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コガネオオトカゲ

2013/12/04


 インドネシアの熱帯雨林に棲息するオオトカゲです。イエローヘッドモニターの名で流通することが多いです。インドネシアはオオトカゲの宝庫ですね。オオトカゲいわゆるモニターの仲間には、樹上性の小型種、水棲指向の強い種、半樹上性の大型種、巨大種などがいますが、本種は大型種の位置づけになります。幼体のうちは樹上生活者ですが、大きくなると全長が1メートルを越え、体重もかなりのものになりますから、徐々に地上生活に移行して行くようです。



 イグアナの仲間であればこのサイズでは、成長するにつれて植物食へ移行しますが、モニターの仲間は生涯肉食です。爬虫類の肉食はおおむね虫食いなのですが、これくらいの大型種になると小さな哺乳動物やヘビなども襲うでしょう。飼育下ではマウスが主食になります。ただ、マウスのみというのは問題があるという意見も聞きます。


 ↑ マウスを食べる幼体。

 生後間もない全長30cmていどの幼体が手頃な値段で市販されていることが多く、たいていは幼体から育て上げることになるのですが、ヘビの飼育のようにマウスオンリーというのはさすがにまずいかなと考え、コオロギやフルーツローチ(大型の熱帯性ゴキブリ)、ウズラのひな等も与えていましたが、主食はマウスに頼っていましたそれでスクスクと順調に育ちました。人から餌をもらうことをすぐに覚えるトカゲなので、コオロギを放ってやってもそれには目が行かずガラス越しに盛んに餌を催促するようになりました。それからは人に馴れさせる点からも、マウスやウズラを手渡しで与えるようにし、コオロギや小さな虫はほとんど用いなくなりました。



 モニターの仲間は、30〜40cmくらいでは小型な方で、この大きさでも極めて俊敏です。馴れてきたからと気を許すと、猛烈なダッシュで逃げてしまいます。また、人を見ると餌を催促して寄ってくるようになってからもハンドリングは容易ではありません。無理やり捕まえようとすると鋭い爪で引っかかれて負傷します。モニター類の爪の硬さ鋭さは猛禽類のそれと同じで、他のトカゲとはレベルがちがいます。それでも馴れさせてハンドリングできるようにしつけなければ、成長して1メートル級になってから手に負えなくなります。



 筆者が飼っていた個体は、人を見ると駆け寄ってきてジタバタして水槽のガラス面を登ろうとしてあがき、その仕種がじつに可愛いのですが、触ろうとすると激しく抵抗し、1年以上経過してもハンドリングは無理でした。ベテランの飼育者によると、幼体の内は狭いケージで飼って逃げ場を少なくして餌を手渡しする際に下顎辺りに触れるようにして徐々に馴れさせるのがコツであると教えてくれました。筆者は将来大きくなることを想定して、全長30cmていどに育った頃から2メートルの水槽で飼っていました。別の方からは幼体の内から広い場所で飼わないと大きくならないという助言を受けていたからです。確かに、魚の飼育では水槽の大きさが生育状態を左右し、水量が多い環境で育てた方が成長は良好です。モニターの飼育にはどちらが望ましいのでしょうね。
 自然環境のことを考えると、狭いところでは可哀そうという感情論に陥りがちですが、人工的な環境と常に人と接していること自体がすでに自然とは大きな隔たりがあるので、感情論もあてになりません。ヘビの場合には広すぎるケージでは返って落ち着かない場合が多いです。飼育環境に馴化したヘビはケージ全体が自分の巣のように感じていて、そこへ人が餌を持ち込むことが当たり前と思っているようですから、余分なスペースは彼らにとって不安な領域なのでしょう。


 ↑ 人から餌をもらうために伸び上がっているところ。

 コガネオオトカゲは、たいへん美しい色彩をしています。基調は黒で、黄色の斑紋が並びます。尻尾の方ではこれがバンド模様になり、ちょっとワニのそれに似た感じです。腹面は全体的に黄色です。首から頭頂にかけては黄色の度合いが多くなり、口吻はほぼ黄色、このことから頭部が黄色に見え、英名のイエローヘッドモニターの由来になっています。


 ↑ 馴れた個体はこうして人に駆け寄ってくる。上から見降ろされても平気だ。

 幼体の成長はかなり早く、孵化した翌年の春には全長が倍くらいになります。成長速度はもちろん餌の量によりますが、過剰に与えると吐き戻してしまうことがあります。かなり大きめのマウスでも強引に飲もうとします。人間なら喉がつまって窒息するところですが、爬虫類は哺乳類ほどの酸素を必要としないので大きなマウスを飲み下すのに時間がかかっても大丈夫です。
 全長70cmくらいから成長速度は遅くなる気がします。この頃から体格もよくなってきますから、長さだけでなく横幅の成長も必要なので、その分成長速度が低下したように見えるのかもしれませんが。
 これは筆者の考えですが、体格が出てくるまでにハンドリングを実現し、その後はなるべく広いケージで育てた方が大きくなるのではないでしょうか。飼育下では1メートルを越えるのはなかなかです。


 ↑ マウスを食べるところ。この時で全長70cmていど。

 幼体の頃は立体行動も得意で、登り木などをレイアウトしてやるとよく登っています。好奇心も旺盛で、照明装置などに飛びつこうとしたりしますから、照明やヒーターにはガードが必要です。ケージ内に電気コードがあるとそれに絡まってしまうこともあります。
 成長するにつれて立体行動の度合いが減ります。体格がしっかりしてくる頃からは水入れ以外はなにも置かないシンプルレイアウトが望ましいでしょう。水入れは大きなサイズが必要です。水浴は大好きですから。熱帯雨林の生き物は水と仲良しです。


 ↑ お昼寝中。この時で80cmていど。

 生後間もない幼体では、体に対して頭部が大きく、とても子供っぽい外観をしていますが、成長すると胴回りが大きくなり四肢もしっかりしてきて重量感のある外観になってきます。歩き方もかんろくがあります。
 ショップで1メートル越えの人に馴れた個体を見せてもらったことがありますが、このサイズになるとすごい迫力ですね。体重もあって抱き上げると「重っ!」とつい出てしまいます。それでも優しい顔つきをしていますから恐怖感はなく、多くの人が可愛いと感じるでしょう。
 本種は、大型のモニターの中では飼いやすいトカゲです。充分にかまってやって人との触れ合いを拒まない子に育て上げたいものです。飼育者によってはハーネス(胴輪)を付けて家に放し飼いしている人もいると聞きますが、ハーネスの紐がからまらないように注意が必要です。
 また、寒さにはたいへん弱く20℃以下の環境に長時間置くのは危険です。さらに温度が下がると命の危険が迫ります。日本で飼育するには大きなケージを加温できる設備が不可欠になります。

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