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ケラ

2015/08/15


 英語でモールクリケット、すなわちモグラコオロギと呼ばれている昆虫です。むかしは田んぼの周囲などでよく見かけましたが、最近は見ることが少なくなりましたね。田地が減少したのと、筆者が土と親しむことがなくなったせいでしょう。それでも何年かに1度くらいのペースで見かけます。おそらく灯火に飛来したものと思われます。本種は基本的に地中生活者で、植物の根や土壌生物を食べていますが、夜間に地表を駆け回ったり、飛んだりすることもあります。成虫は雌雄とも啼きます。夜に地表まで届くかなり大きな声で啼きますが、飼ってでもしないと何が啼いているかなんて判りません。



 むかしはけっこう普通の虫でしたが、コオロギの仲間で地中生活にこれほど特化したものは珍しいですね。コオロギの中には土を掘って身をひそめたり産卵したりするものもいますが、ケラは食べ物も土中で求めるモグラ生活者です。
 コオロギ上科としてコオロギと近縁の仲間に含められていますが、科レベルではケラ科を構成しています。日本のケラ科動物は本種だけです、たしか。



 地中を掘り進むために特殊化した前肢は、まるで熊手のようになっています。



 横から見るとこんな感じ。



 飼育用にセッティングしたプラケースに入れてやると、しばらく地表をさまよった後、プラケースの側面に沿ってトンネルを掘り始め、またたく間に潜ってしまいました。
 この個体は終令幼虫ですね。翅がまだ生えていません。



 ケラの飼育は容易ではないとむかしから聞いていました。1時的なストックに終わることがほとんどみたいです。でも最近は飼育下での繁殖例もあるみたいで、研究している人たちの努力には頭が下がります。
 いろいろ調べてみますと、田んぼの土を使用するのが良いとか、土よりもミズゴケが良いとか、ミズゴケに巣を作るとか、そんな情報が得られました。
 筆者としては、なんでも同じように飼おうという姿勢に則って、とりあえず昆虫マットを集めに敷き詰め、ミズゴケのストックがあったので充分に加水してそれを隅っこに詰め込みました。新鮮なニンジンをマットに埋め込み、あとは昆虫ゼリー、小皿に入れた熱帯魚用飼料を配します。我ながらほんとに何でも同じだなぁと思います。



 こちらは成虫です。翅がありますね。地表に置くとすぐに潜ってしまうので、撮影のためにプリンカップに入れています。



 ケージに移すと、あっという間に穿孔してしまいました。危うく撮影が遅れるところでした。



 1頭だけ潜ろうとしない者がいます。地表に置いた昆虫ゼリーを見つけたようです。はい、昆虫ゼリーに餌付きました。栄養と水分が1つで摂取できる魔法アイテムに餌付いてくれると、飼育の見通しが明るくなります。



 一心に食べてます。水分を欲していたのかもしれませんね。他の個体が、筆者の手を離れたとたんに一目散に地中へ逃れてしまったのとは対照的です。危険回避行動よりも目前の食べ物に心を奪われているようです。これを見て虫ケラは愚かだと判断するのは早計です。それは人間目線の考え方というものです。彼らは我々が考えているようには思考しませんから。我々飼育者は、ケージという特集な環境にある程度の順応を見せる野生動物の生態のごく一部を観察し得るに過ぎません。



 飼育難易度の高い虫と聞いているだけでかなり怖気づいているわけですが、果たしてどうなることでしょうね。少しでも長く飼い続けたいものです。

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