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クズ

2015/10/06


 都会化が進んだ場所でも、あきれるほどよく見かける蔓植物ですが、植物性タンパク質が豊富で、多くの虫たちが食草にしています。人間さまもクズキリやクズ団子なんかにして食しますが、最近ではそうした食べ物もメジャーなものではなくなりつつありますね。この増えて増えてうんざりする身近な植物をもっと有効利用することを強く訴えたいです。



 大きな葉をたくさん茂らせ、道路わきのフェンスや植え込みの植物を覆ってしまうやっかい者であることに加え、カメムシの温床で夏から秋にかけてイヤな臭いを放っているわけですが、独りジャングルと表現してもいいような繁殖ぶりを支える根は直径が20cm、長さが人の大人ほどにもなるそうです。良質のデンプン質がたっぷり採れるので、これを収獲すつとたいへん貴重な食料源になります。葛根湯の名称で知られる風邪薬もこの根っこが減量です。



 そもそもマメ科植物は高タンパクなので、多くの虫たちにとっても重要な食料源ですし、クツワムシなどはほぼこの葉を専食してあの大きな体を維持しています。キリギリスもこれを食しますが、クツワムシの場合は、キリギリスのように他の虫といった動物質をあまり摂らずとも、ほぼクズの葉だけで必要な栄養がまかなえるようです。



 大きな葉は虫たちが身をひそめるのにも、雨よけにももってこいです。クズの茂みを入念に見て回ればたくさんの昆虫に出会うことができます。小型のタマムシ類もよく見つかります。
 人間にとって根っこは有効な資源ですが、葉も食料源として役立てることはできないのでしょうか。このまま葉野菜にするのは無理でしょうが、原料としては使えそうです。秋の七草にもなっているので食べられますし。



 自らの茎に巻きついているツル。難義なことになってます。



 この植物は野山よりも都会化が進んだ場所、道路脇やフェンスみたいな細長い環境をとくに好むような気がします。そういう場所ではカメムシが大量発生し、時おり役所の人がせっせと刈り取って焼却してしまいます。野原や空き地に繁殖するとキリギリスの声が聞こえだし、堤防や中洲ではクツワムシの大合唱が始まります。
 筆者の家の周りでも、家を建てるための造成が進んでいるもののその多くが空き地になっていた頃には、たくさんのキリギリスが棲んでいました。最近では家がどんどん増えてキリギリスたちもいなくなってしまったのですが、雑草刈りがしばらくされていないような小さな空き地でも、キリギリスが帰ってくることがあり、そのたくましさに驚かされます。以前はタマムシもよく飛んでいました。タマムシはエノキやサクラの葉を食草にしていると言われていますが、もしかするとクズの葉も食べるのではないかとひそかに疑っています。

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