蛾の襲来5
2014/12/14
12月上旬は寒暖が繰り返される最期の時期です。この時期まで生き長らえたコオロギは最後のひと啼きを試みますし、成虫で越冬に入ろうとしていたチョウが花を訪れることもあります。筆者が飼育しているツヅレサセコオロギも今月初頭に最後の啼き声を上げたあと、一変して訪れた寒気に凍えて力尽きました。庭にわずかに残っていたコバナノランタナやローズマリーの花に、キチョウの仲間が飛来したのも今月初頭が最後でした。そして筆者の勤める駅には、12月に入ってから目を見張るほどのたくさんのガが一時期飛来しました。
このクソ寒いのに、いったい何をやってるんだか。灯火に集まったところで何のメリットもありません。虫が灯火に集まるのは、昆虫愛好家とヤモリにしかメリットがないように思うのですが。
地味なガです。ヤガの仲間でしょうが、種の同定を試みる気にもなれません。今年はうんざりするほど灯火に集まるガを見てきました。
べつのところに似たようなガがいると思ったら、写真で比べてみるとどうやら同じ種のようです。
じゃあ、これも同じでしょうか。残念ながら同じに見えます。
ではこれも? 翅の模様に差異は見られるものの、同種の中の個体変異でしょう。
さすがにこれは別種ですね。前胸がフカフカの毛に覆われ、冬仕様のように見えます。
立派な触角を持っています。寒すぎて動けないようです。なら、なんで飛んできた?
冬の迷子がここにも。今さら越冬場所に帰ることもできず、次の寒波で凍えるのを待つばかりです。
そして12月5〜6日に北陸に雪を降らせる寒波が到来し、今年の虫たちを一掃してしまいました。そのあと寒気は少しゆるんで、北陸の積雪も溶けてしまったようですが、虫たちが再び目を覚ますことはもうなさそうです。いよいよ本格的な冬の到来です。