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グリーンパイソン

2013/12/22


 インドネシアからパプアニューギニア、オーストラリア北部にかけて棲息するニシキヘビです。全長は2メートルを越えるほどになりますが、徘徊性のニシキヘビのように太くなりません。典型的な樹上生活者で、基本的に樹上で綺麗なコイルを巻いてじっとしています。夜間に主に活動し、叙情生活の哺乳類や鳥類に忍び寄って捕食します。背部が屋根のように隆起するのが目立ちますが、これは樹上で体を支えることと、獲物に飛びかかるためのバネ力を得るための構造でしょうか。
 鮮やかな緑色は、熱帯雨林生活への適応でしょうが、隆起した背部を中心に個体差の著しい斑紋が見られます。ベースの色の濃淡や青みにも個体差があります。また幼蛇では鮮やかな黄色、赤レンガ色といった体色が見られ、これが成長過程で緑色に変じて行きます。



 樹上性のパイソンは信じない方がいいです。とにかく飛びついてきます。それは噛みつかれることを意味します。古くから本種はハンドリング不可のヘビと言われてきました。ただし、飼育者への馴化は充分に期待でき、飼育者を見ると寄ってくるほどになることも珍しいことではありません。それでも信じちゃだめです。噛まれます。
 半樹上性のパイソンでも、飼育環境をとまり木を用いたレイアウトにするとなぜだか気が荒くなるようです。とまり木がなくてもよい種は使用しない方がよいです。ただ、本種に関してはとまり木なしのレイアウトは考えられません。絶対に必要です。
 筆者が長年飼い続けた個体は、極めて友好的でハンドリングも可能でした。とにかく人を見るとじっとしておらず、首を伸ばし、本種独特の綺麗なコイルを巻いている姿を見るのが難しかったです。思うに、本種が飛びかかってくるのは飼育者に敵対するからではない気がします。飼育者に対して警戒心がなく、ストレスも感じていなくても、ハンドリングは苦手なのでしょう。モニター(オオトカゲ)類と同じですね。なので、半樹上性でおとなしくなるからと木を使わないことがヘビにとって必ずしもよいことかどうかは解りません。


 ↑ ケージを開けたところ。飛びかかる準備はできている。

 グリーンパイソンは、夜行性がかなり強く、昼間はじっとしていて動きません。いつ見ても樹上でコイルを巻いているのが健全な姿です。夜間は動き回ったり水浴したりすると思われますが、気温が下がる夜間に水浴する気になるかどうかは疑問です。中にはまったく水に入ろうとしない個体もいるでしょう。そこで、ケージ内の湿度を維持するためにも大きな水入れを用意してやりましょう。飼育者によっては幼蛇の飼育に、水を溜めたプラケースに横木を渡して飼っている方もいます。ケージの床面全体が水入れです。あるいは毎日ヘビにスプレーしてやっている方も。体に突いた水滴をなめて水分補給することも野生生活では多いでしょう。そして湿度の維持は脱皮不全を防ぐのに重要です。かといって群れた状態は厳禁で、通気性はよくなければなりません。


 ↑ 昼間に水浴中。かなり珍しい光景だ。

 筆者が長年飼ってきた個体は、昼間でも水浴することがよくありました。夜行性動物の多くが、飼育者に合わせて昼間に採餌してくれたりするようになるものですが、本種はそれがなかなか難しく、個体によってはなかなか餌を食べてくれなかったり、ウズラしか食べないといったケースも少なくありません。写真の個体のように昼間も活動するようになると、拒食はまずありませんし、ハンドリングも容易になるのかもしれません。



 とにかく性格に個体差のあるヘビです。多くの個体は昼間は動かないけれども、飼育者が忍耐強く接することで昼間でも人の手からマウスを食べてくれるようになりますが、置き餌を夜間に食べるもの、ウズラしか食べない偏食家、食べたり食べなかったりと気まぐれな個体、環境が変わったとたん食べなくなってしまうものなど様々で、個体に合わせた対処が必要です。採餌に積極的でない飼育者泣かせのくせにハンドリングはOKという変わり者もいます。
 飼育者との友好を築くとひじょうに飼いやすいヘビなんですけどね。



 以下に色変わり前の幼蛇の写真を記載しておきます。


 ↑ ↓ 茶色タイプ。写真ではかなり明るい茶色に見えるが、実際には赤レンガ色といった感じだった。



 ↑↓ 黄色タイプ。



 ↑ 色変わりが始まった初期の段階。斑紋の色が消失して灰色になっている。


 ↑ うっすらと緑色がのってきた。


 グリーンパイソンにハマッてしまうと、産地別の個体を集めたり、様々な色あいのものを集めたりしたくなります。ひじょうに青みの強いものはかなり高価です。ハンドリングも困難な、取り扱い注意なヘビを、馴れた飼育者は何頭も苦もなく世話し、繁殖も手がけています。大きなケージに長いとまり木を設置して、複数飼育している方も。あれってどうやって個別に給餌するんでしょう。
 ショップの店員さんですら扱いに手を焼くくらいなのに、ササッとケージを開けて噛まれる前につかんでしまう人もいます。これができれば多くの個体をハンドリングに馴らせそうですね。
 どうしてもハンドリングしたいというので、何度も噛まれながらそれに耐えて、ついに問題なく持てるようになったという方もいました。その人曰く、手を出すと餌と間違えられるから、頭ごと突入すると、熱源のサイズが大きすぎて餌とは認識されない。確かに発達した大きなピット器官を有する本種は、熱分布で周囲を認識してますからね。でも、顔を噛まれたりしないんでしょうか。

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