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ヒゲコガネ

2013/09/28


 久々にヒゲコガネに出会いました。日本のコガネムシの仲間としてはかなり大きな方です。カブトムシを除けばこれより大きなコガネムシっているのかな。オオチャイロハナムグリの方が大きいかな? 本種は、体長40mm近くになる個体もいると思われます。ちなみにカブトムシは体長50mmを超えるものがざらで、オスではさらにでっかい角状突起が頭部からニョニョっと生えています。ああ、南の島にいるヤンバルテナガコガネは、もっとでっかいですよきっと。あれだって歴とした日本のコガネムシです。
 ということで、我らがヒゲコガネがだんだんこじんまりしてしまった次第ですが、平地でも日常的に見ることができるコガネムシやハナムグリの仲間に比べると、やっぱ大した貫祿ですよ。
 棲息地に行けば、かなりの個体数を目撃できますが、そうでないところで見つけるのは難しく、レア度はかなり高い虫と言えるでしょう。今もむかしも昆虫少年たちは実物よりも図鑑等で先にその雄姿を知るわけで、本物との出会いを渇望しているわけですが、この虫との出会いは意外なときに唐突にやって来たりします。近縁種にシロスジコガネというのがいて、棲息地も食性も共通していて海岸沿いの松林に棲んでいるのですが、本種の方は思いがけないところに飛来して、しばしば人を驚かせます。筆者が初めてこの虫と出会ったのも、淀川水系の平地で、近くにはまとまった松林なんてありませんでした。自転車で淀川を横断する橋を渡っていたら、歩道に本種がボーッとしていたわけですよ。虫好きの人間はたとえ自転車に乗っていたって、3センチ級の虫を見逃したりしません。これは別に自慢じゃなくて、虫好きなら当たり前のことです。
 初めてのヒゲコガネの実物。たとえ初めての出会いであっても種を見間違えたりしません。虫好きなら誰でもそうです。思わず「うわっ」とか叫んで捕獲しましたよ。立派なオスで、その名の由来となる大きな触覚を扇状に開いたり閉じたりしていました。そしてさらに驚いたことには、そこらじゅうにこの立派なコガネムシがゴロゴロしているのです。当時はせっせと標本を集めていた頃でしたから、出くわした虫を持ちかえる準備に抜かりはありません。比較的大きな個体を2ペアほど連れ帰りました。あまりにたくさんいたので数を数えるのもいやになったほどですが、じっくり調査すれば100頭を数えられたかも知れません。
 そして奇妙なことに、この大発生は数日続いたあとパタリと途絶え、その後2度と見ることはできませんでした。昆虫類が特定の夏だけ特定の場所に大発生するような現象はそれほど珍しくはありませんが、松林で生涯を送るヒゲコガネが、棲息地を遠く離れたところに大発生したのはどうしたことなのでしょう。
 棲息地を拡大するための冒険でしょうか。生物はいずれもそうした習性を有しています。それを積極的に行なわないかあるいは、それにことごとく失敗した種は、地域限定の希少種になります。とくに食性の拡大を行なわず、同じ種類の植物ばかり食べている種は、生息域の拡大が苦手です。本種も松限定の希少種のひとつと思っていましたから、とんでもないところに大発生したのは驚嘆すべき出来事でした。
 筆者の若いころのエピソードですが、その後の人生でも時おり本種とはバッタリ出くわし、近くに松林を探すも見当たらず、この出来事を思いだす次第です。どうやら本種は、棲息地からかなり離れた灯火(夜間照明)などに飛来する習性があるようです。
 今回は、1頭のオスとの出会いでしたが、浜辺からはほど遠い山がちなところです。ただ、淀川水系が数キロのところに拡がっていて、図鑑等で紹介されている浜辺ならずとも、淀川縁の松のあるところには本種が棲んでいるにちがいないとにらんでいます。筆者の乏しい知識が浜辺と決めつけているだけで、本種はシロスジコガネよりも浜辺から離れた川の上流まで生息域を拡げているのかもしれません。たぶんそうなのでしょう。



 本種は、でっかくて見応えがあって、飼育動物にしたらきっと人気がでると思われますが、樹液食のコガネムシのように昆虫ゼリーを与えていれば飼育できるような種でもないでしょうし、昆虫マットに産卵させて増やせるタイプでもないでしょう。ただ、この虫は連れ帰っても葉食いのコガネのわりには糞をしませんでしたので、昆虫ゼリーかキュウリなどでしばらくは飼えるかもしれません。スポンジ等に水を含ませておくだけでもそれを舐めて生きているかも。昆虫の成虫はあまり食事を摂らないものが少なくありません。でも、飛翔力は強そうなので、夜になるとケージの中でブンブン暴れて消耗してしまうかもです。
 本種が樹液食なら、きっと大勢の人が飼育をてがけていることでしょう。葉食いは幼虫は根食いなので、飼育には生きた植物を用意しなければなりません。本種の飼育のために庭に松の木を植えますか? どなたかチャレンジしてみてください。

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