スズメ
2015/11/10
もう半世紀以上むかし、鬼才アルフレッド・ヒッチコック監督のホラー映画「鳥」は、今思い返してもすごい映画でした。日頃見なれている小鳥たちが、理由もなく突如大群を成して人々を襲い始めるのです。 筆者が子供の頃は、小鳥の飼育がひじょうに一般的で、ご家庭の庭先に鳥カゴが吊るしてあるのをよく見かけました。小鳥屋さんもたくさんありましたし。なので鳥を至近距離で観察するというのは、筆者の世代の人間にとっては当たり前のことなのですが、いつごろからでしょう、鳥を飼育する人がすっかりいなくなったのは。代わりに爬虫類や変な虫なんかを飼う人が増えましたけど。
ある朝6時頃、鳥の声がうるさいので外を眺めた筆者の嫁さんが目撃したものは、見渡す限りのスズメの大群でした。古くから人家と共に生きてきたスズメは、都会化の進んだ場所でも普通に見られる鳥ですが、これほどの大群を成すことは珍しいですね。
ムクドリなどが群れて公害にもなっている話しはよく聞きますし、筆者も見覚えがありますが、スズメは群れてもせいぜい1〜2本の木でピーチク騒いでいるていどでしょう。筆者の経験ではそんな感じです。そのていどの群れなら、うちの周りでも見かけなくはありません。
スズメってだいたい人家の屋根や植え込みにいたりしますよね。それが高いところの電線にずらりと並んで早朝から騒いでいるのはちょっと異様です。この辺りは山岳地で種々の野鳥が姿を見せますが、高所の電線に止まっているのは、ふつうはもっと別の鳥です。鳥類に無知な筆者には何の鳥かは判りませんが。
嫁さんの話しでは、スズメの群れはひじょうに広範囲に及び、7時過ぎまでとどまっていたそうです。渡り鳥の休憩みたいですね。でもスズメって渡り鳥じゃありませんよね。