クロカミキリ2
2017/09/19
クロカミキリは、その見た目がカミキリムシらしからぬ虫で、大きさと言い色合いと言い、かなりゴミムシ的です。ただし昆虫の観察に慣れた人が、これをゴミムシ類と見まちがうことはないと思います。ゴミムシ類が扁平な体つきであるのに対し、この虫は筒型の体型をしています。

大顎もちょっと変わっていて、大型のゴミムシ類のように大きくよく目立ちます。ただ、ハンターのそれとはちがい、ペンチのような形状で、これは木の皮をかじるのに適しているのでしょう。彼らが好むのは針葉樹です。

灯火にも飛んできます。数は少ないですが。この個体は道端で拾ったのですが、前胸背板が割れ、左前肢が脱落し、大きなダメージを受けて衰弱していました。人に踏まれでもしたのでしょう。体が硬くて頑丈なので、即死をまぬがれたようです。

背面図。やっぱゴミムシ的ですか? 体型的にはカミキリムシの特徴を備えていると思いますが、短くて細い触角と、長く大きな大顎がちょっとゴミムシ的ですか。6肢は短くてゴミムシのようなすばしっこさはありません。

側面図。大顎が下向きになっていますね。これは獲物を狩るよりも木をかじるのに向いています。

腹面図。長型の甲虫類はおおむねこんな感じでしょう。

口器のズームアップ(腹面)。コガネムシ類の幼虫のそれに似ていると思いました。食性も似ていますしね。この虫の幼虫は木の木部を食べます。