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シンジュサン

2013/10/20


 蛾(ガ)はお嫌いですか? 蝶(チョウ)は綺麗で可愛いけれど、蛾は気持ち悪いとおっしゃる方は多いと思います。確かに多くの蛾が花から花へ飛んでいるよりも夜の電灯に集まったり、建物の壁に張りついていたりすることが多く、あまり爽やかなイメージはありません。
 その中でもヤママユガの仲間は、大型で派手なものが多く見応えがあります。オオミズアオは、みずみずしい水色の羽が鮮やかとしか言いようがありません。また沖縄地方に棲むヨナクニサンは、日本最大の蛾として知られ、開長(羽を開いた差し渡し)が120〜140mmくらいになります。
 そして今回ご登場のシンジュサン。開長でもヨナクニサンにほとんど負けていません。日本全土で見られるほか朝鮮半島や中国にも分布します。とても立派で美しい蛾ですが、筆者の経験ではヤママユガの仲間としては最も遭遇率が高い、すなわちひじょうに珍しい蛾ではないです。基本的に山地に棲んでいますが、むかしは都会化が進んだところでも見かけることがあり、筆者が子供の頃は大阪府下の神社や墓地でも目撃したことがあります。子供の目線で見たそれはじつにビッグでした。


 ↑ 久しぶりの目撃例は、残念ながら死骸でした。ボロっちぃ画像ですみません。

 ヤママユガの仲間は、基本いつも羽を拡げています。木に止まっているところは、木に標本を固定してあるみたいです。美しい蛾ですから綺麗なポーズを見せてくださって誠にありがとうなのですが。2条の白い帯と4つの横向き三日月模様が特徴です。そしてもう1つの特徴は、前翅の先端部分にあるヘビの目模様です。丸く突出した先端部分はヘビの頭そっくりです。シンジュサンがいきなり羽を拡げた際に、ヘビが飛び出してきたような威嚇効果があり、鳥などから身を守ることができる、なんていう図鑑の解説を読んだことがありますが、実際にはシンジュサンはいきなり羽を拡げるといった行動はあまりしません。静止している時はつねにこのヘビの頭が見えています。それよりも羽ばたいている状態から静止に移行した瞬間の方が、ヘビが出現したように見えます。


 ↑ 前翅の先端部のヘビの目模様。ほんとうにヘビの頭そっくりで立体感さえある。実際には起伏のない偏平な羽なのだが。

 幼虫は、クヌギやエノキといった山にひじょうにたくさん生えている樹の葉を食べます。他にもいくるか食草がありますが、食草の量や種類が多いことが棲息数を増やしている秘訣ですね。また、クスノキの葉も食草になり、神社にはでっかいクスノキが植わっていたりしますから、それで平地にも棲んでいるのでしょう。とは言うものの、そうそう簡単には出会える昆虫でもありませんが。


 ↑ 腹面(裏側)から観ても翅の模様は変わらない。


 ↑ 頭部のクローズアップ。


 ↑ 胴部腹面。フカフカの毛で覆われた体は小鳥のようだ。

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