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ゴキブリ10連発(10)
オオゴキブリ

2014/01/07


 みんな大好きゴキブリ10連発のラストは、僕も本当に大好きなオオゴキブリの登場です。
 本州以南に分布する森林ゴキブリで、朽木の中にトンネルを掘り、ペアとその子供たちで家族生活する亜社会性を有します。卵胎生です。消化器官中の共生微生物により樹木のセルロースを分解する事ができますが、幼虫は親の排泄物を食べることによってこのバクテリアを受け渡されるのでしょう。棲息地と個体数が減少し、希少種になりつつあり、府県によってはレッドデータブックに準絶滅危惧種として記載されているところもあるようです。



 写真で見るとなかなかいかついゴキブリですが、人家に出るヤマトゴキブリのような俊敏さはなくおっとりしています。触ってもベトつきません。実物はカブトムシやカナブンに近い感覚です。



 自然界ではクヌギやナラなどの広葉樹の朽木に穿孔して暮らしているとのことなので、飼育下ではクワガタムシ用に市販されている産卵木とマットがそのまま流用できます。マットに充分に加水した朽木を埋め込んでやれば、この虫にとって理想的な環境になるでしょう。でも朽木の中に穿孔されたら観察が困難なので、朽木は細かく砕いてやりました。



 補助食と水分補給にと入れておいた昆虫ゼリーはほとんど食べず、朽木やマットをよく食べます。マットの表面にはどんどん糞が増えて行きます。糞は一見してマットを粉砕して固めたもののようです。これが生まれた幼虫への有用バクテリアの受け渡しに重要な働きをするはずです。



 幼虫の成長速度はゆっくりとしていて、他の繁殖力旺盛な種のようにどんどん成虫が増えることはありません。
 筆者は、冬場は加温していたのですが、そのせいかどうか、冬の間にどんどん数を減らし、春までに幼虫1頭を残してみんな死んでしまいました。加温によって環境が乾きすぎたのか、あるいは乾きを防ぐために加水してケージの開放部を小さくしたせいで蒸れてしまったのか、原因はよく判りません。ふつうに越冬できる虫ですから、加温せずにそっとしておいた方が良かったのかもしれません。
 じつは、筆者の住んでいるところには徒歩圏に本種の棲息地があります。夜間に昆虫採集に赴いた時に樹上にいる本種を見かけたこともあります。その林の近くに住む人によると家に入ってきたこともあるとか。
 住宅地開発が進む一方で、カブトムシやクワガタムシの棲む森を残そうという動きもあり、そうした森林で本種も暮らしています。豊かな森が人の手で荒らされることなくずっと残ってゆけばいいと思います。

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