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ショウキラン

2013/10/08


 ヒガンバナという有名な野に咲く花があります。強烈な赤色を放つ複雑な形状の大きな花は、ひじょうに特徴的で、まるで線香花火のようです。花だからもちろん動いたりしないのですが、花火のような動的な印象を受けます。これは筆者の主観かもですが。今年も筆者宅から遠からぬ田園にたくさんの赤が開花しました。それは見事なものです。
 ところが、この美しい花が庭草として花壇を飾ることは多くありません。ちょうどお彼岸の時期に一斉に開花するという生態がその名の通りなのですが、美しさとは裏腹にかなり強い毒性を有し、食べると死に至ること聞きます。お彼岸の頃になるとニョキニョキと茎が伸び大輪の花を咲かせ、それを食すると死に至る、このいささか不思議な生態が(ユリ科の植物にとっては不思議でもないのでしょうが)古来より宗教染みた印象を人々に与え、彼岸花以外にも、死人花(しびとばな)、地獄花、幽霊花といった別称があるそうです。これでは庭に嬉しそうに植えられないですよね。
 でも綺麗です。1つの花は動的な美しさを呈し、群生して咲き誇るさまはひじょうに幻想的です。西洋ではガーデニングにも導入され、改良品種もあるようです。

 もうずいぶん前になりますが、野道で真っ白なヒガンバナを見つけ、たいへん驚愕したことがありました。爬虫類などを飼っている筆者は、思わずアルビノだ、なんて思ってしまったものですが、いろいろ調べてみますと、いちがいにそうでもないようなのです。ヒガンバナの白も存在するのかも知れませんが、近縁種との交配によって作出された白ヒガンバナもあるそうなのです。
 で、本稿の主役のショウキランの登場なのですが、人為的に作出された白ヒガンバナは、ヒガンバナとたいへんよく似た形状で黄色の花を咲かせるショウキランとヒガンバナを交配させた品種なのだそうです。この改良品種には、アルビフロラという名称があり、同じ白でもピンクがかったものや黄色がかったものがあるそうです。アルビフロラ? やっぱアルビノじゃん。
 そして、ショウキランもアルビフロラも、園芸用に流通しています。これなら庭草として植えても誰も気味悪がったりしませんね。

 筆者は鉄道員なので駅職場で旅客とお知り合いになることもたまにあるのですが、その中の高齢のご婦人に、本日、球根をいただいたのですよ。先日、彼女とヒガンバナの咲く季節になりましたね、なんて話していたのがきっかけです。彼女はショウキランもアルビフロラもたくさん育てているそうです。ワンダフルです。
 開花は来年の秋を待たねばなりませんが、今から球根を庭に埋めておけば、葉が伸びてくるかもです。ヒガンバナは花が終わってから晩秋から冬を経て春まで葉を茂らせます。葉は春に枯れてしまい、秋にいきなり花が飛び出してくるという仕掛けです。面白いです。その珍妙な生態(ユリ科の植物にとっては不思議でもないのでしょうが)を庭で観れるだけでも興味深いですよね。


 ↑ いただいたキショウランの球根。いちばん右はアルビフロラのもの。

 ↑ 球根と一緒にサンプルにいただいた花。実際にはこれが数個環状に花序を形成する。

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