アオマルメヤモリ
2013/10/22
マルメヤモリ属の壁チョロたちは、アフリカ東部に分布する小型のヤモリで、生態も形態もヒルヤモリに似ています。目もヤモリ独特の夜行性タイプのものではなく、丸いつぶらな瞳です。その多くは地味な色あいをしていますが、本種はヒルヤモリをしのぐ美しさを呈します。
コバルトブルーゲッコーとか、ターコイズブルーゲッコーとも言われ、和名のアオマルメヤモリよりもよく体を表していると思います。
↑ オスです。メスに比べ青色が際だっている。
↑ オスの腹面。下顎部が黒、腹部が黄色、尾部はオレンジという、背面とはまったく異なる色あいになる。
飼育方法はヒルヤモリと同じで、同種あるいは異種混合も可能です。本種とヒルヤモリを一緒に飼うと、ケージの中はひじょうにカラフルです。生き虫を捕食するほか、昆虫ゼリーやフルーツもよく食べます。下の写真は飼育中の様子ですが、模造の樹を使ってレイアウトしています。潜り込める隙間の多いコルクバーグなどよりは、こっちの方が良いと思います。昼行性なので昼間に活発に動き回る様子が観察できます。
スプレーで水を与えてやると、小さな舌でチロチロと舐めます。
↑ メス。写真が暗くなってしまってよくわからないが、緑色に金属片を散りばめたような体色はそれなりに美しい。
タンザニアの一部の森林地帯にのみ棲息が確認されている希少種ということですが、一頃はかなりまとまった入荷がありました。丈夫で飼いやすいヤモリなので、国内でも繁殖に成功している人が少なくないと思います。CB個体が多数出回ると良いですね。
↑ 飼育環境はこんなか感じ。
それにしてもオスのターコイズブルーは、人工的に着色したような鮮やかさです。オオトカゲやザリガニ、タランチュラ、海水魚の仲間にもこうした強烈な青色を呈するものがいますが、保護色とは逆効果で、自然界では目立ってしょうがないと思うのですが。岡山県で爬虫類ショップを営むタランチュラの権威の方がおっしゃるには、熱帯雨林の昼間の照葉樹の中では、こうした色あいがかえって目につきにくいのだそうです。
本種のオスの美しい色あいを維持するには、紫外線量の多いUVライトが必要であるとも聞きますが、筆者のところでは自然光のみで綺麗な色を維持していました。直射日光の当たらない屋外にガラス温室を配し、その中で飼育しているので、ガラス越しの弱い日差ししか入らないし、ガラスが紫外線を効果的にカットするとも言われているのですが。完全な屋内飼育の場合はUVライトを使った方が良いかもしれませんね。