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トゲオアガマ

 トゲオアガマは、多数の種類を持つ中型のトカゲ類です。大きなものでは全長70cmを越えるものもいます。太くて力強い尻尾を持ち、これが硬質の棘で覆われているので、かなり強力な武器になります。小さな恐竜みたいだ、と思うのは筆者だけではないでしょう。ひじょうに魅力的な動物でペットとしても人気があり、筆者も大好きです。
 アフリカから中東、インドにかけて分布し、砂漠や荒れ地に棲み、食性はかなり植物質寄りで、野菜や果物、穀物、人工フードで飼育できます。生き虫も好んで食べますが、成体には与えすぎると肥満になります。成体の場合は生き虫よりも豆類などで太らせる方が健康的だと思われます。
 幼体のうちから飼うと、人間にべた慣れになります。かなり成長した個体や成体でも、気長に根気よく付き合えばよく慣れてくれます。フトアゴヒゲトカゲなどと比べるとかなり神経質な感じもしますが、賢いトカゲなので人にも飼育環境にもよく慣れてくれます。筆者の経験でも、ひじょうに神経質でまったく餌を食べようとしなかった個体でも、気が荒くて攻撃的な個体でも、2〜3ヶ月もすれば普通にハンドリングできるようになりましたし、飼育者の顔を見ると駆け寄ってくる個体も少なくありません。可愛いですね。
 砂に潜るのが好きなので、飼育には厚めに砂を敷き、シェルターを設けます。昼間でも日光浴が終わればシェルターの下をせっせと掘り始めます。掘らなくても単に潜り込めばいいのに。
 かなり種類が多く、亜種をたくさん持つ種もあります。オスが鮮やかな婚姻色を発色する種も多いですし、幼体と成体とで体色が変化する種もあります。トゲオアガマにハマるとコレクションだけでもキリがありません。
 異種複数の同居も基本的には可能なのですが、種によってはなかなか気が荒く、新入りを攻撃したり、オス同士が争ったりということもあるので、注意が必要です。共同生活がうまくゆくかどうかは、飼育者の注意深い観察が重要になります。人間にはよく慣れていてもトカゲ同士で争ったりいじめたりということはよくあります。しっかり観察して餌を食べていない個体がいないか、負傷している子がいないかチェックを怠らないように。
 うまくゆけば複数の同居は、単独飼育よりもよい結果を招くことがあります。筆者も数種類のトゲオアガマとフトアゴヒゲトカゲとアオジタトカゲ、ヨロイトカゲを同居させていたことがあります。一般に無謀と言われるような同居であっても、動物と飼育者との信頼関係ができていれば可能になるものです。それでも突然バランスが崩れることもありますけどね。
 トゲオアガマは、多くの種が入手しやすく丈夫で長生きしますし、愛嬌たっぷりの仕種もいろいろ見せてくれます。このミニ恐竜は、トカゲというよりも哺乳動物のような感じがします。日本のチョロチョロ走るトカゲしか知らない方は、がっしりとした体型と人懐っこさにたいていびっくりします。

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