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アルビノの話し

 アルビノというのは、動物の体色素から黒色が欠落する変異型のことで、珍しいと言えは珍しいのですが、むちゃくちゃ珍しいというわけでもありません。自然界でもひじょうに多くの動物でこの変異型が見られ、脊椎動物から節足動物、軟体動物に至るまで、アルビノを輩出しないグループを探す方が難しいほどです。
 黒色色素が欠落すると、もっとも顕著な例では体の色が真っ白になり、黒目は鮮やかな赤になります。白うさぎがその好例です。
 他にも、ホワイトタイガーや、白いハツカネズミ、国産のシロヘビ(アオダイショウのアルビノ)も有名ですね。ところが同じ白い体の持ち主でも、ホッキョクグマやハクチョウはアルビノではなく、もともと白色の体に進化した動物です。まぎらわしいですね。あと色白の女性をアルビノ傾向があるなんて表現するのも間違いです。
 アルビノという形質は、変異型としてはひじょうによく遺伝しよく発現します。アルビノ個体同士を掛け合わせると、やはりアルビノの子が生まれます。筆者は、インドヒラマキガイという水棲の軟体動物で実験したことがあるのですが、偶発的に出現する小数のアルビノ個体ばかりを集めて飼育し何代も交配を繰り返すと、アルビノしか出現しなくなり、その中でもきわめて変異の大きいものをよりすぐる内に、筆者の水槽には鮮やかなルビー色の貝でいっぱいになりました。ちと学術的な表現をすると、人為淘汰によってアルビノ品種を作出したということになります。これも今では珍しい品種ではなくなり、ルビー色のインドヒラマキガイはペットとして市販されています。
 インドヒラマキガイは、原種は黒っぽい巻き貝ですがもともと赤い色素をたくさんもっており、黒色色素が欠落することで鮮やかなルビー色になります。アルビノ変異を生じやすい動物の多くが、黒色色素の欠落によって赤や黄色が強く発色する傾向にあり、これらの要因でピンクやオレンジ、黄金、あるいは赤黄白の美しい斑紋などが現れます。

 アルビノの個体の多くは、ひじょうに美しいので、ペットとしても高い人気を博しています。またひじょうに多くの動物がこの変異型を生じ、読者や筆者が知らない意外な動物にアルビノの発現例があるので、いろいろ調べて見るのも楽しいですよ。
 爬虫類や両生類にも、ペット化されているアルビノ品種はひじょうに多く、爬虫類の愛好家でアルビノのヘビやカエルを見たことがない人なんていません。コーンスネークのようにアルビノじゃない個体を探す方が難しいほど、アルビノ品種が定着しているものもいます。
 筆者もこれまでに多数のアルビノ品種と出会ってまいりましたが、どれもたいへん美しく、美しくない例を思い出すことができないほどです。そして多くのマニアがアルビノに魅せられています。

 アルビノ個体は虚弱であるとか、赤目は視力が弱く生きてゆくのに不利なので長生きしないとか、聞いたことがあります。確かに自然界では鮮やかな体色は目立ちすぎて、天敵に発見されやすかったり、獲物に逃げられたりしやすいのかも知れません。しかしながら飼育下では美しいことが不利になることはなく、筆者がこれまでに飼育したアルビノ個体で、健康上の問題があったり、採餌が困難であったり、あるいはノーマル個体との同居でいじめられたりといった例を見たことがありません。繁殖においてもまったく問題はなく、アルビノが虚弱というのは正しい知識ではない気がします。
 ということで、財力に余裕があり、美しいモノ好きな方は、アルビノコレクターを目指すのもよろしいかと思います。

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