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情報の流れ(3)
流動的な答え


 インタネットの充実により、情報の発信と取得が自由自在になった現代社会において、情報の伝わり方によって、物事の真実がゆがめられたり、思わぬ方向に傾倒したりといったことは、きわめてありがちなことです。しかしながら、これは何も情報化社会とも言われるネットが整備された時代の話しではなく、むかしから情報というものは真実をゆがめ、傾向と流行を産み、人々を右往左往させて来たのです。ただ、現代は短い時間に大量の情報が広範囲に広がり、そのことが人々をいっそう惑わせているように思われています。
 情報は有益にして有害なものです。膨大な情報の海の中には、人を損害や危険に陥れるような罠で満ちあふれています。しかしながら何を信じてよいか判らないと臆していては、パソコンもスマホも開けられません。現代は、情報端末がたいへんに身近なものであり、簡単な操作で大量の情報があふれ出してくる時代なのです。
 公然と流通する情報は、ものの名前すら変えてしまいます。ジーンズがデニムになり、看護婦が看護師になり、アベックがカップルになり、スチュワーデスがフライトアテンダントになり、農協がJAになり、浮気が不倫になり、洋食焼きがお好み焼きになり、ラップトップパソコンがノートパソコンになり、ミリバールがヘクトパスカルになりました。書いててむかし話しをしている感がありますが、実際には情報がものの名前を変えたのではなく、ものの名前が変わったことが情報として拡がって定着したわけです。ただ、情報を拡げる手立てがなければ、ものの名前も変えようがなく、原因と結果は表裏一体のものではあります。もっと申せば、言葉や文字で情報を伝えるという手段がなければものに名前すらありません。ものに名前があるということは、情報が流通する手段が存在するというわけで、人というものが手足と同じように言葉というツールを有している存在であるということです。
 言葉を持たない生き物にとって、物事とはどんな感じになっているでしょう。彼らにとっては石も水もちがいがある状態でしかありません。遭遇した他の動物が餌なのか敵なのか、まったく関わる価値のないものなのか、それは臭いや見た目の大きさ、動きといった情報から判断し得るもので、自分に危害を及ぼすものであれば、生きた動物であろうが、飛来する岩石であろうが、その本質はどうでも良いのです。なのである条件さえ満たしてやれば、魚はルアーを飲み込んでくれますし、イヌと共生関係を結ぶことができます。生き物の飼育者はこれを利用して人工的な環境で生き物を飼育します。
 むかし古典的な魔術における言霊という概念では、名前を呼ぶことによって魔物を呪縛したと言います。その原点は、ものに名前をつけることにあります。石ころに"いし"という名前をつけることによって、自然の中のその状態は、人にとって石以外の何者でもなくなります。人々はそれを石と信じて疑わなくなり、それが呪縛の基礎になっています。
 つまり、言いたいのは、人間は情報と共に在るわけで、それを避けて通ることはできないということなのです。善きにつけ悪しきにつけ、情報に接することができるということは、人にとって有益です。
 現代人たるもの、せっかく壮大な情報の海を目の前にしているのですから、臆することなくそこに飛び込んで行きましょう。そうでないと、いつまで経っても騙されることへの恐怖から前に進めず、けっきょくのところは美味しいものを見過ごし続けるだけになってしまいます。不利益な情報を信じて損をしても、授業料を支払ったと思うくらいの余裕を持ちましょう。
 そして、情報は変わって行きます。変わり続けるのが情報というものです。ジーンズがデニムに変わり、スッチーがFAに、女子高校生がJKに変わるのです。
 とまぁ、考えてみれば当たり前のことなのですが、日常では案外そのことに気づかず、情報に対する不安に戸惑ったりあせったり、悪くすると人間不審に陥ったりしてしまうのも、ありがちなことです。
 情報は、悪意のものであれ善意のものであれ、その多くは刃物みたいなものです。使い手によって料理の道具にもなれば、武器にもなります。要は情報をどう受け止めるか、変わって行く状況をどう処理するかが肝心です。そして情報の変化の原因は、じつは受け止める側にあることも少なくありません。変わらぬ内容をその人の感情や価値観の変化で変えてしまうのです。

 情報は有益なものです。情報のない状態で人は生きて行けません。向上も進歩もありません。それでもいいんだ、とおっしゃられても、それでは周りが大変だったりします。高齢者が頑固になり、新しいものを受け入れないのは、情報を拒んでいるからです。自らは一貫して変わらぬ生きざまを持っているつもりでも、じつは好奇心を失い、希望を見失うというふうに変わり果てたからです。猛省してください。人間の大脳は、たかだか100年以内でそこまで老化しないものです。あなたの若いころも世の中に変化はつきものだったでしょ? あなたも年配者が苦笑するような変化加害者だったではありませんか。世の中は、変わらず変わり続けるものです。変わってしまったのはあなたの方です。
 と言うことで、当ブログの内容も情報のひとつである以上、それをどう消化するのかは読者の受け止め方次第であるわけです。少し時間が経てば筆者自身が、これを読み返してこんなこと書いたっけ、なんてぬけぬけと言うかもしれないわけです。

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