タイガーセンチピードsp
2014/10/22
2002年に岡山県の有名店で入手したアフリカ産のムカデです。お店も入荷は初めてということで、アフリカ産のタイガーセンチビードの仲間ということしか判っていないとのことでした。また、タイガーセンチビードというものがなんだか曖昧で、アジアやアメリカにもタイガーの名がつくオオムカデが存在するようです。獰猛なムカデを称してタイガーと呼んでいるのでしょうか。大きさは15〜20cmていどのものが主流で、中には30cm近くになるものもあるようです。
入手した個体は、10cmていどでした。まだまだ大きくなるのかこれで成熟しているのか、一切が不明です。とにかく獰猛なので取り扱いには細心の注意で望んでくれ、というのがお店の忠告でした。ムカデに比べるとタランチュラなど温厚なもんだ、そうです。
胴部は青黒く、肢や触角も青く染まっています。形態は日本のトビズムカデと同じようなものですが、青いというところがひじょうに個性的です。
餌として与えたジャンボミルワームを捕獲しました。堅牢な檻のように獲物を包み込み、毒牙が食い込みます。捕食の様子は確かに獰猛ですが、飼育者にも猛然と向かってくるようなことはありませんでした。
一緒に入手した別の個体です。上述したものはウガンダ産、こちらはタンザニア産とのことでした。同じ種類かあるいは地域亜種の関係にあるのかもしれません。見た目ではタンザニア産の方が、頭部がやや赤いようですが、これは単に個体差かもしれません。
そしてもう1頭。頭部がかなり黒っぽい個体です。タンザニア産のものと同種で、こちらがメスだろうとのことでした。
お食事風景ふたたび。ムカデは多足類の仲間では進化的にひじょうに成功した仲間だと思います。多数の肢は、平面上をかなり速く走ることができますし、複雑な地形を踏破するのにも向いています。獲物を捕らえる際にも、こうして目標をガッチリとホールドするのに大いに役立ちます。育児中のメスは肢をかごのようにして卵や幼虫を長期間保護します。毒を分泌する大腮は、獲物の抵抗を封じるのにも、敵の撃退にも役立ちます。ヘビの仲間において有毒のコブラやクサリヘビの仲間が進化的
であることと似ていると思いました。
ムカデの飼育は、あらゆる毒虫の管理の中でもっとも危険であるとよく言われます。筆者はこれまでに何種類かのムカデを飼ってまいりましたが、それほど危険を感じたことはありません。棒で突つこうとすると、あっという間にその棒を登ってきて噛まれるとか、ケージのフタの裏側にくっついていて、開けようとした時に気づかずに噛まれるといった事故はあるようです。中には飛びついてくるようなケースもあるとも聞きますが、筆者は経験したことがないです。危なかったのは、姿が見えないのでケージ内を探していて、シェルターを持ち上げるとその裏側にくっついていて襲われそうになった時くらいですか。
ムカデは正直言って、それほど興味深い生き物でもないですね。形態的にもどれも似たような感じで、色合いがちがうていどですし。でも中には40cm級という法外なムカデがいるそうです。そういうのは飼ってみたいですね。プラスティックのフタていどでは食い破られそうですが。