チスイビル3
2017/07/11
つい先日、ウマビルと一緒に入手しました。去年から30cm水槽でウマビルや他の水生動物たちと同居させていたチスイビルたちは、今年になってからはその姿を見ることができませんでした。チスイビルの方が捕食性が強いので、ウマビルがやられてしまうかと思ったのですが、実際にはウマビルだけが生き残りました。

新たに入手したチスイビルたちは、去年飼っていたものとじゃっかん異なる雰囲気をしています。色がやや黒っぽく、ストライプ模様も少し不明瞭です。

ペットボトルに入れて送られたきたチスイビルたちですが、送り主によると、ヒルは水が嫌いなのでペットボトルを水で満たすと口から出てくるということでしたが、やってみましたが実証されませんでした。

ケージの中をはい回っているところ。右の個体は吸盤が大きくよく目立っています。チスイビルはウマビルよりも吸着力が強く、指にくっつくと引き剥がすのが大変です。

たくさん撮った写真を見比べていた思ったのですが、チスイビルは離水している時はずんぐりしていて、水中では伸びていることが多い気がします。

これは送り主によると、シマイシビルということで、ウマビルと同じペットボトルに入っていました。筆者にはチスイビルとのちがいが判りませんでした。

水中を歩行中のチスイビル。標準的な姿勢ではウマビルよりも細くて長いです。

アクアリウム用のシェルターとして市販されている模型の土管を伝って離水したところ。

仕立ててやったミズゴケを満たした島に登り、そこからさらにケージの側面を登ろうといているところ。このショットでも吸盤が大きくよく目立っています。

餌用のサカマキガイと。チスイビルはウマビルとちがって捕食性が強く、魚やカエルといった活発に動く水生動物を襲うのが得意です。去年はドジョウを与えていました。

なんだかミミズっぽいですね。

チスイビルの背面(左)と腹面(右)。今回送っていただいたヒルたちを調べてみたところ、腹面にウマビルのような斑紋のあるものはいませんでした。ヒルの権威の方によると、シマイシビルでは腹面に斑紋があるとのことでしたから、シマイシビルとされていた個体もじつはそうではなくすべてチスイビルだったことが判明しました。

今回送っていた方の情報では、ミミズはヒルの餌として有効とのことでしたから、試してみたところ、チスイビルたちはこぞって襲っていました。

馴れない水の中で、複数のヒルに襲われて苦しむミミズ。

摂食中のチスイビルですが、尾端の吸盤に注目してください。ものにくっついていない時、吸盤はこんな感じです。ウマビルのそれよりも大きいです。

ケージの中にはウマビルもたくさんいますが、ミミズを襲っているのはいずれもチスイビルでした。ウマビルは動きのにぶい巻き貝の方が良いようですね。

ミミズはやがて死に、そのままにしておくと溶けて水を汚します。そうならないうちに死骸を取り除くのが懸命です。
チスイビルの餌となるミミズやドジョウは調達が容易なので、ある意味ウマビルよりも飼いやすいかもです。ドジョウの場合は、適当に救出してやるとほとんどダメージなく、その後も元気にしていますから、繰り返し使えます。ただ、短期間に繰り返し使うとさすがに弱ってしまうでしょうから、血を吸わせたあとは充分に休ませてやります。ドジョウの場合は、残念ながら使い捨てですね。

今回新たに仕立てたヒルたちのケージ。土管とミズゴケを満たした島がポイント。島に使用したのはたくさん穴を開けたタッパーのフタで、ミズゴケは常に水を含んだ状態です。
ケージの中にはチスイビルとウマビル、餌用サカマキガイがいます。緑の小さな点々はウキグサです。アクアリウム用で充分に使用した小粒の大磯砂などを敷いてやると理想的ですが、メンテが面倒なので今回は敷きませんでした。でも、砂を敷いた方がヒルたちも喜びますし、水質も安定します。