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ナベブタムシ

2017/06/22


 水生カメムシの仲間ですが、呼吸には水中の溶存酸素を利用するため、他のカメムシとは異なり、ほぼ完全な水中生活が可能だそうです。他の水生カメムシあるいは水生甲虫類の場合は、水面上に体の一部や呼吸用の器官を出して空気を取り込みますが、本種ではその必要がありません。したがって、飼育に際してはアクアリウムの溶存酸素の確保が重要になります。

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 体長5mmほどの幼虫です。後肢が大きくオール状ですが、これは小さな水生カメムシ類に観られる特徴ですね。羽化後も翅を持たない本種では、成虫も形態に目立つ差はありません。

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 幼虫腹面図。半翅目特有の口器が見えます。他の水生カメムシ同様、本種も肉食で、小さな虫などの体型を吸います。触るとこれで刺されることがあるそうですが、マツモムシほどには刺して来ないです。

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 幼虫正面図。可愛い顔をしていますね。幼虫の体表はすべすべしていて体毛が見当たりません。幼虫は皮膚呼吸をするとも聞きます。

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 網ですくったところ。両端が成虫です。成虫は黒っぽいですね。

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 幼虫(左)と成虫の比較図。成虫は体表に微さいな毛が密生し空気の層を貯めているそうです。体毛に蓄えられた空気中の酸素は、水中の溶存酸素が遊離して空気層へ補給され、この呼吸システムはプラストロン呼吸と言われています。

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 飼育下での溶存酸素の確保については、それほど神経質になる必要はないと思います。藻などの植物を入れておくと酸素を発生してくれますが、夜間の植物の成長時にはこの酸素が消費されるため、植物を入れておく方が溶存酸素の低下につながるという人もいます。
 植物が飼育水の中で健在であれば、植物の代謝に必要な酸素をあるというわけですから、植物を入れることによってナベブタムシの酸素が奪われるという考え方は納得できません。少なくとも日中は植物によって水中に酸素が供給されますし。筆者はナベブタムシの飼育に植物を入れます。写真はマツモです。

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 餌は思いのほか大変です。生きたボウフラやアカムシを与えてやれれば理想的なのですが、生餌の確保が困難なので今回は冷凍アカムシを使用することにしました。観察したところによるとよく食べているようです。

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 食事中の成虫。口器を冷凍アカムシに突き刺しているのが判ります。

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 ナベブタムシは、最近ではなかなか見ることができなくなりました。どちらかと言うと渓流に棲む生き物で、用水路といった人の生活用水にはあまりいないような気がします。ただ、筆者の経験では大規模な貯水池で見かけたことがあります。そこには本種の宿敵ともなる小型のゲンゴロウ類やヤゴなどもたくさんいましたから、ナベブタムシにとっては安住地ではなかったと思われます。
 小さいけれど元気によく動き回るなかなか可愛い昆虫です。ゲンゴロウと同じように多くの人たちがブリーディングを手がけ、ペットとして流通すると良いですね。

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