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ハネナガイナゴ

2016/08/26


 いわゆるイナゴです。稲子と書いてイナゴと読みます。むかしからイネの害虫として有名でしたが、近代の水田では農薬が用いられるので、田んぼよりもその周辺の草むらでよく見かけるように思います。生息地では大群を成しているのが見られます。
 ハネナガイナゴとコバネイナゴがいますが、バイクの荷台にでっかい捕虫網を付けて一挙収獲して食用にするおっさんにとってはどっちでもよい話しです。もっともイナゴを食する習慣も今ではほとんど残っていなくて、いなごの佃煮も珍味と化しましたが。



 ハネナガイナゴは翅が尾端よりも長く伸び、コバネイナゴは尾端をわずかに上回るていどです。コバネイナゴの長翅型という個体変異も存在し、本種との区別が困難であるとのこと。筆者にはこれがどっちなのかは判りません。もともとは同じ種だったものが分化したのでしょう。どっちが先かという話しになると、アフリカ等で大発生するバッタのケースでは、大発生する個体群では長翅化するそうですから、これがヒントになりそうです。
 過密状態にまで増えちまった群れが、新天地を求めて移動するために長翅化するという適応なのでしょうか。日本のイナゴの場合も、生息地を拡大するために長翅化個体が生じ、やがてそこから別種が分化するに至った、そんなドラマが想像できませんか? 素人考えですけど。



 イナゴを見るのも久しぶりです。最近は田んぼの近くに行くことも少なくて。この子はたまたまうちの近くに飛来したはぐれイナゴです。はぐれイナゴも新しい土地で異性に恵まれるか、もともと持ち腹のメスだったりすれば、子孫を残すことができるのでしょう。その子孫が先住の肉食昆虫の捕食をくぐり抜けて次世代の繁殖に成功すれば、生息地拡大が成功します。おめでとうございます。単体での移動はなかなか生息地拡大にはつながりませんけどね。
 動きの緩慢な微細な虫たちは、移動力の大きい動物にくっついたり風に乗ったりして移動しますが、高い飛翔能力のある虫たちは、自らが冒険者でありフロンティアになることが多いですね。あとは、人間によって移動させられるとか。昆虫採集で得た獲物を、かわいそうだから逃がしてあげなさいという母さんのアドバイスに従って放虫することによって、虫たちの移動は実現します。移動先では悪くすると帰化生物の弊害と同じようなことが起こります。

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