないでしょう。
 ただ、コーンスネークよりもいささか入手が困難であるうえに、初めて飼うヘビがこいつではちっともヘビの取り扱いに慣れないと思われるので、やはり入門編はコーンスネークを推します。
 そして去年の夏、このトラペコ君のベビーがめでたく誕生しました。自然孵化でした。雌雄を同居させておいたら勝手に産卵し、いつの間にか幼蛇が孵化していたという、飼育者の怠慢を指摘されそうな出来事でした。あるときケージを覗くと、ミニマムなトラペコがニョーッと首を出したのでビックリ仰天してケージの中をよく調べ、4頭の幼蛇を見つけたという次第です。空になった卵も4つでした。ウエットシェルターをあらかじめ用意しておいてよかったです。これがなければ、卵は乾燥に耐えられずに死去していたでしょう。
 この経験で判ったことは、ヘビの卵はそこそこの乾燥には耐えられるってことです。卵を親から隔離して管理する人工孵化では、かなりの高湿を保ちますが、今回のウェットシェルターは、こまめに管理していなかったので中のミズゴケがかなり乾いていました。

 さて、このトラペコ君のベビ太たち。親にも似せず超神経質で、人の気配がすると猛然と飛びかかってきます。そのアグレッシブぶりはラットスネークらしいと言えばそうで、コーンスネークでは見られない荒々しさです。これじゃ初心者には手に負えないでしょう。それまで成蛇しか見たことがなかったので、トラペコも最初から温和ってわけではなく、人に飼われて学習するのだってことを思い知りました。
 トラペコ君は、コーンより餌づけが困難です。ここも入門編に推せない理由の1つです。人を見ると寄ってくるほどに慣れるのに、人の手から餌をもらうようにはなかなかなりません。筆者が飼育中の成蛇ペアもいまだに置き餌している状態です。マウスを置いてやっても人が近くにいるとマウスを無視してこちらに寄ってきます。なんなんでしょうね。
 なので当然、幼蛇もマウスを食べてはくれません。野生では幼蛇は外温動物食でしょうしね。というわけで面倒な強制給餌をかなり長い期間続けなければなりません。人に慣れて飛びついて来なくなり、置き餌をコンスタントに食べるようになるのに丸々1年かかります。また、幼蛇は飲み水を覚えるのもなかなかです。狭い容器に大きな水入れを入れてやらないと、飲み水を見つけられずに脱水死します。けっこう簡単に死んでしまいます。じつは去年、脱水で2頭を死なせてしまいました。幼蛇には大きな水入れを用意するほか、霧吹きで頭に水をかけてやるのも有効です。ただ、これも最初は嫌がります。

 そして今年の8月23日、去年に続いて2度目の産卵がありました。トラペコの卵はコーンに比べるとかなり大きく、生まれる幼蛇も大きいのでマウスのSサイズを始めから飲めるので楽です。今回の産卵数は5つ。発見したときには、メスがまだシェルターの中にいました。抱卵しているというより卵の周りにとぐろを巻いているって感じでした。メスをシェルターから出して、卵を隔離しました。メスは卵から引き離されても無抵抗でした。シェルターをケージから取り除き、数日後に給餌すると、メスはすぐに採餌しました。
 今からだと、孵化は秋になりますが、また強制給餌で忙しくなります。無事に生まれればの話しですが。


 ↑ 産卵直後のトランスペコラットスネークのメスと卵


 ↑ コーンスネークの卵(右群)との比較。コーンの卵は産卵後60日を経てずいぶん膨らんだもの。それと比べてもトランスペコラットスネークの卵は大きい。しかも産卵直後の卵だ。

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