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ヤマナメクジ

2016/08/28


 むかし、息子がまだ小学生だった頃、箕面の昆虫館を訪れた折りに山道で見かけたのがなつかしい思い出です。当時はその存在を存じあげませんで、最初は動物の糞が落ちていると思ったんですね。「うんこ踏むで、気いつけや」と息子に注意を促すと、「このうんこ動いてるで」としゃがみ込んで観察を始めます。うんこが動くかね、そりゃまぁ坂道だから…。確かにわずかな傾斜をものがすべるようにジワーーっとゆっくり動いています。ほう、箕面じゃうんこも動くのかぁ、たいしたもんだ。親子で道端のうんこを観察している図柄は、他人が見たらひじょうにミステリーだったでしょうね。



 山道を微速前進するうんこの正体が、このヤマナメクジだったんですね。あの時はたしかもっと乾いてて汚れてて、ほんとうんこに見えたんですって。しばらくガン見するうちに、どうやらナメクジ様の生き物らしいと気づき、さすがは箕面ともなるとナメクジもパネェなぁ、と感銘を受けたものでした。



 軟体動物以前の進化過程の生き物は、伸縮幅が大きいので体長を計るのに頭を抱えますが、伸びた状態で体長約10cmあります。お庭でよく見かけるチャコウラナメクジに比べると3倍近くありますね。チャコウラナメクジ自体、日本古来の在来種よりもかなり大きいですけど。



 体側がストライプ状に濃褐色に色づき、背中は明るい色をしていますが、ここにも不鮮明な模様があって、それは個体によって様々なようです。ナメクジの仲間はカタツムリ類から殻が消失する方向に進化した、いわばカイナシカタツムリとも言うべき動物で、お馴染みのチャコウラナメクジでは、体の前方に貝殻の痕跡が身に埋もれた部分がありますが、本種は貝殻の痕跡をまったく持ちません。
 山地の生き物で、地衣類などを食べているらしいのですが、野菜や昆虫ゼリーは食べてくれないでしょうか。



 頭部に2対の触角があって大きい方の1対に眼があります。カタツムリと同じですね。大きな体に比べると角は小さいです。もぞもぞとよく動き回り、なかなか愛嬌があります。

 本種は当然ながら湿度を好む生き物ですが、乾燥を好む生き物に比べると難易度がかなり上がります。失敗の多くは高温と蒸れによるものと思われますが、上手くいっているようでも突然コンディションを崩したりするのが多湿性の生き物ですね。なるべく広いケージを用い、飼育環境に温度や湿度の勾配ができるようにするのが良いでしょうね。水中とちがって空気中は刻々と温度や湿度が変化しますから、飼育動物自身により快適な場所を選んでいただくというわけです。 

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