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ハラクロコモリグモ

2016/07/22


 出ました。いわゆる「クモの子を散らす」ということわざを筆者が初めて目の当たりにしたクモです。ことわざの解説では、クモの袋を破ると中から子グモが多数飛び出してきて四散する様子とありますが、本種は揺籃や巣を作りません。孵化した幼虫をメスが背中に担いでいるのです。子供の頃、筆者は路上を歩いているクモを捕まえようとして追いかけたところ、そのクモの背中から無数の子グモが飛び出し、四方八方に逃げてゆきました。これがコモリグモだったんですね、今から思うと。



 筆者が若いころは、コモリグモの仲間はドクグモ科に属していたと思います。ヨーロッパに棲息する有毒のコモリグモと同じ仲間だからですが、じつは毒性は強くなく、日本のコモリグモに至っては毒性は他のクモと変わらないばかりか、咬まれることさえまずないので、いつのまにか科名が変更になったようです。



 巣網を作らない徘徊性のクモです。地中生活者だと聞いたこともあります。縦穴を掘って身を隠し、近づく獲物を捕食するとも。ネットであれこれ調べましたが、よく解りませんでした。コモリグモの仲間が地中性であるとしたら、子供の頃の筆者が目撃した背中に子グモを背負ったメスは特殊な事例だったというわけです。普通は巣穴の中で子守をするのでしょう。



 ヨーロッパに棲む有毒のコモリグモには、タランチュラコモリグモという大型の(といっても30mm以下)のものがいるそうですが、こうして見ると確かにタランチュラっぽい趣があります。体長は10mm以下で、大型のタランチュラの生後間もない幼虫ほどですが。



 クモの子を散らす、の実態についてネットで調べてみましたが、母グモの背中から離散するコモリグモについては何も見つかりませんでした。多かったのは、子グモ同士が球状に固まっていて、それを刺激するとジワジワと拡散し、しばらくすると再び集合するというもの。子グモのそうした習性を知りませんでしたから、ちょっと驚きました。残念なことにそれらが何グモの幼虫たちなのか、記載が見つかりませんでした。
 メスが背中に幼虫を乗せて保護するクモは、コモリグモの仲間だけなのでしょうか。クモと共に蜘蛛形綱(クモ綱とも)を構成するサソリの仲間は、いずれもコモリグモと同じ習性を持ちます。サソリでは主流の幼虫の保護も、糸で揺籃作ったりするようになったクモの仲間では採用されなくなったようですね。ということは、本種は原始的なクモなのでしょうか。本種と似たところがあるオオツチグモ科(タランチュラの仲間)も原始的なクモとされています。

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