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ヘビの飼い方

 ヘビという動物は、極めて特徴的な動物で、手も脚もなければ耳もマブタもありません。音のない世界を静かに生きています。ミミズほどの小さなヘビから、人を飲むとウワサされる大蛇まで、すさまじい種類のヘビがいます。あるいは高い殺傷能力を持つ有毒動物もひじょうにたくさんいます。そしてその多くが家庭で飼育可能です。人が入れるほどの大きくて頑丈なケージを用意できれば、大蛇だって飼えます。
 ハブやコブラやガラガラヘビの仲間にも、魅力的で飼いやすいものがたくさんいるのですが、危険動物飼養に関する規制があって家庭で飼うのはちょっと面倒です。不可能ではないんですけどね。毒ヘビたちの素晴らしさを多くの人に知って欲しいところですが、なにせ危険が伴うので仕方ないですね。どうしても飼いたいって人には、個人的にこしょ〜り相談にのるですよ、はい。
 ヘビは一般的な悪印象とは裏腹に、飼育者とひじょうに良い関係を持てる、ある意味たいへん人なつっこい生き物です(例外も多いけど)。多くのヘビを、小鳥のように手乗りにすることも可能ですし、餌も飼育者の手から直接食べるようになります。それに騒がしくしないし、飼育環境をあまり汚さないので、手間もかかりません。ペット不可のマンションでも、中型サイズ以下のヘビなら、ひそかに飼えるです。

 サイズも人なつっこさもダントツで、入手しやすく、しかもカラーバリエーション豊かなヘビにコーンスネークがあります。北米原産のこのヘビは、ペットとして大量にブリードされ、様々な色や模様のものが作出されています。雌雄のペアを入手できれば、ご家庭での繁殖も難しくありません。初めてヘビを飼う人には絶対にお勧めの逸品です。
 コーンスネークは、爬虫類を扱うショップならまず扱っています。デパートやホームセンターのペットコーナーでも販売されていることが少なくありません。多くの場合、太さが数ミリ、長さが15センチていどの幼蛇が売られていて、めっちゃラブリーです。
 この程度の子ヘビなら、15センチていどのプラケースで飼えます。ただし、ヘビは脱走の名人なので、フタとケースの間に目の細かいネット(網戸の網とか)を挟むなどの工夫をしましょう。
 ケースの底には、新聞紙やキッチンペーパー、あるいはハムスター用のワラなどを敷きます。パインチップといった針葉樹を原料にしたワラはやめた方がいいです。アルカロイド性毒物を含みますから。
 飲み水はたいへん重要です。餌を切らしても飲み水は切らしてはあきまへん。小さな容器に水を入れて置いてやります。夏場は水に浸かったりもします。水の中に糞をすることもあるので、水は小まめに換えましょう。水入れの中に糞をしても叱ってはいけません。水浴は便秘解消の秘訣ですから。
 新しい飼育環境に子ヘビを落ち着かせるには、シェルターを用意します。数センチの小さなタッパーに加水したミズゴケ(園芸用品です)を半分くらい詰め、コーナーを丸く切ったフタを閉めます。丸く切った部分がヘビの出入り口です。
 飼育環境は以上です。ヘビは基本的に夜行性ですが、夜行性の小動物は案外昼までも餌を食べたり飼育者と遊んだりすることに慣れるものなので、昼間に餌を与えるクセをつければ、それもOKです。飼育者の生活サイクルで、夜間に照明を点けて世話するのもOKです。
 餌はネズミです。ショップに相談して、子ヘビにあったサイズの冷凍ネズミ(専門店ではマウスと呼称)を購入し、冷凍庫にストックしておきましょう。マウスはお湯で解凍して与えます。お風呂のお湯くらいの温度で、チャック付きのポリ袋なんかに入れて解凍するのがよろし。筆者の場合は、朝から常温に放置して自然解凍し、夕方に給餌するというなまくらな方法をとってますけどね。
 ショップで充分に餌付けされている子ヘビであれば、目の前に餌を示すと食いついてくれますが、そうでなければシェルターの上にでもマウスを置いておきます。うまくゆけば食べてくれます。でも、コーンスネークの幼蛇は基本的に小さなトカゲやカエルといった変温動物食なので、マウスは食べないかもです。その時は、強制給餌です。ヘビの口をこじ開けて無理矢理マウスを突っ込みます。
 餌を与えるには竹製ピンセットを使いましょう。金属製だと口を傷つけることがなきにしもあらずです。
 強制給餌の方法ですが、ヘビの首根っこをつかみ、名刺くらいの薄いカードをヘビの口に差し込みます。そうして口を開かせたところへマウスを頭から突っ込みます。カードをさっと引き抜き、竹ピンセットで、マウスをゆっくりと押し込んでゆきます。マウスが完全に押し込まれたら、ヘビの頭を指でつまんで優しくしごいて、マウスを胃まで導いてやります。充分に導かないと、ゲロゲロ吐き戻しちまいます。ところが、この給餌方法はひじょうに難しいので、置き餌で食べてくれなければ、信頼できるショップに行って強制給餌の手本を見せてもらいましょう。ヘビを購入する時に強制給餌について教えてもらっておいても良いですね。
 子ヘビへの給餌は、週に2回ていどマウスを1匹ずつ与えますが、成長に応じて回数を減らし、マウスのサイズを大きくくして行きます。1年もしない内に成蛇になりますが、その頃には10日から2週間ていどの給餌でOKになります。シェルターもヘビに合わせて大きくしますが、飼育環境によく慣れた成蛇では必ずしも必要ありません。
 餌を与える以外の世話としては、掃除ですね。ワラの上に落ちている糞を周囲のワラごとつまんで捨てる。ケージの側面などに糞がついたら、濡らしたティッシュ等で拭き取る。2〜3ヶ月に1度はワラをすべて新品と交換しケージも水洗いしてやる。このていどです。

 ヘビは変温動物なので、冬場は冬眠します。なるべく温度変化の少ないところにケージを置き、シェルターは絶対に用意しておきます。あと真冬でも新鮮な飲み水を欠かさずにしましょう。
 多くの愛好家は、冬場も加温して冬眠させないようにしています。とくに幼蛇は冬眠させない方が安心です。暖房器具はフィルムタイプのヒーターが安価で省エネで使いやすいです。
 冬場を加温して飼う場合は、大掛かりな暖房器を用いた温室で飼うようなケースを除き、餌は控えめ(平素の半分くらいの回数)にします。餌を与えたあと数日はとくに充分な温度を維持しましょう。かといって暑くしすぎたり蒸れさせたりは禁物です。できれば大きめのケージで、ミズゴケを入れたシェルターを中心に温め、それ以外の場所は比較的低温になるように工夫すると良いでしょう。ヘビが自由に好みの温度を選びます。
 そうして春が来たら、雌雄のペアを飼っている場合、待望の繁殖が期待できます。ヘビは基本的には、1つのケージに1匹ずつ飼育しますが、コーンスネークは1つのケージでペアを飼うことが可能です。

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