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人間界

 ヒトを観察するには、大きく2つの方法があると思います。人間という生き物の形態や生態を生物学に観ることと、人間の文化事情や科学技術、社会のあり方を観ることです。後者の方は人間そのものではなく、人というものがどのように考えて行動し、そのことが世界にどう影響しているのかということです。アリは群れで行動することで地中に広大な巣を築き、そのことで自然環境に様々な影響を与えます。人はまた自然環境の変化に順応あるいか対応するために様々な行動をとります。アリも同じです。このように人の文化や技術や社会を概観すると、それを生態と定義できるかもしれませんが、人の営みが他の生物のそれと決定的に異なるのは、営みのほとんどが本能ではなく後天的な学習に依るということです。
 ヒト以外の生物も学習しますが、後天的に学んだことや経験が習性に反映されて定着するには、何回も世代交代をしなければなりませんし、学習や経験は形質の変化つまり進化を伴います。長い世代交代の後にあるものは森林に適応し、あるものは砂漠に適応したとすれば、そこの形質の変化が生じ、生殖的な隔絶が生じます。つまり交配して繁殖能力のある子孫を残す同じ種でなくなってしまうのです。ところがヒトは様々な環境に適応放散しながらも生殖的な隔絶が生じていません。肌の色や体格にずいぶん明瞭な差異が生じるほど長い間お互いに別の環境で暮らしていても、すべてのヒト同士が同一種として交配し、正常な子孫を残すことが可能です。
 ヒトは、環境に適応するために自分の形質を変化させるのではなく、適応するための技術や文化を会得します。何十万年も異なった環境で別々に暮らしていたせいで肌の色や体格にかなりの差異が生じてしまい、先天的な環境への適応力さえ変化してしまったとしても、ヒトが再び出会えば、交配が可能であり、生まれた子供は双方の利点を受け継いだヒトになり、けっして種の劣化を招くようなことはありません。これは有性生殖の最も有効な活用法です。

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