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古生代の両生類

2016/12/30


 古生代カンブリア紀の生物大躍進は海で生じ、その頃の地球は広く海洋で覆われていましたが、時代が進むと共に徐々に陸地が広がってゆきました。生物にとっての新天地である陸地に最初に上がったのは原始的な植物やそれに付随していった微生物たちでしたが、高等な動物としては軟体動物と節足動物がいち早く地上を目指しました。そして地上で最初に成功をものにしたのは脊椎動物です。軟体類は乾燥の問題を克服できませんでしたが、節足動物は乾燥に耐える卵と地上での繁殖により、水域から離れた地にもどんどん進出して行きました。なかでも昆虫類は翅(はね)を進化させ、空を飛ぶ能力をも身に着けました。
 脊椎動物は、地上が数々の小動物で満たされた後に遅ればせながら地上を目指しました。柄のついたヒレと空気呼吸のための肺を有した淡水生の魚類である肉鰭類の仲間は、すぐに干上がってしまうような浅瀬にも適応でき、一時的に地表を這ったり倒木を乗り越えたりする生活から、やがてヒレを足に変えて行ったのでしょう。天敵である大きな魚から狙われやすい幼魚は、身を守るために水面からその先へと逃れたかもしれません。そして地上にたくさんいる虫を夢中になって追いかけ、その味を覚えたのでしょう。
 空気中での行動には、自重を支えるための強靱な足や、体内を乾燥から守るための丈夫な皮膚が必要となりました。また、地上で餌を捕らえるのは水中のような直線行動では上手くゆきません。魚類は獲物めがけて突進し、水ごと吸い込むような捕獲方法を用いますが、地上では口で的確に獲物をくわえ込まなければなりません。そのために口は大きく顎は丈夫で鋭い歯を備え、頭を自在に動かせるように首が発達しなければなりませんでした。
 古生代に魚類から進化して陸上生活を目指した両生類の仲間は、新天地において一気に進化多様化を果たし、現生のカエルやイモリとは桁のちがう、たいへん大きな動物も輩出しました。現生の両生類でもオオサンショウウオのような大きな動物が存在しますが、これは再び水中生活に戻っており、陸生種ではこれほど大きなものは現在はいません。古生代のひじょうに進化的な両生類の中には、3〜4mもの巨大種が存在しましたし、ペルム紀に棲息していたプリオノスクス属の中には体長9mを越え、頭部だけでも人間の身長ほどもあったそうです。

 古生代の両生類や中生代の爬虫類の生きている姿を考察するのに、現生のカエルやサンショウウオ、ヘビやトカゲはあまり参考になりません。ペルム紀のプリオノスクスは生態も形態も巨大なワニのようでしたし、中生代の恐竜たちは、大型の鳥類や哺乳類に代わる生き物でした。

 古生代に恐竜サイズにまで進化を遂げた両生類ですが、陸生動物と言えども水域と無縁ではいられませんでした。強靱な四肢や丈夫な皮膚、大容量の肺を持ち、水場から遠く離れた場所での暮らしも可能にした種であっても、繁殖には水域が必要でした。彼らの卵は乾燥には耐えられず、繁殖は水の中で行なう必要があったからです。
 そこで繁殖の問題を解決するために、当時の両生類は魚のような体外受精ではなく体内受精を行なったり、卵を胎内で孵化させる卵胎生を発達させたりと、水の要らない繁殖に関する様々な試行錯誤がなされました。
 現生の両生類の中にも胎内受精や胎生を発達させているものがたくさん存在し、両生類は水中で体外受精を行ない、幼生は水中で育つという定説は、全ての両生類を網羅しているわけではありません。

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