タカサゴユリ
2016/08/28
大きな花を付ける園芸品種のシラユリと言えば、テッポウユリで、球根が市販されていたりしますが、道端などで見られるシラユリは、これに酷似するものの野生のタカサゴユリです。もともと台湾の固有種でしたが、鑑賞用に輸入されたものが逸出して自生しています。
今年は、うちのご近所にひじょうにたくさんのタカサゴユリが咲きました。1ヶ所の苗の数、花の数は少ないですが、少し歩けばまた見つかるといった具合に、数えればキリがないほどたくさん見受けられます。7月初旬からずっとこんな感じです。
園芸家にとっては球根植物であるはずのシラユリが、道端に咲いていたりすると、いったいどうやって逸出したのか不思議に思うかもしれませんね。じつはタカサゴユリはたくさんの種を付け、風に運ばれて方々へ散るそうです。乾燥した日当たりの良い場所を好むので、こうして道端や公園の周辺や植え込みに根づくんですね。
道端のひび割れなどのわずかな隙間にでも根を張って芽吹きます。まるで雑草ですね。って逸出して自生していればすでに雑草なんですけど。
大きなみごとな花ですし、誰もがよく知る花でもあるので、遠くからでもよく目立ちます。ご近所の人たちも、今年はどうしてこんなにたくさんのユリが咲いたのか不思議に思っていることでしょう。筆者だって不思議です。
庭の植え込みの間から花を覗かせています。道端のみならずお庭にまで侵入しているし。
本種は、種子が芽吹いて根づいたあと、充分に球根を太らせてから花を付けるそうですから、芽吹いた年には花をつけず、少なくとも2年前には自生していたはずです。
また、園芸品種のテッポウユリとの交雑も進んでいるようです。テッポウユリの開花は4〜6月、本種は7〜9月が開花時期だそうです。交雑の場合はいつ頃咲くのでしょうね。
雑草としてはひじょうに高級感もあり綺麗なので、手折られることなく長らく咲いていることが多いです。皆さん心優しいですね。本種はテッポウユリより少し花が大きいそうですよ。栄養が行き届かなくて小さな花になっている場合もあるようですが。
今では当たり前のように咲いている自生のポピーのように、タカサゴユリもここいらの名物になるといいですね。