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トッケイ君

2013/10/18


 トッケイヤモリは、全長25〜35cmに達するたいへん大型のヤモリです。これでも壁チョロです。森林から民家の近くまで、虫のいるところに広く棲息します。分布もインドからカンボジア、体、中国南部、ネパール、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン等と広いです。アジアのいたるところにわんさかいるので、WCものは安価です。ハワイやフロリダにも帰化しているそうです。最近はCBあるいはアルビノほかの色彩変異個体も市場に出回り、それらは高価になります。
 ショップやネット上でいろいろ見ましたが、筆者的にはノーマルがいいですね。明るい灰色にオレンジの粒々模様というかなり派手な色彩は、ひじょうに個性的で他に例がありません。



 体色は温度や明るさで著しく変化し、夜間は濃いグレーになり、日中の高温時には鮮やかな水色でオレンジの粒々模様も明るくなります。このユニークな特徴に加えて、本種は数少ない啼きヤモリです。ヒョウモントカゲモドキの生後間もない幼体が、ヒューンという威嚇音を発しますが、成長するにつれて啼かなくなります。本種は、成熟してからもブッという吠え声で威嚇するほか、よく通る声でトッケイ、トッケイと啼き、その名の由来にもなっています。これはオスがメスの気を引く声だと言われていますが、筆者のところではメスも夕刻頃に何度か啼きました。
 飼育下では、大きなケージでシェルターを充分に作ってやらないとなかなか啼いてくれないそうです。



 本種の欠点は、その気の荒さでしょう。とくにWC個体はたいへん怒りん坊で、飼育者になかなか馴れてくれません。触ろうとすると猛然と噛みついてきて流血騒ぎになります。痛いです。そんなだから世話するのが初心者ではかなり大変でしょう。スプレーで水を与えたり、餌の生き虫を放り込むていどのメンテでは苦労もないですが、ケージの掃除にはかなり手こずるでしょう。
 基本的にあまり動き回らないので、45cmていどのケージでも充分です。オス1頭にメス数頭とか飼う場合には広くて高さのあるものを用意します。オス同士は同居させない方がよいと思います。


 ↑ 怒ってますねぇ。

 トッケイ君は、大きくてどっしりした体格でとても風格があるのですが、昼夜で体の色あいがカラフルになったり地味になったりと変化たり、いろんな可愛い仕種を見せてくれたりと、見ていて飽きません。歯を食いしばると目が眼窩内に引っ込み獰猛な顔つきになりますが、舌で顔や目を舐める仕種はとても可愛いです。昼間の縦筋状の眼孔は悪役っぽいですが、夜間は丸い眼孔になってこれまた可愛いです。大型のヤモリは小型種よりも細部を観察しやすいので見どころ満載です。
 大きなケージで長く飼っていれば、独特の啼き声を聞けるかもしれませんし、突っついてやればとりあえずブッという吠え声は聞けます。日中はとにかくじっとして動きませんが、馴れてくると餌をとる様子も観察できるようになります。


 ↑ 歯を食いしばると目が眼窩内に引っ込み、いかつい顔つきになる。まるで恐竜のようだ。


 ↑ ピンクの舌で顔や目を舐める仕種は可愛い。顔に水をスプレーしてやるとこの様子が観察できる。



 ↑ 昼夜の目のちがい。日中の悪役顔も、夜間には可愛くなる。


 トッケイ君は、生き虫食いです。飼育には生きた虫のストックが不可欠になります。餌用コオロギやゴキブリが管理もしやすく便利です。とくに後者は大量管理が楽ですし、日本のヤマトゴキブリのように壁を登ったり飛んだり、体がベタついたりしないものもいるので取り扱いも楽です。ジャンボミルワームはさらに管理が楽ですが、動きが悪いので馴れないとなかなか食べてくれません。また、餌虫にカルシウムパウダーを混ぜて与えることも大切です。とくに成長期の個体には、クル病の防止に欠かせません。佝僂病(くるびょう)は、ビタミンD欠乏による骨格の発育不全なので、爬虫類用のカルシウムパウダーに合わせてビタミンを配合した栄養剤の使用もお勧めです。


 ↑ トッケイヤモリの腹面。これだけのサイズになると四肢の吸盤構造も観察しやすい。足指のひだ状に見えるものは実は細かい剛毛の集まったもの。

 壁チョロは、頭を下にした逆さまポーズでいることが多く、飼育下でも同様です。頭に血が上らないんでしょうか。人のように体重数十キロといったレベルの動物ではないので、その心配は無用のようです。また何時間もじっとしていて体がしびれたり足がだるくなったりすることもないようです。何事もなければずっと同じポーズのまま動きませんが、危険を感じたりすると俊敏に行動します。小型種はとりあえず猛然と逃げますが、本種は飛びかかってくることも少なくないです。
 寒さには弱いので、冬期は加温が必要です。日本のヤモリのように越冬はできません。15℃を下回るような温度が続けば死の危険が迫ります。熱帯魚の水温管理とちがって空気の加温はひじょうに難しいので、初心者の方はショップのアドバイスを請いましょう。


 ↑ 夜間のトッケイヤモリは、暗色の地味な色あいになる。

 ショップで売られているトッケイ君は、15〜20cmていどの若い個体が多いです。これを大きく育てるには、落ち着ける飼育環境でたっぷり餌を食べさせる必要があります。大きく成長したトッケイ君は素晴らしいです。また、飲み水は水入れで与えることはできないので、顔やその近くにスプレーして与えます。基本的には毎夕方にスプレーしますが、1日や2日世話を怠っても大丈夫です。しっかりとした体格に育ったものなら1週間やそれ以上、旅行等で世話できなくても大丈夫です。でも水枯れは死につながることも忘れないでください。
 30cm級の大きなトッケイ君はなかなか見れないので、飼育者が大切に育てて大きくするほかありません。頑張って育ててくださいね。

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