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ハンミョウ

2013/12/19


 ハンミョウは、大きな大腮を持ち俊敏に活動し高い飛翔能力もある肉食昆虫です。日本にも多くの種類が棲息していますが、その中でも本種は最も大きくて最高に美しい虫です。山歩きをしていると時折見かけ、人の足音でサッと飛び立ち、数メートル前に着地するというのを繰り返し、その様子があたかも道を先導してくれているように見えるというので、ミチシルベあるいはミチオシエという異名があります。そういう意味で愛嬌のある虫なのですが、本性はかなり獰猛なハンターです。



 1999年5月に大阪府交野市の岩船ハイキングコースで、大発生しているのに遭遇しました。それはそれはたいへんな数のハンミョウが、山道のそこここに飛び跳ねていて、数時間の山歩きの間、ずっと彼らと一緒でした。肉食昆虫の中で、これほど大胆に人前をうろつく虫は、本種かトンボくらいのものですね。
 当時はまだ幼かった息子と話し合って、持って帰って飼おうということになり、10頭ばかりを連れ帰りました。30cmていどの大型のプラケースに虫たちを放ち、飲み水と餌を入れました。餌は生きたミルワームで、よく食べていましたよ。たまにダンゴムシなんかを庭で集めて入れてやったり。
 産卵して幼虫が得られたらいいな、なんて考えてケージの隅に土を満たしたタッパーを入れておきました。


 ↑ 交尾するペアに後ろから邪魔しに来たオス。

 交尾行動は頻繁に見られましたが、けっきょく産卵には至りませんでした。ハンミョウの幼虫は縦穴を作ってその中にひそみ、地表を歩く虫などを捕食するので、そんなのを見たかったのですがね。


 ↑ ミルワームを食べているところ。

 全長20mmばかりの小さな昆虫ですが、タマムシよりも美しいと、筆者は子供の頃から感じていました。大写しにされた図鑑の写真などでは、それはそれは美しく、よく見惚れていました。
 外国産の大型ハンミョウがペットとして輸入されることがありますが、どうせなら本種をペットとして流通させたらいいのになんて思います。

 当時は接写に強いデジカメを持っていなくて、よい写真が残っていません。それで、翌年あるいは数年後に現地を訪れたのですが、1999年度のような大発生には出会えませんでした。毎年うじゃうじゃ涌いているわけではなかったのです。
 昆虫類に限らず、虫たちが特定の年にだけ大量発生するようなことは珍しくありません。筆者もオオコフキコガネやヒゲコガネ、種々の蛾などでそれを観察しています。これは同一個所に近縁の生物が多数暮らして生物層の厚みを築いていることの1つの側面でもあるのです。
 人間以外の多くの動物が、特定の環境条件に適応するようにできています。変動する年毎に気象条件に応じた様々な種を用意しておけば、それに応じた生物がタイムリーに頑張って役割を果たし、生体系のバランスを維持します。そのことが大発生といった形で目に見えるわけですね。
 自然環境が多種多様の生き物を擁すること、その生物層の厚みこそが変化する環境に対応するためのショックアブソーバーであるわけです。放虫や外来種による生物層のダメージがどのようなことをもたらすか、これで解りますよね。

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