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スズメバチ

2013/10/11


 スズメバチは、筆者の住んでいるところでは秋の風物詩です。春でも夏でも山に行けば活発に活動しているのですが、毎年秋が近づくと住宅地にも飛んできます。この虫はオオスズメバチなんて誇張した呼び名でも知られ、刺されるとショック死することもあり恐ろしい危険動物とされていますが、住宅地に飛んでくるのはたいてい単独で、これが人に危害を加えることはあまりないと思われます。迷子にでもなったのでしょうか。単独飛行で住宅地をうろつく意味が判りません。
 秋のスズメバチはかなり獰猛です。冬に備えて生活基盤を固めようってことでしょうか、他のスズメバチやミツバチの巣を襲撃して蛹や幼虫を奪取したりといった侵略行為に及びます。ふだんあまり来ない住宅地にもしばしば姿を現すのは、生活圏拡大のための偵察行動でしょうか。女王は10月頃から羽化し、越冬ののち翌年春から新しい巣作りを始めます。
 黄色と黒のバンド模様がたいへん美しく、飛翔の際の羽音が迫力があって、筆者にとっては大好きな昆虫の1つです。カッコイイですよねスズメバチ。有毒動物であるというだけで、一般的に嫌われ者扱いされていますが、毒を持っていることとカッコイイことは別ですよね。


 ↑ 飼育中の様子。

 2005年に筆者は、この虫をたくさん集めて飼ってみました。スズメバチの採集は、それほど困難ではありません。巣の近くや集団行動しているところには近づかない方が良いですが、単独行動している個体は、捕虫網があれば容易に捕獲できます。また林でカナブンたちと一緒に樹液を舐めている個体は、それに没頭して長い時間動かないでいることが多く、大型のピンセットで前胸部を挟んで捕まえることができます。捕獲したスズメバチを持ち帰り用の容器に移したり、容器からケージに移したりする際には刺されないように注意が必要です。かなり毒性が強い虫で、刺されると命の危険にさらされることもあります。すでに1度刺された経験のある人は、3度目はないと思った方が良いでしょう。2度目でショック死する場合が多いからです。1度刺されると体に抗体ができて、急性アレルギー反応が1度目よりも強烈に生じ、それでショック死するそうです。
 スズメバチによる人の死亡例は、他の動物(毒ヘビやクマなど)の被害を上回るとも言われています。彼らの巣の近くではとくに好戦的で、巣に近づくことはなにより危険です。巣の近くではないところでも、騒ぎ立てたり追い払おうとしたりすると攻撃してきます。毒を空中散布してそれで仲間を呼び寄せるとも言われています。刺すのはメスだけですが、働きバチと言われるスズメバチ社会の最多構成員がメスです、難儀なことに。


 ↑ スズメバチの頭部前面。これが戦士の顔だ。

 飼育下では、単独飼育の場合はおとなしいことが多かったです。昆虫ゼリーと飲み水とジャンボミルワーム(生き虫)を与えていました。複数飼育にすると、とたんに獰猛さを見せます。飼育者が近づくと一斉にカチカチという警告音を発します。聞いていてひじょうに緊張感のある音です。すごい迫力で、戦士の貫祿のようなものを感じます。自然界でこの音を聞いた場合は、早々にその場を立ち去らねばなりません。彼らは集団でそしてひじょうに迅速かつ正確に行動します。
 複数飼育では、新入りの追加が難しくなります。すでに同居している者同士でコミュニティが形成されているのでしょうか。新入りは寄ってたかって攻撃を受け、殺されてしまいます。
 スズメバチを長期間飼育することは不可能です。働きバチの寿命自体が1ヶ月ばかりしかないそうですから。筆者のところでは約40日生きていた個体もいましたから、飼育下でのんびりしていると案外長生きできるのかも知れませんね。
 餌はよく食べますが、生き虫は巣に持ちかえるために肉団子にするだけで、自分は食べないとも聞きます。飼育下ではつまり与えても無駄だと。筆者が飼っていたスズメバチたちもジャンボミルワームを捕獲して噛み砕いていましたが、食べているのか噛み砕いているだけなのかは確認できませんでした。昆虫ゼリーはたいへん有効ですね。
 餌の交換にはたいへん苦労します。多くの昆虫はケージのフタを開けても、出口ができたことに気づかないことが多いのですが、スズメバチはフタを開けたとたんに殺到します。飼育者を攻撃目標と定めて躊躇なく行動するからでしょうか。怖いですね。安全なメンテナンス方法は見つけられませんでした。まぁ、幸い刺されたことはなかったですが。


 ↑ ジャンボミルワームを捕獲したところ。

 綺麗でかっこよく魅力的な虫なのですが、飼育には危険が伴ううえに長期飼育ができないので、飼育の甲斐があまりありません。残念です。また、他人に飼育を勧めることもできません。自分が刺されなくてもにがしたりしたらご近所の人たちを危険にさらすことになりますし。
 スズメバチのサイズですが、働きバチで30〜40mm、女王では40〜45mmていどの体長があります。筆者が飼っていた個体の中に43mmもあるやつがいました。これは山口県在住の某氏が採集して送ってくれたものですが、10月という時期を考えると女王だったかも知れませんね。

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