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ホリカワクシヒゲガガンボ

2016/08/21


 少し派手めなガガンボが飛来しました。翅がよく見るガガンボとちがって透明一色ではなく、茶色と透明のまだら模様です。6肢も少しがっしりした感じで、ガガンボなのか似て非なるものなのか、ちょっと不安になりました。シリアゲムシの仲間にガガンボモドキなんてのもいますし。もっとも日本のガガンボモドキは寒冷地の限られた土地にしか生息していないようですが。



 やっぱガガンボですよね、これ。じっとしてくれないかなぁ、うまく写真が撮れません。



 少し動きがにぶったすきに、スマホで撮影です。頭部には大きなクシヒゲが目立ち、6肢と腹部は黄色と黒のだんだら模様です。翅は茶色と透明のまだらというより、淡い黄色と黒で全体的に透き通ってるって感じですが。なかなかきれいですよ。



 ネットで検索しますと、ベッコウガガンボという虫がヒットしました。ガガンボ科クシヒゲガガンボ亜科の昆虫で、幼虫は朽木食ということです。なるほど、翅の模様がベッコウハゴロモに似ていますし。でも少し様子がちがうようでしたので、近縁種がいないか調べてみますと、ホリカワクシヒゲガガンボが見つかりました。一見すると両者は本当によく似ているのですが、ベッコウよりもホリカワの方が翅の付け根の黄色の部分が広く、先端の黒い紋も大きくなっています。で、ホリカワの方に決定です。

 立派なクシヒゲはオスにしかなく、多くの鱗翅類に見られるそれと同様です。働きもメスを見つけるためのセンサーなのでしょう。またメスは、尾端がとがっていて、これを朽木に突き刺して産卵します。この尾端は交尾の際にはサソリのように背中方向に反り返らせることができ、その様子がシリアゲムシに似ています。長翅目(シリアゲムシ目)には上述のようにガガンボモドキなる虫もいて、長翅目とガガンボの仲間の近縁関係が気になるところです。
 こうなると筆者は進化系統について考えてしまうわけですが、長翅目は内翅類(蛹の過程を有する完全変態昆虫)としては原始的な仲間ですから、この仲間からガガンボが分化し、ガガンボからハエやアブ、カといった双翅目の仲間が派生していったのではないかと想像してしまいます。
 ただ、食性やそれに伴う口器の構造、翅の数、生態等、ずいぶん異なるところも多く、平行進化の結果なのかなぁとも思ってしまいます。双翅目の仲間にはムシヒキアブやカなど、動物の体液を吸ったり、ハエのように食性が動物質寄りのものも多く、シリアゲムシの仲間との系統的なつながりを捨てきれない面もあります。

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