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ガロアムシ

2015/12/17


 日本に棲む珍虫として愛好家の間ではけっこう有名な虫ですが、まさか実物を目にする時が来るとは思ってもみませんでした。基本的には高山に棲息するようですが、今回入手した個体は、埼玉県の標高500m以下の山で採集したもので、夏場の気温は平地とあまり変わらないところにいたそうです。
 2002年に新たな"目"として登録されたマントファスマ目(カカトアルキ目)とは近縁関係にあるとも言われており、非翅目(ガロアムシ目)にマントファスマ類を含める学者もいるそうです。マントファスマの現生種が見つかって研究されるまでは、とくに既存の非翅目に入れられていたのでしょうね。
 マントファスマ類は、ナナフシを短くしたような虫で、長い6肢で木に登り樹上の虫を捕食しますが、本種は6肢が短くゴミムシ類のそれに似て走行に適しており、徘徊生活を送りながら朽木や石の下の虫を捕食しています。



 分類的には外翅類に属するそうですが成虫になっても翅はなく、形態的には幼虫とほとんど変わりません。太古のむかしに翅を持つ昆虫から分かれ、生活様式から翅が退化したのでしょう。孵化してから羽化まで5〜7年を要し、成虫になってからも1〜2年の寿命があると言いますから、このサイズの昆虫としては現生種にはあまりみられない長生きさんですね。大むかしはもっと種類も多くより大型のものも存在したのかも知れません。それがゴミムシやオサムシといった強力な捕食者との競合に敗れて衰退し、高山に逃れたものがわずかに生き残ったのでしょう。日本にも何種類かのガロアムシがいるそうですが、高山にいるため生息地は分断的で、地域によっては絶滅危惧種にもなっています。



 体は柔らかくシロアリを長くしたような感じです。乾燥に弱いところもシロアリに似ています。6肢は走行に適しており、なかなかすばしこいです。プラケースの壁面もやすやすと登ります。想像していたよりもはるかに俊敏で、よく動き回ります。逃がさないように管理することと保湿のために飼育には昆虫マットを敷いたプリンカップを用いることにします。餌として、うちで繁殖させたワラジムシを入れておきます。あとはシェルター用に木片を1つ。
 短い産卵管があるのでメスですね。こういうところはコオロギの仲間に似ています。日本にはいませんが近縁のマントファスマは直翅類のような長い肢を持っており、コオロギやバッタ、ナナフシ、カマキリといった仲間とは近縁であるようですね。現生のこうした昆虫類が栄える以前は、ガロアムシの仲間もたくさんいたのかも知れません。

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