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ヒャン

2017/04/14


 本項に記載する種は、環境省の特定動物の指定を受けており、一般家庭での飼養は禁止されています。

 南西諸島の一部の島に分布する小型のコブラの仲間です。コブラ科の毒は主に神経毒でクサリヘビ科の出血毒よりもかなり強い毒性があります。本種の毒もハブの4〜5倍だそうです。ただし本種の場合、性格が温厚であるうえ口器が小さく、大きな動物に咬傷を負わせることはほとんどありません。体長は30〜50cmていどで、小さな爬虫類等を捕食するようです。山地の広葉樹林に棲み、繁殖は6月ごろ、産卵数は2〜4個と少ないです。各生息地とも個体数が激減しており、絶滅危惧種としてレッドリストに記載されています。
 3亜種が知られていますが、ハイは白く縁どられたバンド模様を有し、クメジマハイはバンド模様がありません。本項に記載したヒャンは、奄美大島、請島、加計呂麻島、与路島に棲み黒くて太いバンド模様を有します。

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 ずいぶん前の話しになりますが、沖縄のハブ採り名人が筆者が懇意にしていただいているショップに降ろした個体です。写真には2頭写っています。ひじょうに美しいヘビですね。

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 高湿度を好むということで、加水したミズゴケを厚く敷いてシェルターを設けたレイアウトで飼います。猛毒を有しますが、口器が小さく咬まれる心配はほとんどないのでお店の人も平気で素手で触っていました。人に馴れなくても動きが緩慢なので容易にハンドリングできます。ただし、硬く尖った尾先で手をグイグイ突いてきます。あまり痛くないし尾に毒はありません。

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 ストライプとバンドを合せたひじょうに個性的な模様です。ヘビの仲間でストライプを持つものはひじょうに少なく、日本のシマヘビの顕著なストライプは世界中のマニアから貴重がられますが、本種の場合はあまりにも希少でショップに出回ることはまずありません。コブラ科全般は飼育も禁止されています。

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 腹側の模様もユニークです。背面腹面とも筆かマジックで手描きしたような感じです。

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 色がくすんで皮膚がだぶついたようになっています。脱皮前の兆候です。

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 抜け殻。飼育下ではミズゴケの中に潜りっぱなしで、脱皮もその中で行なわれました。地中性の動物に近い暮らしを送っているようです。やはり地中性のメクラヘビなどが本種の捕食対象になっているようです。

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 美しく貴重なヘビではありますが、飼育は極めて困難です。地中タイプのヘビはきわめて臆病で、飼育下での餌付きも悪く、飼育難易度は高いです。同様の生態のタカサゴナメラもかつては高値の花の美種のうえ飼育が極めて難しいヘビでしたが、多くの飼育者たちの努力で、CBが出回り飼いやすくなったようです。
 しかしながら、本種の場合は飼育禁止の特定動物なので、飼育下での保護繁殖の機会はなさそうです。特定動物でなければ、ミヤコタナゴやカネヒラ(タナゴの一種)のように人工環境での増殖も期待できるのでるのですが。もっとも絶滅してゆくものを保護することが生態系にとって適切なのかどうかは疑問ですけどね。


レッドリストとは

 日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト。レッドリストに掲載された種について生息状況等をとりまとめ編さんしたものがレッドデータブック。レッドリストは生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を評価し選定したもので、規制等の法律上の効果を持つものではないが、絶滅のおそれのある野生生物の保護を進めていくための基礎的な資料として広く活用されることを目的とするものである。
自然保護局野生生物課ホームページより

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