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ウスバカゲロウ

2013/10/23


 カゲロウの名を持つ昆虫には2つのグループがあります。一般に陽炎(かげろう)のようにはかない命と表現される方の虫は、昆虫綱カゲロウ目に属し、幼虫は水棲の肉食昆虫で、亜成虫という時期を経て成虫になります。
 昆虫を2つに大別した場合、シミおよびイシニミの仲間のように成虫幼虫を通じて変態しない無変態で翅(はね)を持たない無翅亜綱と幼虫から成虫に変態する有翅亜綱に分けられます。そして有翅亜綱の中でも幼虫と成虫がよく似た形態で、違いは翅の有無というグループが不完全変態の外翅類で、幼虫と成虫がまったく異なる形態をしており、蛹(さなぎ)のプロセスを経て完全変態する仲間が内翅類です。バッタやコオロギ、カマキリ、ゴキブリ、ハサミムシなどは不完全変態の外翅類、チョウやガ、ハエやカ、ハチやアリ、甲虫類などは蛹のプロセスを持つ完全変態する内翅類です。セミやカメムシの仲間、トンボの仲間は、外翅類ですが、セミ、トンボでは幼虫と成虫の形態がかなり異なり、外翅類としてはかなり進化的な虫です。そして亜成虫のプロセスを踏むカゲロウ目の昆虫は、さらに内翅類に近い仲間と言えるでしょう。
 カゲロウ目の幼虫は、水生生活を送りながら他の虫を捕食し、成虫になると食事をせず、川面をヒラヒラと群飛して交尾と産卵を済ませて一瞬の命を終えます。水生の幼虫から飛翔する成虫になるところはトンボに似ており、成虫の命のはかなさはセミに似ていますね。カゲロウは1日の命なのでセミよりはるかにはかないのですが。



 そして、今回の話題であるウスバカゲロウは、じつはカゲロウ目の昆虫とは異なる脈翅目に属します。カゲロウ目の昆虫と脈翅目の昆虫は、成虫の形態がよく似ています。幼虫はアリジゴクという名で有名で、砂地にすり鉢状のトラップを作り、アリや小さな地虫を陥れて捕食します。そして脈翅目の仲間は蛹のプロセスを持つ完全変態する内翅類に含まれます。
 内翅類のほとんどの昆虫では、幼虫が体に対して極小の脚を持つイモムシ状であるのに対し、ウスバカゲロウの幼虫であるアリジゴクは、けっこうしっかりした長い脚を持ちます。このことから、脈翅目の仲間が内翅類の仲間でも原始的で、外翅類に近い虫であることが解ります。


 ↑ 頭胸部クローズアップ

 ウスバカゲロウの成虫は何を食っているのでしょう。フラフラとした下手くそな飛び方を見ていると、他の虫を捕食できそうにもありませんし、草を食むような口器もなさそうです。食事は摂らず、繁殖活動のみに短命を捧げるものと思われます。カゲロウ目のように1日の命ってことはなさそうですが。
 ウスバカゲロウの飛び方は不安定で、高速で長距離を飛ぶとは思えません。近くで羽化したのでしょう。ということは、うちの近所にアリジゴクが棲んでるってことです。ご近所を下を向いて歩いていると、アリジゴクの巣を見つけることができるかもです。
 じつは数年前に飼ってたんですけどね、アリジゴク。その時に撮った写真がパソコン内で迷子になっちまい、ここに掲載することができないんですよ、残念なことに。小さな虫ですが大きな大腮を持ち太っちょのクワガタムシみたいで可愛いです。

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