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ゾウリムシ2

2016/08/31


 ゾウリムシのような微生物を単一種として飼育し続けることは、けっこう難しかったりします。スキあらば入り込む他の微生物の混入を防ぐには、細心の注意が必要だからです。メダカの稚魚ようにたくさん培養してそれを維持している人はすごいなぁと思います。
 もっともゾウリムシ単体だけでの飼育というのはありえません。彼らの餌となるさらに小さな微生物が繁殖していなければならないからです。
 ゾウリムシの飼育の大敵は、植物性プランクトンですね。藻類は侵入の名人です。奴らをシャットアウトするのはほんと至難の業です。ゾウリムシの培養タンクが緑色に染まってしまうのを防ぐには、タンクを暗所に置いておくのが一番ですね。あとは、培養水は市販のペットボトルのものを使い、開封してゾウリムシの種水と栄養素である胃腸薬の投入を迅速に行ない、しっかりとキャップをして暗いところへ収容してしまいます。これで混入した藻類は光合成ができず繁殖しません。



 微生物はすさまじい短時間で世代交代を行ないます。多細胞生物における新陳代謝を水中で繰り返しているようなものです。栄養素が減少すると数が減り、再び添加してやると増殖します。その繰り返しにも限度があり、培養タンクで充分に増殖した状態のものを種水とし、定期的に新しいタンクにて培養を始めるのが良いようです。



 顕微鏡で覗くと、びっくりするような速さで泳いでいて、一瞬姿を現わしたかと思うとたちどころに見えなくなってしまいます。プレパラートの上の1滴の水が、彼らには宇宙であるようです。



 顕微鏡では全体像がこんなふうに見えます。1滴の水でも厚みがあるので、ゾウリムシにピントが合ったり合わなかったりします。



 泳ぎ回らずに停滞していることもあります。何をやっているのかは存じません。



 ゾウリムシよりもさらに小さな、何やら有機物っぽいものが写っていますが、これらがおそらくゾウリムシの餌となる微生物だと思われます。



 こんなのもいました。ゾウリムシのこれも餌になりますかねぇ。



 ゾウリムシ単体の観察もいいですが、池や川の水をすくってきて、あれこれ眺めるのもおもしろいかもしれませんね。より小さな生物を見つけるには、さらに倍率の大きなスコープが必要になり、倍率の大きなものでは、観察対称を見つけ出すためのより高度なテクニックが必要になりますけど。



 暗所で管理し、藻類に占領されていないペットボトルはこんな感じ。



 ゾウリムシていどの大きさの微生物なら、肉眼でもあるていど何かいそうなのが判ります。
 原生生物のような小さな生き物を飼育するのは、培養し続けるということです。なので飼育という言葉よりも培養という表現が多く使われるようです。生きた状態でキープし続けることイコール増殖が繰り返されているということですね。
 ただね、鑑賞魚の稚魚の餌にするなどの目的がないと、キープし続けるのもおもしろみがありません。白く濁ったペットボトルの水を延々と維持するだけのものです。それでついつい管理を怠りがちになり、1〜2日置きにボトルを振って溶存酸素を維持してやるのを忘れると、ゾウリムシたちは減少してゆき、あるとき立ち直れないほどの減少を迎えます。
 水面とフタとの間の空気量だけでは充分でないとし、フタを密閉しない培養法を用いる人もいますが、それだと部外者の混入が心配になります。けっこう気をつかう生き物です。

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