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エジプト君の飼い方

2013/10/01


 エジプトトゲオアガマは、トゲオアガマ属の最大種で、大きなものでは全長75cmに達するそうです。しっかりした体つきと太くて長い尻尾。まさにミニ恐竜です。尻尾には硬質の棘がびっしりと生えており、慣れない内は触ろうとするとこれで攻撃されます。大きな個体では攻撃力もかなりのもので、手に擦り傷くらいは負うことになります。しかしながら、本質的にはたいへん温厚で、トゲオアガマの中でも最も共同生活に向いています。同居中の他のトカゲをいじめたりすることはありません。筆者も大好きなトカゲで、今でも飼っていてフトアゴヒゲトカゲなんかと同居させていますが、彼が日光浴していると、小さな個体がその背中に乗っていることがよくあります。
 エジプトトゲオアガマは、ひじょうに高温になるところに大変深い穴を掘って暮らしているそうです。飼育下では高温を発するバスキングライトと、高い紫外線を発するUV灯が必須になります。たいへん光量の多い明るい白色灯を好みます。人間なら耐えがたい暑さのところで日光浴をします。そして充分に体が温まったら、穴の中に潜り込んで休息です。しかし飼育下で深い穴が掘れるような環境を用意するのは困難なので、代わりに広いケージを用意し、ケージ内に温度勾配ができるようにしてやります。照明は、夜間は消灯します。昼行性のトカゲなので夜間はぐっすり眠ります。
 市販されているエジプト君で、入手できるサイズは全長15cm以下の幼体から20〜30cmくらいの個体が多く、成長はひじょうにゆっくりしています。それでも可能な限り大きなケージを用意してやりましょう。幼体なので小さなケージでも大丈夫と思いがちですが、小さなケージでは充分な温度勾配が得られない場合が多く、幼体が消耗してしまいます。70〜120cmくらいの水槽が必要です。
 砂は、ほこりが立ちにくいものを厚く敷きます。シェルターも必要です。爬虫類ショップで岩の模造とかいい感じなものが買えます。あまり重量のあるものを使うと、砂を引っかき回す習性があるので、下敷きになったりします。ホットスポットの下にも平たい石やコルクバーグを置いてやりましょう。それに乗っかって日光浴します。
 以上のような飼育環境は、乾燥地帯に棲息する中型のトカゲ類で共通で使用できます。



 餌は、浅い皿に入れて与えます。イヌ用の皿なんか理想的ですね。まず適当に刻んだ小松菜を入れます。その上にサヤインゲンを刻んでのせます。イグアナフード等の人工飼料を振りかけます。レンズマメの生のものを少量振りかけます。スプレーで人工資料を適当に加湿します。爬虫類用のカルシウム剤を少量振りかけます。これが基本的なレシピです。ほかに時々爬虫類用や小鳥用の栄養剤を少量加えるのもよいですし、穀物主体の小鳥の餌を加えるのもよいです。小松菜やサヤインゲンは、白菜、チンゲン菜、ツルムラサキで代用することもできますが、ほうれん草はアクが強いのでダメです。モロッコインゲン、ブロッコリー、タンポポの葉および花も食べます。小松菜とサヤインゲンのコンビネーションが一番良いかな。筆者はこれをメインにしています。生き虫も大好きで、ジャイアントミルワームやコオロギを与えても良いですが、これは月に1〜2度にしましょう。虫を与えなくても痩せてこなければ必要ありません。筆者は、トカゲがあんまり喜ぶのでたまに与えています。
 餌の分量と給餌ペースですが、小松菜2株とサヤインゲン10本くらいにフレーバーをトッピングしたもので、トカゲ5〜6頭分です。成長期の個体がいなければ週に1回の給餌で良いと思います。
 成長期の幼体には、週2回程度の給餌と、ビタミンを中心に補給できる栄養剤の回数増と生き虫も与えましょう。筆者は、冬場は10日おきくらいしか給餌しません。専用温室で加温していても、夜になっても温度があまり下がらない夏とはわけがちがいます。それに爬虫類を哺乳類感覚で飼ってはいけません。空腹は爬虫類にとって哺乳類ほど深刻な問題ではないのです。


 ↑ 同居中のフトアゴ君と。↓ 同じくウィッキー君と。


 10年以上前になりますか、多数のトゲオアガマを飼っていた頃は、月に2回くらい温水浴をさせていました。ぬるま湯にトカゲたちを20分くらい浸けておくのです。お湯の中にプカプカ浮いているうちに糞をする子もよくいました。便秘解消にようですね。でも最近はしてませんね。面倒だし。脱皮不全や便秘には温水浴は効果があると思います。
 充分に慣れると、彼らは飼育者を見るだけで駆け寄ってきます。水槽のガラス面(彼らには見えない壁)をよじ登ろうとバタバタやります。また、たいへん目がいいので虫を見せると遠くからでもそれと視認して欲しがります。現在飼育中の個体は40cmを上回る大きな子ですが、シューシュー噴気音を立ててご飯を催促します。あれは威嚇音にしか聞こえないのですが、本人は友好的なつもりのようです。


 ↑ 水浴というか、水入れがたまたま涼しかったのでそれに浸かって休んでいるところ。


 ↑ 無防備なお腹を露呈するポーズは、彼らが最も苦手とするところだが、飼育者との信頼関係が育つと、こういうことも可能になる。


 ↑ 四肢をだらんとぶら下げ、警戒心のかけらもなくお昼寝中。飼育下でまったくストレスを感じていない様子だ。

コメント
ブログを拝見しました!ピンポイントでトゲオアガマとリクガメが大好きな者です。ヒョウモンリクガメは20年以上飼っておりますがエジプトトゲオアガマは昨年の7月からです。10cmから飼って現在17cm位。リクガメと比べ恐ろしく食が細い?ので心配です。が、すこぶる俊敏で元気です。ブログを拝見して分かり易くて良かったです。エジプトを長期飼育されている方の生の声は本当に聞けませんので!信頼できる内容はとても嬉しいです。
  • 本多知行
  • 2013/12/03 9:04 AM
ヒョウモンリクガメを20年も飼っているってすごいですね。筆者は爬虫類を本格的に飼い始めてまだ20年経っていません。以前は虫や魚類が主でした。
リクガメとトゲオアガマは基本的に同じ飼い方で大丈夫ですよね。筆者は数種類のトゲオアガマとロシアリクガメ、ブラジリアンチェリーヘッド、ヒョウモンリクガメを1つのケージで同居させていました。チェリーヘッドは多湿好みのようで、しばしば水浴してました。
ただリクガメたちは大きくなると、サイズ的にトゲオアガマたちとの同居は困難なので、いずれも幼体ばかりでしたが。
エジプトトゲオアガマが昨年7月から飼い始めて10cmから17cmまで大きくなったってとても上手に飼育されていますね。さすがです。幼体の飼育は難しいのに。ぜひコツを教えてほしいです。
飼育者にはなついていますか? 筆者が現在飼育中のエジプト君は、フトアゴヒゲトカゲたちと同居させており、その中で一番の大食いです。小松菜やサヤインゲンのほかにレンズマメやヒマワリ、カボチャの種を生のままバリバリ音を立てて食べます。飼育環境と飼育者への馴化が進むと食欲も旺盛になってくるのかも知れませんね。
  • 筆者
  • 2014/01/15 5:31 PM
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