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インドヒラマキガイ

2013/11/12


 赤黒い小さな巻き貝です。大好きな動物でかれこれ20年ばかり飼い続けていると思います。息子が小さな頃に熱帯魚を飼い始め、購入した水草にくっついていたのが本種との出会いでした。タニシやカワニナとは趣がちがっって、水中の小さなカタツムリといった感じの巻き貝で、貝も身も同じ色でソフトな感じがして、粘土細工のようです。成長しても貝の直径が1cmを上回るていどです。



 原種はかなり黒っぽくわずかに赤みが差すていどでけっして美しいとは言えません。それが魚の水槽で大繁殖すると、飼育者はゴキブリがわいたように嫌い、餌で集めて除去します。小魚を多数飼っている水槽では、魚の餌食になってしまって増えないものですが、水草水槽や大型の魚食魚を飼っている水槽では外敵がいないのでどんどん増えます。
 水槽に繁殖する茶苔を食べてくれるので、水槽の掃除屋として紹介されることもありますが、その役目を果たす前に魚の餌食になることがほどんどです。また水草水槽では、柔らかい葉を食害するので、けっきょく嫌われ者です。
 小さな貝たちは魚の水槽ではゴキブリ扱いで、筆者が飼い始めた頃には、たまたま水草にくっついていたものくらいしか入手手段がなく、熱帯魚店の水草にこいつを見つけるとお店の人に頼んで分けてもらったりしたものでした。食堂でゴキブリをいただくようなものですから、お店の人はあまりいい顔をしませんけどね。
 本種はかなりの確率でアルビノ個体が得られました。メラニン色素の欠乏する個体は、鮮やかなルビー色です。筆者はそればかりを選別してアルビノ品種の固定に成功したのですが、同じことを多くの人がやっていたようで、やがてレッドラムズホーンの名でアルビノ品種が市販されることが目につくようになり、自分の努力の虚しさを思い知りました。


 ↑ レッドラムズホーンことインドヒラマキガイのアルビノ品種。(上2枚とも)

 小さな生き物ですから、小さな容器でたくさん飼えるのですが、個体密度が増加すると互いに互いの殻を舐め合い、殻が下の写真のように白くボロボロになってしまいます。ひじょうに見すぼらしいです。これを防ぐのは困難で、あるていどはあきらめるしかありません。ところが近年、殻が硬く容易にボロボロにならない品種が作出され、多数の個体を1つの容器で飼っていても綺麗な状態を維持できるようになりました。素晴らしいですね。
 最近は市販されるのをあまり見かけませんが、一部の熱心な愛好家によって改良品種があれこれ作出され、ピンクのものブルーのものなどもいます。



 本種の繁殖は容易です。複数飼育していると必ず産卵が見られ、やがて1ミリにも満たない稚貝が生まれてきます。透明なゼリー状のもので包まれた卵塊はかなり丈夫で、水槽のガラス面にくっついたものなどは手荒に扱っても容易にはがれません。水槽を乱暴に水洗いしても、たいていはちゃんと稚貝が孵ります。水槽に水草を入れず、ウィローモスのような糸状藻を入れておくと、ガラス面に産みつけるので、卵塊の中の稚貝の成長が観察できます。水草を入れておくと葉に産みつけます。
 稚貝の成長は早く、したがってどんどん増えます。近親交配にも強くて、数年間は安定して個体数を維持しています。ずっと1つの入れ物を維持し続けるとさすがに種の劣化が生じるのか、急に個体数が減少したりします。その時は新たに購入した個体を放り込んでやります。


 ↑↓ 水槽のガラス面に産みつけられた卵塊。


 小魚との同居では負けてしまいますが、小型のヌマエビとの同居は大丈夫です。国産のヌマエビやビーシュリンプは一緒に飼えます。水草やウィローモスを入れておくと本種とエビが共に繁殖します。ただ、成長したエビが稚貝を食べないとは限らず、エビとの同居によって繁殖力が低下するのも事実です。本種を絶やさないためには、本種のみで飼育する水槽も設けると良いでしょう。


 ↑ 熱帯魚用のペレット状飼料に集まっているところ。親貝をはじめ様々な成長過程のものが見られる。

 本種が互いに舐め合うのは、カルシウムを得るためでしょう。殻はカルシウムの宝庫ですからね。稚貝や若い個体は、新陳代謝によって舐められた傷は回復するようですが、成熟するほど回復しなくなり、白い筋が目立つようになり、やがて白くぼろぼろになってしまいます。


 ↑ 成長するにつれて白い筋が目立ってくる。まるで白髪のようだ。

 最近の硬質の殻を持つ品種は、成熟しても白い筋が少なく、殻も艶やかで綺麗です。水槽のゴキブリと嫌われていた貝たちを、こんなに美しい品種に改良した人がいるなんて、すごいですね。


 ↑ 硬質の殻を持つ改良品種。

 インドヒラマキガイを飼うには、水を入れられる容器があればそれでOKで、特別な装置は何も要りません。2〜3匹ていどなら小さなグラスでも飼えます。水量が少ない場合は給餌量をひかえ、小まめに水換えをします。1日か2日に1度、容器の水を全部すてて新しい水を入れてやるだけです。エアレーションも冬場のヒーターも無用です。猛暑にも極寒にもよく耐えます。
 筆者はアサガオ型の金魚鉢に浅く砂利を敷き、小さな水草を入れて飼っています。この状態で9年になるかな。一頃はサカマキガイやビーシュリンプを同居させていました。水草があれば餌はほとんど必要ありませんが、週に3回ほど熱帯魚用の餌を微量与えます。これで大いに繁殖します。
 夏は30℃を越え冬は10℃以下になる筆者の自室で、貝たちは元気にしています。2〜3週間に1度は金魚鉢を丸洗いします。きめ細かいネットに金魚鉢の水をあけ、水道水を直接注入してまたあけるを数回繰り返し、ネットに残った貝を金魚鉢に戻しておしまいです。冬は筆者が在室していると暖房で水温が上がりますが、水換えに使用する水は水道から直接出る真水です。強烈な水温差ですが、貝たちにはほとんどダメージはありません。つよっ!
 ビーシュリンプと同居させていると貝たちの繁殖が低下すると上述しましたが、けっきょくこの金魚鉢で最後まで生き残るのは貝たちの方で、エビたちはおおよそ2年で絶えてしまいます。よわっ!


コメント
貝について、飼育してる人の内容みたくて辿り付きました
うちも、ラムズホーンを、2種類ほど飼育してます!
そして、エビや小魚も、多数いるのですが、小分けして、貝とエビは、繁殖させたいので、産卵ケースで、育ててます!
エビは、増えたら、水草水槽へ入れてあげる予定です

ここの飼育の記事 大変参考になりましたヽ(・∀・)ノ
りぼん様。
エビや貝って地味なのにほんと飽きないですよね。
ぜひとも長く飼ってたくさん育ててください。
そして何か発見や、飼育のコツなどを見つけられましたら、ぜひ教えてください。
  • 筆者
  • 2016/03/03 10:19 PM
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