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ルリボシカミキリ

2013/12/21


 全長30mm以下の、日本のカミキリムシとしては中程度のサイズの虫です。筆者の古い図鑑ではヤマカミキリ亜科に属するとされ、丸い前胸部がその特徴をよく現しています。日本のシンボル昆虫なんていうニックネームを持つように、その美しさは格別です。素晴らしいです。日本固有種というところもシンボル昆虫の名にふさわしいですね。もっとも熱帯地方に近縁種がいると想像されますが。
 2004年に山梨県都留市の某所で採集したものを送っていただいたのですが、そこではかなりまとまった個体数が採れるそうです。カミキリムシやハムシ類は、1つの棲息地で群生することがよくあります。別項で述べたハンミョウの大発生とは異なり、恒常的に群れているようです。そうした産地を知らない者にとっては、本種のような虫はひじょうに珍しく貴重な存在です。



 本種は、ありがたいことに雑木林ではありふれたブナ、ナラ、カエデなどの古木を好むということで、クワガタムシの飼育繁殖のセットで飼うことができそうです。シロスジカミキリのように生木に歯を立てることはなく、古くもろくなった樹木をかじってそこに産卵するようです。幼虫の食べ物は朽木です。
 また成虫の食べ物は、花粉や果実それに樹液もOKということなので、飼育下では昆虫ゼリーが使えますね。実際に成虫たちは昆虫ゼリー大好きでした。


 ↑ 交尾しているところ。


 棲息地では群生する傾向にあるので、1つの入れ物に複数飼育できます。クワガタムシの飼育繁殖を手がけている方なら、加水した朽木を昆虫マットに埋め込んだ産卵セットの仕立て方は熟知しているはずですから、それに昆虫ゼリーを設置すれば、飼育繁殖が期待できます。いろいろ調べてみましたら、幼虫の食草としてクヌギの記載は少ないので、ナラ材を使用する方がよいかもしれません。



 クワガタムシ用の産卵セットでは、産卵木に水を含ませたあと樹皮をはがしてマットに埋め込みますが、こうすることによって幼虫に有益な菌糸の繁殖が進む気がします。しかしながら本種のように小さな虫の場合は、逆に菌類の餌食になってしまいそうなので、樹皮ははがさずに埋め込みを行ないました。
 飼育下では、交尾行動がしばしば観察できました。そしてクワガタムシの産卵行動と同じように、産卵木をせっせとかじった痕が見つかりました。


 ↑ 産卵僕をかじった痕。樹皮のない比較的柔らかい部分をかじっている。

 ルリボシカミキリの成虫は1年性です。越冬はできず冬までに死滅します。ですので長期飼育は繁殖を成功させるしかありません。残念ながら筆者はそれに成功しませんでしたが、本種の生態をよく知り工夫を加えれば、卵や幼虫を得ることはそれほど困難ではないかもしれません。虫好きな方、ぜひ挑戦してみてください。



 それにしても、ほんとうに美しいカミキリムシね。ただ惜しいことにあまり大きくないので写真の方が美しさを実感できる感がありますね。ハンミョウと同じです。水色からやや緑がかった体色に黒い紋のコントラストがじつに鮮やか。そして触角は各節の基部が黒毛で膨らみオシャレです。そしてもう1つ惜しいのは、この美しさが標本にすると失われることです。とくに翅鞘は死ぬとどんどん色あせてしまいます。標本にする前にぜひ写真を撮っておきましょう。

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