1_萌萌虫雑記帳.png

テナガオオキバキマネ

2013/11/07



大阪府四條畷市の生駒山系にある“府民の森”で、すごい虫を見つけました。

 上から見た形状は、頭部、前背板、翅鞘に分かれることから、鞘翅目(甲虫類)に分類される昆虫であることは判るのですが、さらに下層の分類については不明です。前方に大きく伸長した大腮は、クワガタムシの♂を思わせますが、カミキリムシの仲間にも見えます。それよりも科の同定の決めてとなる触角が見当たりません。触角が退化して痕跡状になる昆虫など聞いたことがありません。代わりに前肢が異状に長く、これが触角の代行を担うと言えなくはないですが、それでは感覚器としてあまりに不適当です。また、尾端に一対の尾肢あるいは尾部付属器らしき器官がありますが、甲虫類ではわずかにハネカクシ類に見られるもので、それにしたところでこれほど顕著ではありません。


 何よりも驚かされるのは、その擬態の程度のすさまじさです。頭胸部はサクラの小枝そっくりで、菌類や虫コブの付着さえ伺えます。また翅鞘はサクラの若い樹皮にそっくりです。6肢も枝様になり、左前肢の腿節には大きな虫コブがあります。これは紅葉落葉樹に寄生するものです。

 前肢の脛節前縁にある突起は外方に著しく突出し、これも枝を思わせます。フ節は8節ありますが、各節の境界は不明瞭になりこれまた枝そっくりです。中後肢にはフ節がありません。おそらく羽化後まもなく脱落してしまうのでしょう。樹上生活者でフ節が脱落するのも変です。もっともそのおかげでいっそう枝に似た肢の形状を呈するのですが。

 大腮基部は頭部の頭頂付近に位置し、極めて小さな頭部を覆う感じになります。そしてあろうことか、この大腮も樹皮に擬態しています。大腮はその大きさとは裏腹に薄く弱々しく形骸的です。そして脆い大腮を支えるようにし、口髭が非常識なほど肥大し硬質化しています。これも見ようによっては、枝の折れた部分に見えなくはありません。

 動きは緩慢で、強い外部刺激がないかぎりじっとしています。全長は120mmていどでかなり大型です。こいつがいったい何者なのか、どなたか適切な回答をお願いします。



 自然観察眼の鋭いみなさんなら、一目でお判りですね。こんな虫もちろん存在しません。これは府民の森・森の工作室で僕が作った駄虫です。天然サクラ100%ですから擬態していて当然です。サクラの木は枯れ枝であっても柔軟性に富み、けっこう丈夫で加工しやすいです。

 反省点は、触角に試行錯誤してけっきょく作らなかったこと、6肢が寝すぎていて横からみると格好悪いことです。これ以上うまく作るには僕の技術が付いて行かないので反省してもしょうがないです。
作ったのは1年くらい前じゃなかったかなぁ。作っているうちに最初の思惑とはちがう虫になっていってけっこう笑えます。昆虫の形態の特徴さえ把握していればたいへんお手軽に作れますし、皆さんも挑戦してみて下さい。

1999年12月記



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