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ウロコアシナガグモ

2016/06/11


 メスで7〜9mm、オスは7mmどまりというとても小さなクモです。小さな緑色のクモと言えば、ハナグモやワカバグモを思い浮かべますが、これらがカニグモ科であるのに対し、本種はアシナガグモ科というまた別の分類群に属します。カニグモ科は徘徊性の小型種で構成されるのに対し、アシナガグモ科は水平網を張る中型種が多いようです。本種は同科のクモとしては小さい方です。
 アシナガグモ科というグループを筆者は知りませんでしたが、古い分類ではコガネグモ科に含まれ、そこから独立した科ということで、筆者のような勉強不足の旧人には目新しい科ということになっちまいます。



 本種ももちろん巣網を作るのですが、巣を作らずに獲物を狩ることもあるというので、小さな容器で飼えば巣作りはしないかもと予測したのですが、ちゃんと巣網を張りました。



 飼育を始めた翌日。産卵が確認できました。うっすらと黄緑色を帯びた卵は、とてもきれいで、糸で包まれているものの揺籃がひじょうに希薄なので1つ1つの卵の様子が確認できます。



 自然界では葉の裏等に揺籃を作るそうですが、産卵を想定していなかったので葉やその代わりになるものを入れてませんでした。結果、コガネグモの仲間と同じように巣上に空中に浮いたような揺籃を作ることになりました。シェルターになるものがなければ、せめて容器の壁面やその近くに作ってもよさそうなのに、大胆にも容器の中央にぽっかりと浮かんでいます。容器のフタがすでに葉の役目を果たしているってわけですかね。



 一心に卵を守っています。揺籃の下側にいるのは下からの敵に備えているのでしょうか。



 観察のためにフタを取り除いたので、メスは揺籃の上に回って卵を守ることになり、おかげで背面の様子を見ることができました。腹部背面の美しい模様と、頭部の8つ目がよく目立ちます。
 腹部の網目模様は、細かい金属光沢を放つ鱗片から成り、キラキラと輝いています。この模様がウロコアシナガグモの名の由来ですね。



 採集者撮影による画像です。よくお世話になっている虫とり名人の方です。同じ個体の産卵前の姿です。腹部がよく膨らんでいますね。この画像では腹部のウロコ模様が覆面の方にまで及んでいることが判ります。



 同じく採集者撮影画像。ひじょうに長い肢の様子がよく判ります。また、撮影明度のちがいで体色がかなり濃くなっていますが、それを差し引いても腹部の網目模様が黒く見えます。本種は、外敵等から刺激を受けると、模様が黒くなる習性があるそうですから、そのためかも知れません。

 さてさて、こんなに小さなクモの幼虫が孵化したとしても、筆者にはそれを育てる能力がないです。キイロショウジョウバエでも孵化後の幼虫の餌には大きすぎるかもです。成虫と同じように長い肢を持っていれば、ショウジョウバエくらい捕食できるかもですが。クモはしばしば自分より大きな獲物でも捕獲しますけどね。

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