タイトル.jpg

アカハラゴマダラヒトリ

2016/09/06


 この項はもともと、アカハラゴマダラヒトリ3として記述していましたが、1と2がそれぞれオビヒトリ、セスジヒトリであることが判明しましたので、本項をアカハラゴマダラヒトリとして改正いたしました。
 3項の種の同定については、専門家の判断を得ることができました。ネット上でアカハラゴマダラヒトリと近縁のキハラゴマダラヒトリとのちがいについて解説されているサイトを見つけメールで問い合わせたところ、お答えをいただいたわけです。
 回答いただいた日本蛾類学会・誘蛾会の阪本様には、それぞれの種のちがについて詳しく解説していただくほか、最近になって新たに発見された近縁種イラクサゴマダラヒトリに関するPDF資料も送ってくださいました。
 本項の最後に、氏の諒解を得ていただいたメール(こちら)を記載しましたのでご参照ください。阪本様、ご多忙にも関わらず親切丁寧に回答をいただき、本当にありがとうございました。
 なお、以下は9月2日に、回答をいただく前に筆者が記したものです。

2016/09/02


 駅で綺麗な純白の蛾を見つけたので写真を撮りました。初めての蛾かと期待したのですが、すでに当ブログで記述のある蛾でした。2年前の春と秋に同じ場所で撮影しています。



 春型では前翅の点刻が少なく、夏型になると点刻が多くなるそうです。2014年5月撮影のものではひじょうに点刻が少なく、今回のものはかなり多いです。



 美しい純白をしていますが、同種と極めてよく似た蛾にキハラゴマダラヒトリがいて、それは腹部背面が黄色になるほか、翅がわずかに黄色を帯びるのだそうです。今回は腹部の色を確認していませんが、純白の翅からアカハラゴマダラヒトリであると見てまちがいなさそうです。発見場所も2年前と同じですし。



 アカハラゴマダラヒトリとキハラゴマダラヒトリのちがいを比較されているサイトを見つけました。そのサイトによると、両種は棲み分けていると言われているものの生息域が重なることもあるそうです。また、黄色い腹部のアカハラや赤い腹部のキハラが、極めて少数存在するともありました。
 両種の生息域が重なり、生態や幼虫の食草も同じであるとすれば、腹部の色のちがいは変異型というよりも両種の交雑によるものとは考えられないでしょうか。
 前項に2014年9月撮影の写真を挙げていますが、上述のサイトのアカハラとキハラの見分け方に従えば、この個体は両方の特徴を併せ持っています。腹部背面が赤いことはアカハラの特徴ですが、翅や体の白い部分が黄色を帯びるのはキハラの特徴ということになります。

−・−・−・−・−・−


みんなで作る日本産蛾類図鑑の管理人の一人、蛾LOVEこと阪本と申します
似た蛾の比較図鑑は私が作成しているサイトですので私がご質問にお応えします。

まず2014年5月に見つけられた個体はオビヒトリ Spilarctia subcarnea (Walker, 1855)です。アカハラとは別種です。

2016年9月の個体は仰る通り前翅が純白な事からアカハラゴマダラヒトリと思われます。
が、腹部をチェックしたほうが確実でしょう。

2014年9月の個体はセスジヒトリ Spilarctia howqua Moore,1877でしょう。
スジモンヒトリに似ますが胸部背面に黒色縦線があること(これはスジモンヒトリにも出る個体があります)と、前翅基部の黒条がないこと、関西であることから判断しました。ちなみにアカハラ、キハラではお写真のように脚が黒くなることはありません。
また上記で示したように「みんなで作る〜」以降学名の変更があり、中国上海をタイプとして記載されたhowquaに変わっております。

「アカハラであっても腹が黄色のもの、キハラでも原が赤いものが存在する」件に関しましては個人的には存在する可能性は限りなく低いと思っています。

蛾を標本にすると油が出て黒くなる場合があります。以前、腹部が赤っぽいキハラの油抜きをしたら綺麗な黄色になったという話しも聞きました。ですから生きている個体、鮮度の高い状態で腹部を確認すればほぼ間違い無くアカハラ、キハラは分けれると思っております。前脚の付け根が赤で腹部が黄色なんてものを見かけたら是非ご連絡ください。

また、最近はキハラゴマダラヒトリにそっくりなイラクサゴマダラヒトリという種が北海道で発見されております。
これは蛾類標準図鑑にも載っていない種で、私も北海道で日本で3例目の個体を採集しており、報告しましたので、PDFを添付致します。

今回のようにアカハラ、キハラですらないという事は今後もあり得ますので(この仲間は似たものが多いので難しいですね)
たくさんの個体を見られて、慣れる事が大切だと思います。

補足
クロフシロヒトリという蛾の腹部は赤ですが、飛騨地方でのみ腹部が黄色い個体が採れています。

これは私も生きた状態でも確認しましたが、場所によっては1/2くらいの高確率で黄色い個体が混ざりました。
他の地域では腹部の赤いものしか見てません。

こういった例外もありますので、可能性は低いといえど、ゼロではないという事を付け加えさせてください。

私に直接でもかまいませんので今後とも疑問などございましたらご連絡くださいませ。
わかる範囲でお応えいたします。

よろしくお願い致します。

------------------------
日本蛾類学会・誘蛾会 
阪本 優介


「みんなで作る日本産蛾類図鑑」http://www.jpmoth.org/
「似た蛾の比較図鑑」http://www.jpmoth.org/~moth-love/HIKAKU/HIKAKU.html

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

索引

目次
無脊椎 等脚類 クモ サソリ
多足類 無翅類 直翅類 半翅類
膜翅類 鱗翅類 鞘翅類 コガネ
クワガタ 魚類 両生類 カメ
トカゲ ヘビ 鳥類 哺乳類 絶滅
庭草 雑草 高山 飼育 ヒト
□ 飼育動物データ


     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< May 2020 >>

サイト内検索

NEW ENTRIES


Amazon Kindle 電子出版のご案内
cover.jpg


★講読には
Kindle 読書アプリ
が必要です。



sijn.jpg




QR.jpg
★ 2019年5月からツイッター始めました。





recent comment

recent trackback

プロフィール

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM