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古生代の魚類

2016/12/25


 魚類は背骨を持つ最初の動物です。その中でも最も原始的なものは、無顎類といわれる仲間で、口器に顎を持ちません。顎は頭骨と一体になった上顎と、可動式の下顎で構成されますが、この顎の構造はそれ以降の全ての脊椎動物で共通です。私たち人間も同じです。古くは、脊椎動物は顎を持たない無顎類と顎を持つ有顎類に2分され、後者には魚類以降のすべての脊椎動物が含まれましたが、現在の分類学の考え方では無顎類は、魚類のうち顎を持たない最も原始的なものとされ、魚類以降の脊椎動物は、顎口類と四肢動物類に分けられています。2本足の人間や鳥類も四肢動物の仲間ということになっています。
 顎の骨を有する私たちからすると、顎のない口ってどんなんやねん、と不安になってしまいますが、ようするに円形の穴があってそこから獲物を吸い込んで食べるタイプの動物ということになります。これは軟体動物や他の多くの生き物にしてみれば、当たり前の話しで、上下に開閉する顎を持つ生き物の方が、動物界全般からすると特殊です。
 ちなみに節足動物の仲間は、別の形で顎を発達させました。基本的な構造は左右に開閉する大腮で構成されるもので、ムカデや昆虫がこの典型ですね。クモやサソリ、カニなどではいささか複雑な構造になりますが、脊椎動物の上下開閉式に対して節足動物は基本的に左右開閉式であることが対極的でおもしろいですね。
 さて、上下開閉式の顎骨を完成させた脊椎動物は、口器にさらに歯を備えるようになり、くわえた獲物を口でしっかりホールドしたり、かみ砕いたりすることができるようになり、無顎類よりも捕食生活において格段に有利になりました。

 魚類を2分する分類は、分類学上のグレードでは、無顎上綱と顎口上綱となります。有顎上綱としないのは、かつての四肢動物を含む有顎類と混同しないためでしょうか。顎口上綱は、板皮類、軟骨魚類、真口類に分けられ、板皮類は古生代に絶滅してしまった甲冑魚の仲間で、軟骨魚類はサメやエイなど骨格が軟骨で形成される仲間、真口類は硬骨魚類およびそれに近縁の仲間(棘魚類)です。最近の分類では硬骨魚類の名は消えてしまっているようです。かつての硬骨魚綱はシーラカンスやハイギョの仲間を含む肉鰭綱と、それ以外のより進化的な仲間を含む条鰭綱の2綱に置き換えられています。

 古生代、顎口類の魚たちは、三葉虫やウミサソリといった節足動物と対極的な立場で大繁栄し、大小様々な仲間を輩出しました。
 体の前半分が頑丈な甲羅で覆われた甲冑魚の仲間すなわち板皮類は、古生代デボン紀にたいへんよく栄え、小さなものから体長10mに達する獰猛なサメのような巨大魚まで登場し、当時の海を席巻しました。
 軟骨魚類は、深海に適応するために骨格を軟骨化したとも言われていますが、デボン紀にはすでに進化してきており、獰猛な大型甲冑魚の脅威にさらされながらも頑張っていました。彼らの強みはしなやかで敏捷性のある体で、後にそのことが有利をもたらし、次第に板皮類に取って代わってゆきます。
 棘状の鱗を持ち最初の真口類となる棘魚類の仲間は、その後の硬骨魚類の祖先型ですが、これはシルル紀にはすでに登場しています。彼らは危険の多い海域を離れ、主に淡水域で繁栄しました。
 魚類の進化はその後(シルル紀中に)、ヒレの根元に棒状の柄の部分を持つ肉鰭類、ヒレに柄の部分がなくより優れた遊泳能力を持つ条鰭類へと進化してゆきますが、デボン紀になると肉鰭類の仲間から陸上生活を目指す両生類の仲間が進化しています。

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