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メキシカンレッドニータランチュラ

2013/10/25


 たいへん有名で美しいバードイーターです。成長すると脚の間接部分が朱色の毛で覆われ、朱と黒のバンド模様になります。メキシコ産です。温厚な性格ではありますが、危険を感じると後脚で腹部をこすって毒毛を飛ばします。微細な毒毛が空中を舞い、これが肌に触れると痛かゆい思いをします。筆者も最初はこれに悩まされましだが、いつしか慣れちまったというか、ほとんど気にならなくなりました。バードイーターはたいてい毒毛飛ばしをするのですが、本種はとくによくするような気がします。これさえなければタランチュラ初心者にも絶対お勧めなんですが。



 ↑ 3cm径の試験管の中のベビーたち。体長数ミリの生後間もない幼虫たちだ。

 バードイーターの場合、メキシカンレッドニーバードイーターのように最後にタランチュラと付けないことが多いです。他のグループと区別するためですかね。バブーンやアースタイガーでも、まぁそうですか……。でも、筆者の経験では本種に関しては、メキシカンレッドニータランチュラと呼ぶケースが多い気がします。この点について専門家に尋ねても、明確な答えは返って来ないでしょう。オオツチグモを熟知する人たちにとって、そんなことはどうでもよいことです。グループ分けを明確にしたければバードイーター呼べばよいし、業者が商品としてタランチュラの名を強調したければそう呼べば良いのです。メキシカンレッドニーは古くから有名で、かつてはグループ分けはそれほど重視されておらず、その名残でタランチュラと呼称されることが多いのかもしれません。その後、棲息地域毎にオオツチグモの特性がかなり明確に分けられることが判り、グループ分けが重視されるようになったのでしょうね。


 ↑ 試験管の中で脱皮するみずみずしい幼虫。

 メキシカンレッドニーもかなり大型になるタランチュラです。したがって幼虫の成長速度もかなり早いです。何度も脱皮を繰り返し、みずみずしい小さなクモから、黒とオレンジのコントラストが明瞭な美しいタランチュラへと成長します。


 ↑ 20mmていどに成長した脱皮直後の個体。脚は全体が薄いオレンジの毛で覆われバンド模様にならない。右に脱け殻が見える。


 ↑ 体が白っぽく、腹部の毛がかなり剥奪してしまっている。脱皮前の兆候だ。


 成長して、脚が美しいバンド模様になるのに1年近くかかりました。頭胴長は5cmほどです。まだ成長しますが、この色あいを見ますと性成熟しているように思えます。クモは性成熟して成体になってからも成長が続くようです。


 ↑ 頭胸部のクローズアップ。



 ↑ 美しいタランチュラに成長した。ハンドリングしてみた。ここまで成長するのに約1年、まだまだ大きくなるが今後の成長は遅い。


 バードイーターは、ツリースパイダーのようにたくさんの糸を吐いてケージを白綿で覆ってしまうようなことはありません。また、成長するに従ってあまり土を掘らなくなるのでケージを覗くとちゃんと姿が見えるので、飼ってる感があります。それでもまったく糸を吐かないわけではなく、地表をうっすらとモヤのような白いものが覆っている感じになります。自分の居場所を糸のカーペットで覆い、侵入者があると振動がすぐに伝わるようになっているという説明を聞いたことがありますが、真偽のほどは定かではありません。より進化的で高度な巣を作るクモでは、巣に獲物がかかると巣の振動でそれを感知しますから、タランチュラのカーペットにもその機能があるのかもしれません。



 上の写真では、自分の居場所の周りだけを小さくカーペットで覆っていますが、これは脱皮の準備だと思われます。普段はケージのほぼ全体を糸で覆っています。飼育環境に慣れたバードイーターは、ケージを自分が独占している洞穴だと認識しているようです。
 大きく成長したタランチュラの脱皮は一仕事です。爬虫類のように簡単に旧皮が脱落するのではありません。何時間もかけて少しずつ脱皮します。その間、タランチュラは仰向けになったまままるで死んだような状態になり、時々わずかに動いて、ゆっくりゆっくり旧皮から新しい体を引き出して行くのです。タランチュラにとって脱皮前後の数日間は、ひじょうに無防備で危険な状態です。その間に外敵が侵入して来ないことを祈るしかありません。飼育下では外敵の心配はありませんね。


 ↑ 頭胸部腹面(裏面)のクローズアップ。口器の大きく鋭い大腮が恐ろしげだ。これに噛まれ、傷口から消化液が入ると、患部は大きく腫れ上がる。

 タランチュラは、オスは短命だがメスはひじょうに長生きすると言われています。オスはメスと出会って交配を終えると、それで死んでしまうとも。では、メスと出会わなければいくらか長生きするのでしょうか? 筆者は3頭の本種を幼虫から育て、そのうち1頭は生後4年で他人に譲り、1頭は生後6年で死去しました。残る1頭は生後14年が経過した2013年現在も元気にしています。今では脱皮のスタンスも10ヶ月からそれ以上になります。存命中の個体がメスなのは間違いないでしょうが、6年間生きた個体はどうだったのでしょう。タランチュラの雌雄の見分け方は慣れればそれほど難しくないらしく、オスの前肢にあるフックで見分けられるそうです。あるいはオスの触肢の膨らみでも見分けられるとか。自分の飼っていた個体の性別も判らなかったなどと言うと、また専門家の方に叱られそうですね。



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