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トカゲを飼おう【草食獣編】

 爬虫類といえばトカゲなのですが、ご存知のようにトカゲというのは爬虫類を代表する巨大なグループで、飼育方法は千差万別、用意する用具や餌も多種多様です。なので、今回は入手しやすく飼いやすい、爬虫類初心者のための入門編に相応しい仲間について見てゆきましょう。
 何を入門編向きの動物にするかは、爬虫類をよく知る人の間でも意見が分かれるところでしょうが、僕は中型の草食獣を推したいと思います。飼育の手間はじつはけっこうかかるし、それなりに器具も必要になるのですが、動物自体が丈夫で長持ち、人にもよく慣れ、飼育環境にも馴化しやすく、表情やしぐさもおちゃめな種が多いのがたいへん魅力的です。
 野性では、植生が貧困で乾燥した苛酷な自然環境に順応して生きているので、飼育環境作りにもそんなにデリケートになる必要がありません。
 こうした条件に該当するトカゲとしては、中型で荒れ地や砂漠生のイグアナ類とスキンクス類、アガマ類があります。ショップで安価で売られているグリーンイグアナは、たいへん大型になりきちんとしつけないと獰猛で危険な性格に育ってしまうので対象外です。

 餌は、コマツナ、チンゲンサイ、サヤインゲン、ニンジンなどを生のまま細かく刻んで与えますが、じつは野菜だけでは栄養価に不安があるので、市販のイグアナフードやアガマフードを野菜にブレンドします。リンゴやバナナも少し混ぜてやると(毎回でなくていい)喜んで食べます。
 カルシウム不足を補うためにパウダー状のカルシウム剤も使用しましょう。
 餌の与え方ですが、細かく刻んだ野菜に人工飼料をブレンドし、霧吹きで少し加水し、カルシウム剤を振りかけます。餌を入れる容器は犬や猫用の皿が安定感もあって理想的です。
 トカゲは基本的に肉食獣で、進化の過程で植物食へと移行したので、多くの仲間が野菜の他に虫なども食べるので、餌を入れた皿の中にジャンボミルワームなどの生き虫をドカドカッと振り掛けてやるとひじょうに良いのですが、どうしても生き虫は無理という人は仕方ないですね。
 生き虫はトカゲたちの大好物で、駆け寄って来て食いつくさまはたいへん可愛いので、爬虫類専門店とかに通って餌用の虫に慣れて、順次飼料として導入するようにしましょう。また幼体の飼育には動物性タンパク質はひじょうに重要で、発育状態を大きく左右します。
 餌は毎日与える必要はありません。週に2〜3回ていどでOKです。餌と同時に浅いボールに入れた飲み水も用意してやりましょう。

 草食獣はけっこう食べ散らかすので、掃除は小まめに行ないましょう。飼育用のケージはガラス製の水槽が適当です。水槽の底に埃が立ちにくい砂をたっぷり敷きます。掃除の時には、この砂をフルイでシャカシャカして、糞やゴミを取り除きます。砂は動物が食べてしまっても大丈夫な、爬虫類飼育専用の砂が市販されているので利用するとよいでしょう。
 彼らは平面行動が主体となるので、可能な限り大きな水槽を用意します。ガラス面を登ることはないので、充分な深さがあればフタは要りません。通気はひじょうに重要で飼育環境が蒸れることは避けなければならないので、フタをするならネット状(バーベキューの網とかも利用できる)のものにしましょう。
 地形効果として流木や岩などを入れると良いです。生体が隠れることができるシェルターもあれば良いでしょう。地形効果を複雑にし過ぎて、トカゲが挟まって死ぬなんてことにならないよう注意しましょう。あまりモノを置くと掃除も大変です。

 トカゲは日光浴をします。岩か流木の地形効果の頂上付近を白熱ライトで照らします。ライティングされている場所が熱くて長く触ってられないほど高熱にするのがコツです。トカゲは50℃近くになる高温でしかもたいへん明るい場所で日光浴をしたり、日陰に行ったりを繰り返すので、ケージの中は高温の場所と涼しいところが必要で、その理由からもケージにあるていどの面積が必要になります。白熱ライトとは別に紫外線を多量に照射するタイプのライトを併用するのが一般的で、こうすることによって太陽光を浴びながら暮らすのに近い光環境を再現します。
 トカゲたちは太陽とお友だちなので、光環境の整備は重要です。発育盛りの幼体は紫外線を浴びることで体内のカルシウムを確保するので、これが不十分だとクル病とかになって生涯足を引きずってあるくハメになることも少なくありません。ただ、カルシウムは前述のサプリメントでもかなり補填できます。1日に数十分天日で日光浴させるのも有効です。
 太陽とお友だちの、いわゆる昼行性のトカゲは夜間はグースカ眠るので、ライトは日没と共に消灯する必要があります。これを自動的に管理するタイマーを用いると便利ですね。
 夜間、日本の冬はたいへん低温になるので、サーモスタット付きフィルムヒーターなどで、底面を加温します。ヒーターは底砂に埋めてしまうとよいのですが、底全面を加温してはいけません。涼しい場所も残しておきます。

 以上のような飼育レイアウトで、筆者はオーストラリア産のフトアゴヒゲトカゲ、アオジタトカゲ、インドから中東産のトゲオアガマ、アフリカ産のトゲオアガマなどを10匹くらい一緒に飼っていました。あまりお勧めできる飼い方ではありませんが、サイズや性格を考慮しながら順次増やして行けば、問題なく同居させることができます。乾燥地帯の動物の中でもいくらか高湿を好むものもいるので、夜間に頭に霧吹きしてやるのが有効です。砂漠でも夜露が降りたりするので、夜間の霧吹きはできればやる方が良いです。ひじょうに乾燥した地域の動物にも霧吹きしていいです。
 砂漠生の動物は、水入れの水を見つけるのが下手な場合も少なくないので、昼間でも顔に霧吹きしてやると喜んでこれを舐めたりします。また、これとは別に週1ていどで温水浴させるのもひじょうに有効です。ぬるま湯の中に飼っているトカゲたちを全員まとめて突っ込んでやります。水浴時間は20分ていど。便秘がちな個体もすっきりです。

 上述のトカゲたちは、日本の小さなすばしこいトカゲとまったく趣がちがい、小さな恐竜みたいで大変かっこよくしかも愛嬌があります。動きもけっこうのんびりしていて、飼っている内にすぐに飼育者に慣れます(種類や個体差で手ごわい場合もある)。充分に馴れた個体は、人が触っても平気ですし、人の手から餌を食べたり、人を見たら寄ってきたりします。
 爬虫類は変温動物なので餌も毎日食べなくても平気で、ほったらかしでも大丈夫なのですが、たっぷり可愛がってもOKで、そうすることによってさらに人に馴れて可愛くなります。あとはあなたが生き餌に馴れるだけですね。そして虫が絶対ダメな人でも、飼育動物が可愛いければ克服できるものです。釣り用の餌と一緒です。克服できなかった人を筆者は今のところまったく知りません。

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